国民年金の未納で差し押さえはいつから?督促の流れと、免除・納付猶予で止める方法

国民年金の未納で差し押さえはいつから?督促の流れと、免除・納付猶予で止める方法

国民年金保険料の差し押さえは、督促状で指定された期限を過ぎても納付されない場合に行われるとされていますが、未納から何か月で対象になるという基準は公式ページに示されていません。未納のまま放置すると、届く書面が段階的に厳しくなり、最終的には預貯金や給与などの財産の差し押さえに至ることがあります。

この記事では、差し押さえに至るまでの流れ、2014年に公表された強制徴収の基準、延滞金の仕組み、世帯主・配偶者の連帯納付義務、そして今からでも申請できる免除・納付猶予制度について、日本年金機構の公式ページで確認できる内容をもとに解説します。

先に結論
  • 未納を放置すると、納付勧奨→最終催告状→督促状→財産差し押さえの順に進みます。
  • 差し押さえ(強制徴収)は、保険料を支払う能力がありながら、たび重なる納付勧奨に応じない方が対象です。
  • 督促状で指定された期限までに納めないと、延滞金が加算されます。
  • 世帯主・配偶者にも連帯納付義務があり、督促状・差し押さえの対象になり得ます。
  • 今から免除・納付猶予を申請し承認されれば、申請時点から2年1か月前までさかのぼって未納を解消できます。
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目次

国民年金の未納を放置するとどうなる?差し押さえまでの流れ

日本年金機構は、国民年金保険料を納付期限までに納めない方に対して、まず電話や文書による納付勧奨を行います。それでも納付されない場合は最終催告状が送られ、指定された期限までに納付されないと督促状が送付されます。督促状で指定した期限までに未納の保険料が納付されない場合は、財産の差し押さえが行われるとされています。

自宅で封筒を開ける手元の様子
※画像はイメージです
段階内容今からできること
納付勧奨電話・文書などによる納付の呼びかけ未納分の納付、または免除・納付猶予の相談・申請
最終催告状期限を示した最終的な催告の文書期限までの納付、または年金事務所への相談
督促状期限までに納付がない場合に送付される督促の文書期限までの納付。期限を過ぎると延滞金が発生
財産の差し押さえ預貯金・給与・不動産などが対象になり得ます年金事務所や弁護士・司法書士への相談

財産の差し押さえは、預貯金や給与などが対象になり得ます。給与が差し押さえられる場合にどこまで差し押さえられるのかについては、給料の差し押さえは何割までを解説した記事もあわせてご確認ください。

差し押さえ(強制徴収)の対象は?2014年公表の基準を確認

日本年金機構は、強制徴収の対象について「国民年金保険料を支払う能力をお持ちでありながら、たび重なる納付勧奨を実施しても納付されない場合」に、督促・差し押さえの手続きを進めるとしています。

電卓で家計を計算する手元
※画像はイメージです

この基準は、日本年金機構が2014年(平成26年)1月24日に公表した「国民年金保険料の強制徴収の取組強化」という発表資料によるもので、控除後所得額が400万円以上かつ未納月数が13か月以上の方のうち、たび重なる督励にもかかわらず納付する意思がない方について、財産調査や差し押さえなどの強制徴収に積極的に取り組むとされていました。特に所得額が1,000万円以上ある方については、取り組みを徹底するとも記されています。ただし、この基準が適用される「取組期間」として発表資料に示されていたのは2014年2月・3月の2か月間のみであり、現在も適用されている基準ではありません。あわせて、同資料では国税庁へ滞納処分の権限を委任できる要件として、未納月数が24ヶ月分以上で、かつ滞納者や連帯納付義務者の直近の所得額が1,000万円以上であることなどが示されています。

強制徴収の対象となる所得や未納月数の具体的な基準を示す公式ページは確認できませんでした。上記の基準は2014年当時の参考情報であり、現在の運用基準は届いた文書の記載内容や、年金事務所への確認で把握することをおすすめします。「差し押さえられるのはおかしいのでは」と感じる場合の考え方は、年金が差し押さえられるのはおかしい?を解説した記事も参考にしてください。

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延滞金はいくら発生する?

日本年金機構によると、督促状で指定した期限までに未納の保険料が納付されない場合は、延滞金が発生します。延滞金の割合は2段階で、納付期限の翌日から3か月を経過する日までは割合A、3か月を経過した日の翌日から納付の前日までは割合Bが適用されます。

公式ページに示されている例では、割合Aは年2.8%、割合Bは年9.1%とされています。計算方法は、各月の保険料額(500円未満の端数は切り捨て)×延滞金の割合×日数÷365で、計算した延滞金額に50円未満の端数がある場合は切り捨て、延滞金額が50円未満のときは徴収されません。延滞金の割合は年度によって見直されるため、正確な年度別の割合は日本年金機構の公式ページの一覧表でご確認ください。

世帯主・配偶者も対象になる?(連帯納付義務)

国民年金の保険料は、被保険者本人だけでなく世帯主および配偶者にも連帯して納付する義務があります。これは国民年金法第88条を根拠とするもので、婚姻の届け出をしていなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある方も含まれるとされています。

自宅のソファに並んで座る夫婦の後ろ姿
※画像はイメージです

日本年金機構の説明でも、被保険者に世帯主・配偶者という連帯納付義務者がいる場合、督促状や財産の差し押さえの措置は、これらの連帯納付義務者に対しても行われるとされています。つまり、本人名義の未納であっても、世帯主や配偶者の財産が差し押さえの対象になり得るということです。家族に未納を知られたくないという場合でも、放置すれば世帯主・配偶者にも影響が及ぶ可能性がある点は理解しておく必要があります。

今からできる、免除・納付猶予の申請(過去2年1か月前まで遡及可能)

収入の減少や失業などにより国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合は、保険料免除制度または納付猶予制度を申請できます。免除は本人・配偶者・世帯主の前年所得(または前々年所得)をもとに審査され、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の区分があります。納付猶予は20歳以上50歳未満の方が対象で、本人・配偶者の前年所得をもとに審査されます。いずれも承認された場合に免除・猶予される制度で、申請すれば必ず認められるとは限りません。なお、失業・倒産・事業の廃止などが確認できる場合は、前年所得にかかわらず認められる失業等による特例免除もあります。

日本年金機構が示す所得基準の目安は次のとおりです。

区分所得基準の目安
全額免除・納付猶予(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
4分の3免除88万円+扶養親族等控除額など
半額免除128万円+扶養親族等控除額など
4分の1免除168万円+扶養親族等控除額など

重要なのは、免除・納付猶予は「今から」だけでなく「さかのぼって」も申請できるという点です。日本年金機構は、保険料の納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1か月前までの期間についても、さかのぼって免除・納付猶予を申請できるとしています。すでに督促状が届いている場合でも、対象の期間について免除・納付猶予が認められれば、その期間の保険料や延滞金の扱いが変わる可能性があるため、まずは年金事務所や年金相談センターに相談することが現実的な対処になります。

なお、産前産後期間の保険料免除に加えて、育児期間に関する国民年金保険料の免除制度についても案内があります。詳しくは国民年金の育児免除に関する記事をご確認ください。

学生納付特例制度も確認しておく

20歳以上の学生で、本人の前年所得が一定額以下の場合は、学生納付特例制度を利用できます。日本年金機構が示す所得基準の目安は、128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等です(この基準は申請者本人の所得のみで判定され、世帯主や配偶者の所得は関係ありません)。

机で書き物をする学生の手元
※画像はイメージです

承認期間は、原則として申請日にかかわらずその年度の4月から翌年3月までで、申請月が1月から3月の場合は前年度の4月から3月までの期間が対象になります。学生納付特例についても、保険料の納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1か月前までの期間はさかのぼって申請できます。承認された期間は未納にはなりませんが、老齢基礎年金の受給額には反映されないため、余裕ができた時点で追納すると将来の年金額を増やせます。

0800-808-7000からの電話について

日本年金機構の関連業務で使われているとされる電話番号のひとつに、0800-808-7000があります。この番号からの着信の内容や性質については、0800-808-7000は国民年金保険料に関連した電話番号かを解説した記事で詳しく取り上げていますので、着信に心当たりがある場合はあわせてご確認ください。不安な場合は、その場で個人情報を伝えず、いったん電話を切ってから、日本年金機構の公式サイトに記載された年金事務所の番号に自分でかけ直すと確実です。

保険料が本当に払えないときは、他の借金の整理を先に

ここで押さえておきたいのは、国民年金保険料は債務整理をしても減らすことができないという点です。国民年金保険料などの公租公課にあたる債権は、破産法第253条第1項第1号により、自己破産をしても支払い義務がなくならない非免責債権とされています。任意整理や個人再生、自己破産のいずれを行っても、国民年金保険料そのものが減額・免除されるわけではありません。

電話で相談する後ろ姿の様子
※画像はイメージです

したがって、国民年金保険料が払えない場合にまず行うべきなのは、前述の免除・納付猶予・学生納付特例の申請によって、法的に保険料の負担を軽くすることです。そのうえで、消費者金融やカードローンなど他の借金があり、その返済で家計が圧迫されて国民年金保険料まで払えなくなっている場合は、それらの借金を任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理で整理し、国民年金保険料を無理なく納められる状態を作るという順番で考えるのが現実的です。

債務整理を弁護士・司法書士に依頼し、依頼を受けた旨の受任通知が対象の借入先(貸金業者やクレジットカード会社など)に届くと、その借入先からの督促や取り立ては止まります。ただし、これはあくまで受任通知を受け取った借入先に対する効果であり、国民年金保険料の督促自体は年金事務所との相談(免除・納付猶予の申請や分割の相談)によって対応する必要がある点には注意してください。

借金の減額は、弁護士に無料で相談できます

支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。

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よくある質問

国民年金の未納で差し押さえはいつから始まりますか?

日本年金機構は、納付勧奨を行っても納付されない場合に最終催告状を送付し、それでも納付されなければ督促状、さらに督促状の指定期限までに納付されない場合に財産の差し押さえに進むとしています。具体的にいつからという一律の日数は公式ページに示されていないため、届いた文書に記載された期限を確認することが必要です。

差し押さえの対象になる所得・未納月数の条件はありますか?

日本年金機構は「保険料を支払う能力がありながら、たび重なる納付勧奨に応じない方」を対象としています。これは2014年(平成26年)1月の発表で、2014年2〜3月の集中的な取り組みの対象として、控除後所得額400万円以上かつ未納月数13か月以上(特に所得1,000万円以上は徹底)という基準が示されていましたが、現在の基準ではなく、最新の数値基準を明記した公式ページも確認できませんでした。

差し押さえは世帯主や配偶者にもされますか?

されることがあります。国民年金法第88条により、世帯主・配偶者にも連帯して保険料を納付する義務があり、日本年金機構は督促状や財産の差し押さえの措置がこれらの連帯納付義務者に対しても行われるとしています。

延滞金はいつから、いくらかかりますか?

督促状で指定した期限までに保険料を納付しないと延滞金が発生します。公式ページの例では、納付期限の翌日から3か月を経過するまでは年2.8%、その後納付する前日までは年9.1%とされ、各月の保険料額に割合と日数を掛けて365で割って計算します。割合は年度によって見直されます。

今からでも免除や納付猶予は申請できますか?

できます。日本年金機構は、保険料の納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1か月前までの期間について、免除・納付猶予・学生納付特例をさかのぼって申請できるとしています。督促状が届いた後でも、まずは年金事務所に相談することをおすすめします。

国民年金保険料は債務整理で減らせますか?

減らせません。国民年金保険料などの公租公課は破産法第253条第1項第1号により非免責債権とされ、自己破産をしても支払い義務は残ります。他の借金がある場合は、そちらを債務整理で整理して国民年金保険料を無理なく払える状態にするという順番で検討することになります。

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出典

更新履歴

2026年9月24日:記事を公開しました。

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