カード払いが遅れたら一括請求はいつ?割賦販売法は20日以上の催告が必要|リボ・分割払い

カード払いが遅れたら一括請求はいつ?割賦販売法は20日以上の催告が必要|リボ・分割払い

クレジットカードのリボ払いや分割払いが遅れると、「一括で全額を請求されるのでは」と不安になります。割賦販売法には、一括請求(支払時期の来ていない分の請求)や契約の解除の前に、20日以上の期間を定めた書面での催告を求める規定があります。この記事では、条文をもとに、対象になる支払い方法、注意点、払えないときの順番を整理します。

先に結論
  • 割賦販売法30条の2の4:カード会社は、20日以上の相当な期間を定めて書面などで催告し、その期間内に支払われないときでなければ、支払時期の来ていない分の請求や契約の解除ができません。
  • リボ払い・2か月を超えて後払いするカード払い(分割払いなど)が対象です。購入から2か月を超えない後払い(翌月一括払いなど)は、定義から除かれています。
  • この規定に反する特約は無効です。ただし、遅れた分の支払義務や遅延損害金がなくなるわけではありません。
  • キャッシングは貸金業法の貸付けで、別の規定です。払えないときは、早めにカード会社へ連絡し、必要なら債務整理を相談します。
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目次

支払いが遅れたら、すぐに全額を請求される?

クレジットカードのリボ払いや分割払いの支払いが遅れたとき、「一括で全額を払え」と言われないか不安になる人は多いはずです。カード会社の規約には、支払いを遅らせたときなどに、まだ支払期限が来ていない分も含めて一括で請求できる定め(期限の利益の喪失)が置かれていることがあります。ただし、割賦販売法には、その請求を無制限に認めない規定があります。ここでは、法律の側から整理します。

民法136条は、期限は債務者の利益のために定めたものと推定する、としています。期限の利益を失うのは、民法137条が定める場合(債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、担保を滅失・損傷・減少させたとき、担保を供する義務があるのに供しないとき)のほか、契約で定めた場合です。

割賦販売法の「20日以上の催告」

割賦販売法30条の2の4は、包括信用購入あっせん業者(カード会社など)は、支払分または弁済金の支払の義務が履行されない場合において、20日以上の相当な期間を定めて、その支払を書面(購入者の保護に支障を生じないとして定める場合は電磁的方法)により催告し、その期間内に義務が履行されないときでなければ、支払の遅れを理由として、契約を解除し、または支払時期の到来していない支払分もしくは弁済金の支払を請求することができない、と定めています。同条2項は、これに反する特約は無効とします。

つまり、1回の遅れだけで、直ちに残りの全額を請求できるわけではなく、20日以上の期間を定めた催告が必要です。対象の範囲を表にまとめます。

支払い方法割賦販売法の「20日以上の催告」のルール
カードのリボ払い(包括信用購入あっせん2号)対象。30条の2の4:弁済金の支払の義務が履行されない場合、20日以上の相当な期間を定めて書面(または電磁的方法)で催告し、その期間内に履行されないときでなければ、契約を解除し、支払時期の到来していない弁済金の支払を請求できない
2か月を超えて後払いするカード払い(分割払いなど、2条3項1号)対象。同条:支払分の支払の義務が履行されない場合の、同じルール
カードを使わないクレジット契約(個別信用購入あっせん)対象。35条の3の17:同様に20日以上の相当な期間を定めた書面での催告が必要
購入契約から2か月を超えない範囲で支払う後払い(翌月一括払い、2回払いなど)包括信用購入あっせんの定義(2条3項1号)から、2か月を超えない範囲の受領は除かれている

同じ内容は、割賦販売そのもの(5条)にもあります。キャッシング(お金の借入れ)は、割賦販売法ではなく貸金業法の貸付けです。キャッシングの返済が遅れたときの一括請求は、アコムから一括請求が来たらとアイフルの返済が遅れたらどうなる?で解説しています。

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この規定が使えない場面・注意点

  • 20日の催告は、「一括請求できる」ことを前提とした手続の制限で、遅れた分の支払義務や、遅延損害金がなくなるわけではありません。金銭の給付を目的とする債務の不履行による損害賠償の額は、原則として法定利率で定まり、約定利率が法定利率を超えるときは約定利率による(民法419条1項)とされています
  • 民法137条1号のとおり、債務者が破産手続開始の決定を受けたときは、期限の利益を主張できません
  • 催告の書面は、督促状として届くことがあります。届いたものは、捨てずに、期限と金額を確かめてください(督促状を無視したときの流れは督促状を無視し続けるとどうなる?で解説しています)
  • 法律の規定と、実際のカード会社の運用や規約の定めは、会社ごとに異なります。具体的な条件は、契約した会社の会員規約や督促状で確認してください

催告の書面が届いたら、確認したい点

  • 催告の書面に、支払期限が書かれているか。催告で定められた期間が20日以上あるか(割賦販売法30条の2の4が定める「20日以上の相当な期間」)
  • 請求されている金額の内訳(遅れている分、支払時期の来ていない分、遅延損害金)が分かるか
  • 期限までに払えば、契約の解除や一括請求を避けられる旨の記載があるか
  • 差出人が、契約したカード会社や、その委託を受けた会社であるか(不審なときは、カードの裏面や公式サイトの番号で確認する)

期限の前に、カード会社へ連絡して事情を伝えることで、分割払いの変更などの相談ができる場合があります。法律上の細かい扱いに不安があるときは、弁護士・司法書士や、消費生活センター(消費者ホットライン188)にも相談できます。

一括請求が届いたら:払えないときの順番

  1. 書類の内容を確認する:請求額、支払期限、問い合わせ先を、会員規約・督促状と照らす。連絡先の番号が、カード裏面や公式サイトの番号と合っているかも確かめる
  2. カード会社へ早めに連絡する:支払いが遅れている理由と、支払える時期・金額を伝え、分割での支払いなどを相談する
  3. ほかにも借入れがあって払えないとき:弁護士・司法書士に債務整理を相談する。依頼を受けた弁護士・司法書士が貸金業者に通知すると、通常、貸金業者からの連絡は止まる(法テラス)

リボ払いの残高が減らない理由と対処はリボ払いが払えないとどうなる?、延滞したときの信用情報への影響はクレジットカードの支払いが遅れたらどうなる?で解説しています。連帯保証人に請求が来たときの流れは連帯保証人に請求が来たらで整理しています。

債務整理の選択肢と相談先

任意整理は任意整理のメリット・デメリット、自己破産は自己破産のメリット・デメリット、個人再生は個人再生とは?で解説しています。費用が心配なときは、債務整理の費用が払えないときで整理した法テラスの立替制度があります。

相談は、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時)でも案内を受けられます。支払いのために、「審査なし」をうたう業者や個人間融資、給与ファクタリングから借りるのは、貸金業の登録がない違法な貸付である可能性が高いため、やめてください。カードの買い物枠の現金化も、結局はカード会社への債務が残ります(JCCOの注意喚起)。

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支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。

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まとめ

  1. 割賦販売法30条の2の4は、カード会社が一括請求や契約の解除をする前に、20日以上の相当な期間を定めた書面等での催告を求める。
  2. 対象は、リボ払い、2か月を超えて後払いするカード払い(分割払いなど)、カードを使わないクレジット契約(35条の3の17)。
  3. 購入契約から2か月を超えない後払いは、包括信用購入あっせんの定義から除かれている。
  4. 催告の規定があっても、遅れた分の支払義務や遅延損害金はなくならない。
  5. 払えないときは、早めにカード会社へ連絡し、ほかにも借入れがあれば弁護士・司法書士に債務整理を相談する。

よくある質問

カードの支払いが1回遅れたら、残りも一括請求されますか?

カードのリボ払いや、2か月を超えて後払いする分割払いなどは、割賦販売法30条の2の4により、カード会社が支払時期の到来していない分の支払を請求するには、20日以上の相当な期間を定めて書面等で催告し、その期間内に履行されないことが必要です。この規定に反する特約は無効です。

20日以上の催告とは、何ですか?

支払いが遅れた場合に、カード会社が、20日以上の相当な期間を定めて、支払を書面(または、定められた場合は電磁的方法)で求めることです。その期間内に支払わないときでなければ、契約の解除や、支払時期の来ていない分の請求はできません(割賦販売法30条の2の4、35条の3の17)。

翌月一括払いが遅れた場合も、20日の催告が必要ですか?

割賦販売法の「包括信用購入あっせん」の定義(2条3項1号)は、購入契約から2か月を超えない範囲で受領するものを除いています。そのため、翌月一括払いや2回払いなど、2か月を超えない後払いは、この規定の対象外と読めます。契約内容は、会員規約で確認してください。

キャッシングの返済が遅れた場合も、同じルールですか?

キャッシング(お金の借入れ)は貸金業法の貸付けで、割賦販売法の規定とは別です。詳しくは、契約した会社の規約と、貸金業法に基づく説明を確認してください。

一括請求が来て払えないときは、どうすればいいですか?

書類の内容を確認し、カード会社に早めに連絡して、分割などを相談します。ほかにも借入れがあって返済が難しいときは、弁護士・司法書士に債務整理を相談します。依頼を受けた弁護士・司法書士が通知すると、通常、貸金業者からの連絡は止まります(法テラス)。

出典

更新履歴

2026年10月9日:記事を公開しました。

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