生活福祉資金とは|緊急小口資金は10万円以内・無利子、債務整理の費用も対象(社協)

生活福祉資金とは|緊急小口資金は10万円以内・無利子、債務整理の費用も対象(社協)

急にお金が足りなくなったとき、「違法な業者に頼る前に、公的な貸付けはないのか」と探している人は多いはずです。社会福祉協議会が行う生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯向けの公的な貸付けです。この記事では、厚生労働省と全国社会福祉協議会の資料をもとに、対象、資金の種類と条件、債務整理の費用、返済が難しいときの相談を整理します。

先に結論
  • 生活福祉資金は、都道府県社会福祉協議会が実施主体の公的な貸付けで、対象は低所得者・障害者・高齢者の世帯です(厚生労働省)。
  • 緊急小口資金は10万円以内・無利子・連帯保証人不要、生活支援費は(2人以上)月20万円以内、(単身)月15万円以内です(全社協の資料)。
  • 総合支援資金の一時生活再建費(60万円以内)は、債務整理をするために必要な経費が対象の例に挙げられています。
  • 貸付けには償還可能性の審査があり、即日ではありません。返済が難しいときは、早めに地域の社協に相談します。
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目次

生活福祉資金貸付制度とは:社会福祉協議会が行う公的な貸付け

厚生労働省の「生活福祉資金貸付制度」のページによると、実施主体は都道府県社会福祉協議会で、制度に関する問い合わせは、住んでいる地域の市区町村社会福祉協議会で受けています(市区町村社協の連絡先が分からないときは、都道府県社協に問い合わせ)。貸付対象は、次の世帯です。

  • 低所得者世帯:必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
  • 障害者世帯:身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者などが属する世帯
  • 高齢者世帯:65歳以上の高齢者が属する世帯

貸付資金の種類は、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金です。貸付けの決定にあたっては、貸付条件に加えて、償還可能性の有無が考慮されます。コールセンターは、0120-46-1999(平日のみ9:00〜17:00)です。

主な資金の限度額・条件

全国社会福祉協議会(全社協)が厚生労働省の会議で示した資料(厚生労働省のサイトに掲載)では、次のように整理されています。

資金内容・限度額など(全社協の資料)
緊急小口資金(福祉資金の一つ)緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用。限度額10万円以内、据置期間は貸付けの日から2月以内、償還期限は据置期間経過後12月以内、無利子、連帯保証人は不要
総合支援資金:生活支援費生活再建までの間に必要な生活費用。(2人以上)月20万円以内、(単身)月15万円以内。貸付期間は原則3月、最長12月以内(延長3回)。据置期間は最終貸付日から6月以内、償還期限は据置期間経過後10年以内
総合支援資金:住宅入居費敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用。40万円以内
総合支援資金:一時生活再建費生活を再建するために一時的に必要で、日常生活費で賄うことが困難な費用(就職・転職を前提とした技能習得に要する経費、滞納している公共料金等の立て替え費用、債務整理をするために必要な経費など)。60万円以内
教育支援資金:教育支援費・就学支度費低所得世帯に属する者が高校・大学・高専に就学するために必要な経費。教育支援費は(高校)月3.5万円以内、(高専)月6万円以内、(短大)月6万円以内、(大学)月6.5万円以内(特に必要と認める場合は1.5倍まで)、無利子。就学支度費(入学に際し必要な経費)は50万円以内
福祉資金:福祉費生業を営むために必要な経費、技能習得に必要な経費、住宅の増改築・補修などに必要な経費など。580万円以内(資金の用途に応じて上限の目安額を設定)。償還期限は据置期間経過後20年以内

貸付利子は、厚生労働省のページによると、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%です(緊急小口資金、教育支援資金は無利子。不動産担保型生活資金は、年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率)。連帯保証人は原則必要ですが、立てない場合も貸付可能です。上の金額・期間は資料の時点のものです。制度は見直されることがあるため、最新の条件は、お住まいの地域の社会福祉協議会で確認してください。

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滞納している公共料金や、生活再建の費用にも使える

総合支援資金の一時生活再建費の対象の例には、債務整理の経費のほか、「滞納している公共料金等の立て替え費用」も挙げられています。借金の返済と、公共料金や税金などの滞納が重なって、生活が立ち行かなくなっている場合は、貸付けだけでなく、自立相談支援事業での相談(収支の整理や就労支援など)と合わせて検討することになります。全社協の資料にも、生活福祉資金の貸付けと、家計の「見える化」を行う家計改善支援事業とを連携させる意義が書かれています。

債務整理に必要な経費も、貸付けの対象になる

上の表のとおり、総合支援資金の「一時生活再建費」(60万円以内)の対象の例に、「債務整理をするために必要な経費」が挙げられています。債務整理の費用が払えないときの選択肢として、法テラスの立替制度のほかに、社会福祉協議会の貸付けを相談できる場合があります。ただし、貸付けの対象になるか、いくら借りられるかは、世帯の状況や、償還可能性の審査によります。法テラスの立替制度は債務整理の費用が払えないときで整理しています。

全社協の資料では、貸付けは、「資金の貸付け」と「必要な相談支援」を行い、借受世帯の自立を図ることが目的で、他制度の利用が優先される、とされています。緊急小口資金についても、自立相談支援事業の利用が原則要件化されているとの記載があります。貸付けは、償還の見込みが立つか審査が必要で、一定の時間がかかります。「即日で借りられる」制度ではありません。

返済が難しくなったとき:まず社会福祉協議会へ

厚生労働省のページには、償還(返済)にお困りの人には、償還開始時期を遅らせることができる償還猶予の制度などがあり、まずは地域の社会福祉協議会に相談するよう案内されています。ただし、このページの償還猶予・償還免除の案内は、新型コロナウイルス感染症の特例貸付(緊急小口資金等)を利用した人向けのブロックに書かれています。特例貸付は令和4年(2022年)9月末日で申請受付が終了しており、通常の貸付け(本則)の返済で、同じ猶予・免除が使えるかどうかは、このページからは分かりません。

通常の貸付けを借りている、または借りようとしている場合は、返済に困りそうな時点で、早めに借入れ先の社会福祉協議会に相談してください。特例貸付の免除(住民税非課税、生活保護の受給中、死亡や失踪宣告、手帳の交付、自己破産など)の条件は、特例貸付の利用者向けの案内です。

お金に困ったとき、順番に使いたい公的な相談先

生活費や緊急の支払いに困ったとき、まずは、公的な貸付けや相談を使うことを検討してください。

急いでいるときほど、「審査なし」「即日融資」をうたう業者や個人間融資、給与ファクタリングに手を出してしまいがちです。これらは、貸金業の登録がない違法な貸付である可能性が高く、金融庁も注意を呼びかけています(詳しくは給与ファクタリング・個人間融資は違法?)。債務整理の流れは、任意整理のメリット・デメリット、自己破産のメリット・デメリットで解説しています。

借金の減額は、弁護士に無料で相談できます

支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。

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まとめ

  1. 生活福祉資金貸付制度は、都道府県社協が実施主体の公的な貸付け。対象は低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯。
  2. 緊急小口資金は10万円以内・無利子・連帯保証人不要。生活支援費は(2人以上)月20万円以内、(単身)月15万円以内。
  3. 連帯保証人ありは無利子、なしは年1.5%(緊急小口資金・教育支援資金は無利子)。
  4. 総合支援資金の一時生活再建費(60万円以内)は、債務整理の経費も対象の例に挙げられている。
  5. 即日の貸付けではなく、償還可能性の審査がある。返済が難しいときは、早めに社協に相談する。

よくある質問

生活福祉資金貸付制度とは、何ですか?

都道府県社会福祉協議会が実施主体となる、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯への公的な貸付制度です。資金の種類は、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金です(厚生労働省)。

緊急小口資金は、いくら借りられますか?

全社協の資料では、限度額は10万円以内、据置期間は貸付けの日から2月以内、償還期限は据置期間経過後12月以内、無利子で、連帯保証人は不要です。最新の条件は、社会福祉協議会で確認してください。

債務整理の費用も借りられますか?

全社協の資料では、総合支援資金の一時生活再建費(60万円以内)の対象の例に、債務整理をするために必要な経費が挙げられています。対象になるかは、世帯の状況や償還可能性の審査によります。

利子はかかりますか?

厚生労働省のページによると、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%です。緊急小口資金と教育支援資金は無利子です。

返済が難しくなったら、どうすればいいですか?

厚生労働省のページでは、償還にお困りの人は、償還開始時期を遅らせることができる償還猶予の制度などがあるため、まず、地域の社会福祉協議会に相談するよう案内されています(特例貸付の返済についての案内)。通常の貸付けでの扱いは、借入れ先の社会福祉協議会に確認してください。

出典

更新履歴

2026年10月9日:記事を公開しました。

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