副業・情報商材の返金はできる?消費生活センターとカード会社への相談、借金させる手口

副業・情報商材の返金はできる?消費生活センターとカード会社への相談、借金させる手口

副業や情報商材、投資の「サポート」契約で高額な代金を払い、「返金してほしいが応じてもらえない」という状況になっている方に向けた記事です。

結論から言うと、返金できるかは契約の仕方(電話やWeb会議での勧誘か、ネットで自分から申し込んだかなど)で扱いが変わり、自己判断で諦める前に確認すべき手順があります。

この記事では、クーリング・オフの考え方、クレジットカードで払った場合の対処、消費生活センターへの相談方法、借金をして払った場合の対応を、公的機関の公表情報の範囲で整理します。

先に結論
  • 契約書面を受け取った日から8日または20日以内なら、契約の種類によってはクーリング・オフができる可能性があります。
  • クレジットカード(分割払い等)で払った場合は、カード会社に「支払停止の抗弁」を申し出られる場合があります。
  • 自分で交渉する前に、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センター等に相談してください。
  • 「返金できます」と持ちかけてくる別の業者には注意してください。二次被害の可能性があります。
  • 借金をして払ってしまった場合、返済義務は借りた本人にありますが、返せない場合は専門家への相談という選択肢があります。
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目次

情報商材・副業サポートの契約で「返金できない」と言われたら

国民生活センターは2026年9月16日、「ビジネス講座のトラブルにご注意」と題する注意喚起を公表しました。同センターの発表によると、AI講座やSNS運用講座などのビジネス講座の相談は増加傾向にあり、以前はSNS広告経由の通信販売契約が多かったのに対し、近年はSNS広告で知った事業者からWeb会議で勧誘を受け契約するケースが見られるとしています。同センターは、こうしたケースは特定商取引法の電話勧誘販売に該当する場合があるとし、電話勧誘販売の相談は増加傾向で、通信販売より契約金額が高額になりやすいとしています。

Web会議アプリで説明を受ける人の手元
※画像はイメージです

実際の相談事例として、次のようなものが紹介されています。

  • SNS広告からメッセージアプリに誘導され、説明会を受けてオンラインAI講座を契約したが、内容が期待した水準ではなかった。
  • Web会議で説明を受け、総額100万円超のクレジットを組んでAI講座を契約したが、支払いが困難でやめたい。
  • 副業の採用面接に応募したら65万円のビジネス講座契約になっていた。事業者間契約だから解約できないと言われた。

同センターは、講座内容だけでなく解約条件や返金の可否を確認すること、Web会議で勧誘されてもその場で決めず冷静に検討すること、総支払額を確認することをアドバイスとして挙げています。「事業者間契約だから解約できない」という説明をそのまま信じず、まずは契約の種類ごとの扱いを確認してください。

クーリング・オフはできる?契約の種類で変わる注意点

クーリング・オフは、その契約が特定商取引法上のどの取引類型に当たるかによって、できる期間や可否が変わります。消費者庁の特定商取引法ガイドで確認できる範囲は次のとおりです。

契約書らしき書類を確認する手元
※画像はイメージです
契約のきっかけ該当しうる取引類型クーリング・オフ期間
電話やWeb会議での勧誘を受けてその場で契約した電話勧誘販売法定の書面を受け取った日から8日以内
「人を紹介すると報酬が得られる」と誘われた連鎖販売取引法定の書面を受け取った日(商品の引渡しの方が後ならその日)から20日以内
「仕事を提供するので収入が得られる」と言われ教材等を買わされた業務提供誘引販売取引法定の書面を受け取った日から20日以内
広告を見て自分でサイト上から申し込んだだけ通信販売法律上のクーリング・オフ制度はなし

消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売にはクーリング・オフに関する規定がないと明記しています。ただし通信販売のうち商品(特定権利)の売買契約については、事業者が広告に返品特約を表示していない場合、その商品の引渡し(特定権利の移転)を受けた日から数えて8日以内であれば、消費者の送料負担で契約の申込みの撤回や解除ができるとされています。事業者が「返品不可」などの特約を広告に表示している場合はその特約が優先されるため、契約時の広告表示を確認する必要があります。この返品のルールは商品(特定権利)の売買契約が対象で、講座などのサービス(役務)の契約には当てはまりません。オンライン講座など役務の提供を受ける契約は、契約時に示された解約条件を確認したうえで、消費者ホットライン「188」に相談してください。

自分の契約がどの類型に当たるかの判断は簡単ではありません。勧誘方法や紹介の仕組み、仕事の提供とセットだったかを整理したうえで、消費生活センターに相談し、契約の性質を確認してもらうことをおすすめします。

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クレジットカードで払った場合:「支払停止の抗弁」

クレジットカードの分割払いなどで代金を支払った場合、契約に問題があるときはカード会社に対して支払いを一時的に止めるよう申し出られることがあります。これは割賦販売法に定められた「支払停止の抗弁」と呼ばれる権利です。日本クレジット協会の説明によると、申し出ができる主な条件は次のとおりです。

クレジットカードを手にして考える人の手元
※画像はイメージです
  • 支払期間が2か月以上の分割払いであること(原文の表現は「支払期間が2月未満の取引のとき」は対象外というものです)。
  • クレジットカードや個別のクレジットで支払総額が4万円以上であること(リボルビング払いの場合は現金価格が3万8千円以上)。
  • 詐欺や強迫、錯誤による契約であることなど、契約自体に問題がある場合も申し出の対象になるとされています。

なお同協会は、「『支払停止の抗弁権』は、契約を解除できる権利ではありません。販売会社との間で生じている問題が解決するまで、クレジット会社への支払いを停止する権利です」と説明しています。

また同協会は、商行為にあたる契約は原則として対象外になるとしつつ、連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引の個人契約についてはこの除外の対象から外れる、つまり事業目的とされていても対象になり得ることを明記しています。副業サポートや情報商材の契約がこれらに当たる場合は確認する価値があります。具体的な可否は契約内容によって異なるため、カード会社の窓口に契約書面を示して相談してください。

消費生活センターに相談する

自分だけで事業者やカード会社と交渉する前に、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すれば、最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。国民生活センターは、こうしたトラブルは不安に思った時点で最寄りの消費生活センター等に相談するよう呼びかけています。

電話で相談する人の後ろ姿
※画像はイメージです

相談する際は、次のようなものを手元に準備しておくとスムーズです。

  • 契約書面、概要書面、申込み画面のスクリーンショットなど契約内容がわかるもの
  • 広告やSNS投稿、Web会議の案内メッセージなど勧誘のきっかけがわかるもの
  • クレジットカードの利用明細、振込記録など支払いの証拠
  • 事業者とのやり取り(メッセージアプリ、メール、通話日時など)

消費生活センターでは、契約の種類やクーリング・オフの可否、交渉の進め方について助言を受けられます。事業者に直接「返金してほしい」と伝える場合も、先に相談してから進めるほうが安全です。

「返金できます」という業者に注意(二次被害)

副業や情報商材のトラブルで代金を払ってしまった方に対し、さらに別の業者が接触してくる二次被害も起きています。心当たりのない相手からの連絡や、返金を保証するような甘い言葉には注意してください。すでに一度被害に遭った状況で不安な気持ちになるのは自然なことで、それにつけ込む手口があるという点は知っておく価値があります。二次被害の手口や注意点は、投資詐欺のお金は返ってくる?で詳しく解説しているので参考にしてください。少しでも不審に感じたら、その場で契約や送金をせず、消費生活センターに確認しましょう。

借金をして払ってしまった人へ

国民生活センターは2026年5月20日、「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!」と題する発表を行いました。同発表によると、副業や投資の勧誘業者から「すぐに返済できる」などと言われ、複数の貸金業者から短期間に次々と借り入れ、勧誘してきた業者に支払うケースが目立つとしています。同発表は、こうした借り入れについて返済義務は借り入れをした消費者自身が負うことを明記しています。

落ち着いた雰囲気の自宅の机まわり
※画像はイメージです

同発表に掲載されたPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)のデータでは、業者による借り入れ指示の有無を問わず複数の貸金業者等から借り入れた事案の相談件数は、2021年度の1,796件から2023年度に4,825件、2024年度に5,212件まで増加し、2026年3月31日までの登録分で2025年度は4,088件だったとされています。平均契約購入金額(金額不明の相談を除く算術平均)は、2021年度の145万円から2025年度には257万円まで上昇したと公表されています。契約当事者の年代は2025年度のデータで20歳代が53.9%で最多、平均年齢は33.5歳と記載されています。同センターは、遠隔操作アプリのインストールや画面共有を求められても安易に応じないこと、貸金業者に虚偽の申告をしないことをアドバイスとして挙げています。

借金をしてしまった場合でも、まずは実際にいくら払い、いくら借りているかを整理してください。今すぐ全額を返せなくても、次のような相談先があります。

  • 借入先の貸金業者に直接、支払いのめどを相談する
  • 消費者ホットライン「188」で消費生活センターに業者とのトラブルを相談する
  • 複数の借金の返済が難しい場合は、弁護士・司法書士への相談を検討する。借入先の貸金業者に受任通知が届くと、貸金業者からの直接の督促は止まります。相談すること自体で督促が止まるわけではない点に注意してください。

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よくある質問

情報商材の代金は返金してもらえますか?

契約の種類や状況によって扱いが異なります。電話やWeb会議での勧誘を受けて契約した場合は電話勧誘販売として8日以内、紹介や仕事の提供とセットの契約なら20日以内のクーリング・オフができる可能性があります。ネット上で自分から申し込んだだけの通信販売には法律上のクーリング・オフ制度がなく、対象が商品(特定権利)の売買であれば返品特約の有無を、講座などのサービス(役務)であれば契約時の解約条件を確認する必要があります。まずは消費生活センターに契約内容を伝えて相談してください。

副業詐欺の返金は消費生活センターに相談できますか?

相談できます。国民生活センターは、副業や投資、ビジネス講座のトラブルは不安に思った時点で最寄りの消費生活センター等に相談するよう呼びかけています。消費者ホットライン「188」に電話すると窓口を案内してもらえます。

情報商材の代金をクレジットカードで払った場合、返金の代わりに支払いを止められますか?

契約に問題がある場合、割賦販売法に定められた「支払停止の抗弁」をカード会社に申し出られることがあります。ただし「支払停止の抗弁権」は契約を解除できる権利ではなく、販売会社との間で生じている問題が解決するまでクレジット会社への支払いを停止する権利です。分割払いで支払総額が4万円以上であること(リボ払いは3万8千円以上)などの条件があり、連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引の個人契約は事業目的であっても対象になり得るとされています。利用しているカード会社の窓口に契約書面を示して相談してください。

副業サポート契約はクーリング・オフできますか?

「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で商品や講座を買わされた契約は業務提供誘引販売取引に当たる場合があり、法定の書面を受け取った日から20日以内であればクーリング・オフができます。人を紹介する仕組みの契約は連鎖販売取引に当たる場合があり、こちらも20日以内です。どちらに当たるかは消費生活センターで確認できます。

副業詐欺で消費者金融から借金して支払ってしまった場合、返済はどうなりますか?

国民生活センターは、副業や投資の勧誘業者から「すぐに返済できる」と言われて借り入れた場合でも、返済義務は借り入れをした消費者自身が負うと明記しています。返済が難しい場合は、貸金業者や弁護士・司法書士への相談を検討してください。

「返金できます」と連絡してきた業者は信用できますか?

心当たりのない相手から返金を持ちかけられた場合は、二次被害の可能性があるため注意してください。その場で契約や追加費用の支払いをせず、消費生活センターに事実関係を確認することをおすすめします。

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出典

更新履歴

2026年9月25日:記事を公開しました。

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