「AIで稼げる」「生成AIで副業」といった広告や、SNSで届いたメッセージから副業講座に興味を持ったものの、詐欺ではないか不安に思っている方向けの記事です。結論として、AI講座やSNS運用講座などの「ビジネス講座」に関する相談は国民生活センターに増えており、契約前に講座内容・総支払額・解約条件を確認することが重要です。この記事では、実際に寄せられている相談事例、お金を払う前のチェックリスト、契約してしまった後の対処法までを、国民生活センターや消費者庁の公式情報にもとづいて解説します。
- 国民生活センターに、AI講座・SNS運用講座など「ビジネス講座」に関する相談が増加中(2020年度1,169件→2025年度3,551件)。
- SNS広告からWeb会議に誘導され、その場で高額講座を契約させられる相談が見られる。通信販売より契約金額が高額になる傾向がある。
- Web会議などでの勧誘は「電話勧誘販売」にあたる場合があり、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができる。
- 契約前に「講座内容」「総支払額」「解約条件」を細かく確認し、その場で契約を決めないことが重要。
- 消費者金融からの借入を勧められたら要注意。不安なときやトラブルになったときは消費者ホットライン188へ。
AI副業は詐欺?国民生活センターに寄せられている相談
結論から言うと、「AI副業=詐欺」と一律に決めつけることはできません。ただし、国民生活センターは2026年9月16日、「ビジネス講座のトラブルにご注意」と題する注意喚起を公表し、全国の消費生活センター等に寄せられるAI講座やSNS運用講座等のビジネス講座に関する相談が増加傾向で推移していると発表しました。背景には、政府のリスキリング支援施策の推進や副業・兼業への関心の高まりがあるとされています。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に登録された「ビジネス講座」に関する年度別相談件数と、契約形態別の平均契約購入金額は次のとおりです。
| 年度 | 相談件数 | 通信販売の平均契約購入金額 | 電話勧誘販売(Web会議での勧誘を含む)の平均契約購入金額 |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | 1,169件 | 44万円 | 60万円 |
| 2021年度 | 1,831件 | 47万円 | 69万円 |
| 2022年度 | 2,106件 | 59万円 | 84万円 |
| 2023年度 | 2,510件 | 57万円 | 88万円 |
| 2024年度 | 2,682件 | 64万円 | 99万円 |
| 2025年度 | 3,551件 | 64万円 | 87万円 |
| 2026年度(7月31日まで) | 1,121件 | 48万円 | 79万円 |
2026年度も7月31日までに1,121件が登録され、前年同期(2025年7月31日までの登録分821件)を上回っています。電話勧誘販売(Web会議での勧誘を含む)は、通信販売より平均契約購入金額が高額になる傾向もみられます。
AI副業詐欺の手口—SNS広告からWeb会議での高額講座契約まで
インスタなどSNS広告から副業講座に誘導される手口
以前はSNS広告をきっかけに通信販売で契約したケースが多く寄せられていましたが、近年はSNS広告で知った事業者からWeb会議サービス等を利用して勧誘を受け契約したケースが見られると国民生活センターは公表しています。具体的な相談事例は次のとおりです。

- SNSの広告をきっかけにメッセージアプリに誘導され説明会を受講し、オンラインのAI講座を契約したが、講座の内容が期待した水準ではなかった。
- Web会議サービスを用いて説明を受け、総額100万円を超えるクレジットを組んでオンラインAI講座の契約をしたが、支払いが困難なのでやめたい。
- SNSの広告をきっかけに副業スクールを契約したが、契約後に厳しい解約条件があることを知った。
- 副業の採用面接に応募したところ、65万円のビジネス講座の契約になっていた。事業者間契約だから解約はできない、と言われた。
国民生活センターはこれらの問題点として、広告・勧誘の印象と実際の講座内容が異なる、事前説明なしに勧誘を受け、通信販売より契約金額も高額化している、クレジット契約で高額な講座を契約させるケースがある、解約条件が説明されない・厳しいことがある、の4点を挙げています。
ビジネス講座は受講前に内容を判断しにくい
ビジネス講座は、実際に受講してみなければその内容や難易度、自分に適しているかどうかを判断することが難しい面があります。そのため、契約に当たっては、講座内容だけでなく、解約条件や返金の可否等についても十分に確認することが重要だと国民生活センターは呼びかけています。
AIライティングや生成AIの副業講座も対象になる?契約の種類で対応が変わる
「AIライティング」「生成AI」を使った副業講座の勧誘であっても、詐欺かどうかとは別に、契約の結び方によって特定商取引法上の扱い(クーリング・オフの可否など)が変わります。消費者庁の特定商取引法ガイドで確認できる主な契約類型は次のとおりです。
| 契約の種類 | どんな勧誘か | クーリング・オフ |
|---|---|---|
| 通信販売 | SNSやサイトの広告を見て、消費者側から申し込む | クーリング・オフなし。商品は返品特約(表示がなければ引渡しから8日以内)による。講座などのサービスは法定の返品制度もなく、解約・返金は契約の条件による |
| 電話勧誘販売 | 事業者が電話で勧誘し、その場または後日申し込む | 法律で決められた書面を受け取った日から8日以内 |
| 業務提供誘引販売取引 | 「仕事を提供する」と誘い、仕事に必要として商品・講座等を買わせる | 法律で決められた書面を受け取った日から20日以内 |
電話勧誘販売では、事業者名・勧誘者名・商品(講座)の種類・勧誘目的である旨を勧誘前に告げる義務があり、契約しない意思を示した相手への再勧誘も禁止されています(特定商取引法16条・17条)。事業者が事実と違うことを告げたり故意に告げなかったりして誤認したまま契約した場合は、申込みを取り消せることもあります(同法24条の3)。自分の契約がどの類型にあたるか分からないときは、契約書面を持って消費生活センター等に確認してください。
AI副業が怪しいと感じたら—お金を払う前のチェックリスト
国民生活センターは、ビジネス講座のトラブルを防ぐため、次のような点を契約前にチェックするようアドバイスしています。

| チェック項目 | 具体的に確認すること |
|---|---|
| 講座内容・難易度 | 広告や勧誘の内容だけで判断せず、契約前に講座の内容や難易度を細かくチェックする |
| その場で決めない | Web会議でビジネス講座の勧誘をされても、その場で契約を決めず、いったん冷静に検討する。突然高額な講座を勧められたり、説明が不十分な場合はきっぱりと断る |
| 総支払額 | 月々の支払額だけで検討するのではなく、総支払額を確認する。特に長期間にわたる高額の契約をクレジット払いする場合には慎重に支払い可能かを検討する |
| 解約条件 | 契約前に解約条件を細かくチェックする |
| 不安を感じたら相談 | 不安に思った場合やトラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談する(消費者ホットライン188) |
この5点は、国民生活センターのアドバイスを整理したものです。契約を急がせる・解約条件を説明しない・総額を曖昧にするといった対応が見られたら、いったん契約を保留する判断材料になります。
消費者金融やクレジットでの借入を勧められたら要注意
国民生活センターは2026年5月20日、「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!」も公表しています。副業や投資を勧誘する業者から「簡単に稼げる」「すぐに元が取れる」と説明され、消費者金融から借り入れるよう指示されるケースがあり、複数の貸金業者から次々に借り入れさせる例が目立ち、年収を大幅に超える借金をさせる例もみられるとされています。相談事例には、その日のうちに合計450万円を借り入れさせられた例や、AIで作成した競馬予想ソフトの代金を消費者金融で借りるよう案内された例が紹介されています。

「副業や投資の説明に必要」などと言われて遠隔操作アプリをインストールさせられたり、画面を共有させられたりすることもあるとされています。業者から「すぐに返済できる」と言われて借り入れても、返済義務は借りた消費者自身が負います。甘い言葉をうのみにせず借金をしてまで契約しないこと、虚偽の申告に応じないこと、遠隔操作アプリのインストールや画面共有に安易に応じないことが、アドバイスとして挙げられています。
申し込んだ・お金を払ってしまったら
すでに契約してしまった場合、契約書面と支払い方法を確認してください。電話勧誘販売(Web会議を含む)にあたる契約で、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内なら、書面又は電磁的記録によりクーリング・オフ(申込みの撤回・契約の解除)ができます。業務提供誘引販売取引にあたる契約なら期間は20日以内です。通信販売で申し込んだ講座にはクーリング・オフも法定の返品制度もなく、解約条件は契約内容によります。
期間を過ぎた場合や全額を払ってしまった場合の返金交渉・クレジット会社への対応は、副業・情報商材の返金はできる?で解説しています。迷ったときは契約書面を用意し、消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談してください。
借金をして払ってしまったら
副業講座の代金を消費者金融などから借りて支払い、返済が苦しくなっている場合は、まず借入先の業者に返済状況を伝えてください。それでも返済のめどが立たないときは、債務整理を扱う弁護士・司法書士への相談が選択肢になります。弁護士・司法書士に依頼し受任通知が届くと、貸金業者からの督促は止まります(貸金業法21条1項9号)。相談しただけでは止まらず、依頼と受任通知の到達が必要な点に注意してください。

返済に困っても、「審査なし」「ブラックOK」をうたう業者や個人間融資、給与ファクタリングの利用は避けてください。貸金業の登録を受けない無登録営業は貸金業法11条で禁止され、貸金業者には返済能力を調査する義務があります(同法13条)。「任意整理中でも借りられる」業者に頼ることもすすめられません。どこからも借りられない場合は、どこからも借りれない時の最終手段と公的支援もご確認ください。
借金の減額は、弁護士に無料で相談できます
支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。
ライズ綜合法律事務所では、質問に答えるだけで借金の減額相談を無料で申し込めます(匿名でも可)。まずは減らせる可能性があるかだけでも確かめてみてください。
※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
よくある質問
AI副業は詐欺ですか?
AI副業=詐欺と一律には言えません。ただし国民生活センターには、AI講座やSNS運用講座など「ビジネス講座」に関する相談が増加傾向で寄せられており、2020年度1,169件から2025年度3,551件に増えています。広告や勧誘の説明と実際の講座内容が異なっていたという相談や、Web会議での勧誘で高額なクレジット契約を組まされたという相談があるため、契約前に内容・総支払額・解約条件を確認することが重要です。
AI副業詐欺の手口にはどんなものがありますか?
国民生活センターの相談事例では、SNSの広告からメッセージアプリやWeb会議に誘導され、講座の内容や難易度を十分に確認しないまま高額な契約をしてしまうケースが紹介されています。総額100万円を超えるクレジットを組まされた例や、副業の採用面接のつもりが65万円のビジネス講座契約になっていた例もあります。
AIライティングの副業で高額な講座を勧められました。詐欺ですか?
講座の内容自体が詐欺にあたるかは個別の事情によりますが、勧誘の方法(通信販売か、電話・Web会議による勧誘か、仕事の提供を条件にした勧誘か)によって、クーリング・オフができる期間などの扱いが変わります。契約書面を確認し、不安な場合は最寄りの消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談してください。
生成AIを使った副業の勧誘は詐欺が多いですか?
「生成AI」を使った副業や講座そのものが詐欺と決まっているわけではありません。ただし国民生活センターは、Web会議等での勧誘を含む電話勧誘販売に関する相談が増加傾向にあり、通信販売と比べて契約金額が高額になる傾向があると公表しています。
インスタの広告から副業講座に申し込みました。詐欺の可能性はありますか?
インスタなどSNSの広告をきっかけにメッセージアプリやWeb会議に誘導され、その場で高額な講座を契約させられたという相談が国民生活センターに寄せられています。契約前に講座内容・総支払額・解約条件を確認していなかった場合は、契約書面を確認し、クーリング・オフができる期間内かどうかを確かめてください。
AI副業が怪しいと感じたらどうすればいいですか?
その場で契約を決めず、いったん冷静に検討してください。広告や勧誘の内容だけで判断せず講座の内容や難易度を確認する、総支払額を確認する、解約条件を確認する、という点をチェックし、不安に思った場合やトラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談しましょう。
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出典
- 国民生活センター「ビジネス講座のトラブルにご注意-広告・勧誘と実際の講座内容が異なる、Web会議での思わぬ勧誘に気をつけましょう-」(2026年9月16日公表)
- 国民生活センター「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!-複数の貸金業者から次々と借り入れさせる手口が目立ちます-」(2026年5月20日公表)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「電話勧誘販売」
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「業務提供誘引販売取引」
更新履歴
2026年9月26日:記事を公開しました。
