障害年金は、病気やけがによって生活や仕事が制限されるようになったときに、現役世代も含めて受け取れる年金です。日本年金機構の公式サイトによると、病気やけがで初めて医師の診療を受けた日(初診日)に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金を請求できます。令和8年4月分からの障害基礎年金は、2級で年額847,300円、1級で年額1,059,125円(昭和31年4月2日以後生まれ、いずれも子の加算額は別)です。
この記事は、病気やけがで働くことが難しくなった人、家族に障害がある人に向けて、日本年金機構の公式サイト「障害年金」「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」(2023年3月〜2026年4月更新)で確認できた内容を、受給の条件・請求の時期・金額・障害の程度の順にまとめたものです(2026年10月9日確認)。障害の状態が条件に当たるかは、診断書などをもとに日本年金機構が判断します。具体的な請求は、年金事務所に相談してください。
- 障害年金には、障害基礎年金(1級・2級)と障害厚生年金(1級〜3級)があり、初診日に加入していた制度で決まります。障害の程度が軽いときの障害手当金(一時金)もあります。
- 条件は、初診日がその制度の加入期間中にあること、障害認定日に障害等級に当たる状態であること、初診日の前日に保険料納付要件を満たしていることです。
- 保険料納付要件は、初診日のある月の前々月までの加入期間の3分の2以上で保険料が納付または免除されていること。初診日が令和18年3月末日までで65歳未満なら、直近1年に未納がなければよい特例があります。
- 金額(令和8年4月分から)は、障害基礎年金が2級847,300円・1級1,059,125円 + 子の加算額です。
- さかのぼって受けられる年金は、時効により5年分が限度です。事後重症による請求は、65歳の誕生日の前々日までに提出が必要です。
障害年金とは?障害基礎年金と障害厚生年金の違い
| 種類 | 初診日に加入していた制度 | 対象の障害等級 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 国民年金(20歳前や、年金制度に加入していない60歳以上65歳未満の期間を含む) | 1級・2級 |
| 障害厚生年金 | 厚生年金保険(障害基礎年金に上乗せ) | 1級・2級・3級(軽い場合は障害手当金) |
障害基礎年金または障害厚生年金(1級・2級に限る)を受ける人は、国民年金保険料が免除されます(法定免除制度)。国民年金第1号被保険者は、年金証書が届いたら、市区役所または町村役場に相談します。初診日から5年以内に病気やけがが治り、障害厚生年金に当たるより軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)が支給される制度があります。
障害年金をもらう条件|初診日・障害認定日・保険料納付要件
障害基礎年金の3つの要件
公式サイトによると、次の1〜3のすべてを満たしているときに、障害基礎年金が支給されます。
- 障害の原因となった病気やけがの初診日が、国民年金の加入期間中、または20歳前や、日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間にあること。
- 障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表の1級または2級に当たること。
- 初診日の前日に、保険料納付要件を満たしていること。
保険料納付要件
| 要件 | 内容(公式サイトの記載) |
|---|---|
| (1)3分の2以上 | 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること |
| (2)直近1年に未納なし | 初診日において65歳未満で、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(初診日が令和18年3月末日までのときの特例) |
| 20歳前の初診日 | 年金制度に加入していない20歳前の期間に初診日がある場合は、納付要件は不要 |
障害厚生年金の要件
障害厚生年金は、次の1〜3のすべてを満たしているときに支給されます。(1)厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。(2)障害認定日に、障害の状態が障害等級表の1級から3級のいずれかに当たること(障害認定日には軽くても、その後重くなったときは受け取れる場合がある)。(3)初診日の前日に、保険料納付要件を満たしていること。
請求の時期|障害認定日による請求と事後重症
| 請求方法 | 内容(公式サイトの記載) |
|---|---|
| 障害認定日による請求 | 障害認定日に法令に定める障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から受給できる。請求書は障害認定日以降いつでも提出できるが、さかのぼって受けられる年金は、時効により5年分が限度 |
| 事後重症による請求 | 障害認定日には障害の状態に当たらなくても、その後症状が悪化して障害の状態になったときは、請求日の翌月から受給できる。請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出が必要。請求が遅くなると受給開始が遅くなる |
障害年金の金額|令和8年4月分から
障害基礎年金
| 等級 | 昭和31年4月2日以後生まれ | 昭和31年4月1日以前生まれ |
|---|---|---|
| 1級 | 1,059,125円 + 子の加算額 | 1,056,125円 + 子の加算額 |
| 2級 | 847,300円 + 子の加算額 | 844,900円 + 子の加算額 |
子の加算額は、2人目までは1人につき243,800円、3人目以降は1人につき81,300円です。子とは、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子で、その人に生計を維持されているときに加算されます。
障害厚生年金
| 等級 | 年金額(令和8年4月分から) |
|---|---|
| 1級 | (報酬比例の年金額)× 1.25 + 配偶者の加給年金額(243,800円)※ |
| 2級 | (報酬比例の年金額)+ 配偶者の加給年金額(243,800円)※ |
| 3級 | (報酬比例の年金額)。最低保障額は、昭和31年4月2日以後生まれが635,500円、昭和31年4月1日以前生まれが633,700円 |
※その人に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。報酬比例部分の計算で、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎になりません。配偶者が老齢厚生年金などを受ける権利があるときや、配偶者が障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止になります。
障害の程度|1級・2級・3級の目安
| 等級 | 状態(公式サイトの記載) |
|---|---|
| 1級 | 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態。身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない人、入院や在宅介護が必要で、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような人 |
| 2級 | 必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活が極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害。家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない人など |
| 3級(障害厚生年金のみ) | 労働が著しい制限を受ける、または労働に著しい制限を加えることが必要な状態。日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある人 |
具体的な基準は、公式サイトの「障害等級表」と「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」で確認できます。
障害年金の請求前に確認したいこと
障害年金は、初診日がいつで、そのときどの年金制度に入っていたかで、受けられる年金の種類と、納付要件が決まります。初診日の確認や、障害認定日の診断書などは、請求手続きの出発点になります。請求手続きの流れは、公式サイトの「年金請求書提出までの流れ」や、年金Q&Aで確認できます。保険料の納付状況に不安がある人は、国民年金の免除・納付猶予の申請を、先に済ませておくことが大切です(国民年金の未納で差し押さえはいつから?)。
医療費の負担を軽くする制度は高額療養費の上限は2026年8月からいくらに?で整理しています。
障害年金を請求するときのチェックリスト
- 障害の原因となった病気やけがについて、初診日がいつか、そのとき国民年金・厚生年金のどちらに加入していたかを確認する。
- 障害認定日に、障害等級表の1級・2級(厚生年金は3級)に当たる状態かを確認する。
- 初診日の前日に、保険料納付要件(3分の2以上、または令和18年3月末までなら直近1年に未納なし)を満たしているかを確認する。
- 障害認定日に当たらなくても、症状が悪化したら事後重症による請求ができることを知っておく(65歳の誕生日の前々日まで)。
- 請求が遅れても、さかのぼって受けられるのは5年分が限度であることを押さえる。
- 必要書類や手続きは、年金事務所、ねんきんダイヤル(0570-05-1165)に確認する。
よくある質問
障害年金とは何ですか?
病気やけがによって生活や仕事が制限されるようになった場合に、現役世代も含めて受け取れる年金です。初診日に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金を請求できます。
障害基礎年金はいくらもらえますか?
令和8年4月分から、昭和31年4月2日以後生まれの人は、2級が847,300円、1級が1,059,125円に、それぞれ子の加算額を加えた額です。子の加算額は2人目まで1人につき243,800円、3人目以降は81,300円です。
障害年金をもらう条件は何ですか?
初診日がその制度の加入期間中にあること、障害認定日に障害等級に当たる状態であること、初診日の前日に保険料納付要件を満たしていることです。納付要件は、加入期間の3分の2以上の納付または免除、または直近1年に未納がないことです。
障害年金はいつまでさかのぼって請求できますか?
障害認定日による請求では、請求書は障害認定日以降いつでも提出できますが、さかのぼって受けられる年金は、時効により5年分が限度です。
障害認定日に障害の状態でなくても請求できますか?
その後症状が悪化して障害の状態になったときは、事後重症による請求ができます。請求した日の翌月から受給でき、請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。
出典
- 日本年金機構「障害年金」(更新日2023年3月1日、2026年10月9日確認)
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」(更新日2026年4月1日、2026年10月9日確認)
- 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」(更新日2026年4月1日、2026年10月9日確認)
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
