協会けんぽの公式サイトによると、被保険者・被扶養者が業務外の事由により亡くなった場合には、埋葬料(費)が支給されます。被保険者が亡くなり、被保険者に生計を維持されていた人が申請するときは埋葬料として5万円、被扶養者が亡くなり、被保険者が申請するときは家族埋葬料として5万円です。生計を維持されていた人がいない場合は、実際に埋葬を行った人が、5万円の範囲内で実際にかかった費用(埋葬費)の支給を受けられます。
この記事は、協会けんぽに加入している家族が亡くなったとき、または自分が加入していた健康保険の給付を確認したい人に向けて、公式サイト「埋葬料・埋葬費」「健康保険埋葬料(費)支給申請書」で確認できた内容を、支給額・申請できる人・退職後に亡くなった場合・申請方法の順にまとめたものです(2026年10月9日確認)。健康保険組合や共済組合に加入している場合は、加入先の案内で確認してください。国民健康保険など、他の制度の葬祭費は、この記事では扱いません。
- 対象は、被保険者・被扶養者が業務外の事由で亡くなった場合です。
- 被保険者が亡くなったとき、生計を維持されていた人が申請すると埋葬料50,000円が支給されます。
- 生計を維持されていた人がいないときだけ、埋葬を行った人が申請でき、50,000円の範囲内で実際にかかった費用が支給されます。
- 被扶養者が亡くなったときは、被保険者が申請し、家族埋葬料50,000円が支給されます。
- 退職後でも、資格喪失後3か月以内に亡くなったときなど、一定の場合は支給されます。ただし、退職後に被扶養者だった家族が亡くなったときの家族埋葬料は出ません。
- 申請は電子申請がおすすめとされています。審査の結果、支払い可能であれば、受付日から10営業日以内に支払われます。
埋葬料・埋葬費とは?3つの区分と支給額
公式ページでは、「亡くなった方」「申請する方」によって、「埋葬料」「埋葬費」「家族埋葬料」に分かれると説明されています。
| 亡くなった人 | 申請する人 | 支給額(公式サイト) |
|---|---|---|
| 被保険者 | 被保険者により生計を維持されていた人 | 埋葬料 50,000円 |
| 被保険者 | 被保険者と生計維持関係にない「埋葬を行った人」(埋葬料を申請できる人がいない場合のみ) | 埋葬費。50,000円の範囲内で、実際に埋葬に要した費用 |
| 被扶養者 | 被保険者 | 家族埋葬料 50,000円 |
「生計を維持されていた人」の意味
公式ページによると、生計を維持されていた人とは、被保険者によって生活費の一部でも維持されている人であればよく、民法上の親族や遺族であることは問われません。また、被保険者が世帯主であるか、同一世帯であるかも問われません。
「実際に埋葬に要した費用」に入るもの
埋葬費として支給される実際の費用は、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼等の実費額です。
どの区分になるか迷ったときの見分け方
公式ページの区分は、「誰が亡くなったか」と「誰が申請するか」の組み合わせで決まります。順番に考えると、次のようになります。
- 亡くなったのが被扶養者なら、申請するのは被保険者で、支給されるのは家族埋葬料(50,000円)です。
- 亡くなったのが被保険者で、その人に生活費の一部でも維持されていた人がいれば、その人が申請し、埋葬料(50,000円)が支給されます。
- 亡くなったのが被保険者で、生計を維持されていた人がいない場合に限り、実際に埋葬を行った人が申請し、50,000円の範囲内で実費が支給されます(埋葬費)。
埋葬費は「埋葬料を申請できる人がいない場合のみ」とされています。そのため、まず生計を維持されていた人がいないかを確認することが先になります。
なお、この記事の金額は、公式サイトに載っている協会けんぽの給付です。亡くなった人の加入先が協会けんぽ以外のときは、金額や条件が異なる場合があります。
退職後に亡くなった場合の埋葬料
被保険者が資格を喪失したあとに亡くなり、次のいずれかに当たる場合は、埋葬料または埋葬費が支給されます。
| 区分 | 内容(公式サイト) |
|---|---|
| (1) | 被保険者だった人が、資格喪失後3か月以内に亡くなったとき。資格喪失前の被保険者期間の長さは問われない |
| (2) | 被保険者だった人が、資格喪失後の傷病手当金または出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったとき |
| (3) | 被保険者だった人が、(2)の継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなったとき |
注意点が2つあります。まず、被保険者の資格喪失後に被扶養者だった家族が亡くなった場合は、家族埋葬料は支給されません。次に、上の(1)〜(3)に当たる場合でも、資格喪失後に加入した健康保険で埋葬料を請求している場合は支給されません。
申請の方法と提出先
申請書は「健康保険埋葬料(費)支給申請書」です。申請書のページには、次のように書かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支払い時期 | 審査の結果お支払い可能であれば、受付日から10営業日以内 |
| おすすめの方法 | 電子申請。記載もれなどのミスをシステムチェックで防げる、郵送の手間・時間・費用が削減できる、申請後の処理状況を確認できる |
| 紙の申請書の提出先 | 加入している協会けんぽ支部へ郵送。加入の支部は「資格情報のお知らせ」または「マイナポータル(健康保険証>資格情報)」で確認できる |
| 電子申請の場合 | 提出先を選ぶ必要はない(社会保険労務士の場合は支部指定が必要) |
被保険者の記号・番号を記入した場合は、個人番号(マイナンバー)の記入は不要です。
手書き用の申請書には記入例が、入力用の申請書にはPDFの利用案内が公式ページに用意されています。入力用は、PDFをダウンロードしてAdobe Readerで開く必要があります。どちらの場合も、記載もれがないかを提出前に見直しておくと、確認の手間が減ります。
添付書類
公式ページの案内を、申請者別にまとめます。
| ケース | 添付書類 |
|---|---|
| 被保険者が亡くなり、被扶養者が申請する/被扶養者が亡くなり、被保険者が申請する | 事業主による死亡の証明(証明を受けられない場合は下の別の書類) |
| 被保険者が亡くなり、被扶養者以外の被保険者に生計を維持されていた人が申請する | 住民票(亡くなった被保険者と申請者が記載されているもの)。住居が別の場合は、定期的な仕送りの事実がわかる預貯金通帳や現金書留のコピー、または亡くなった被保険者が申請者の公共料金等を支払ったことがわかる領収書など |
| 生計を維持されていた人がおらず、実際に埋葬を行った人が申請する | 領収書(支払った人のフルネームと埋葬に要した費用額が記載されているもの)、埋葬に要した費用の明細書(費用の内訳がわかるもの) |
| 事業主の証明を受けられない/任意継続被保険者(被扶養者)が亡くなった | 次のいずれか一つ。埋葬許可証または火葬許可証のコピー、死亡診断書・死体検案書・検視調書のコピー、戸籍(除籍)謄(抄)本、住民票など |
| 仕事中(業務上)または通勤途中による死亡で、労働(通勤)災害の給付を請求中 | 労働基準監督署への照会に関する同意書 |
| 死亡原因の負傷が第三者の行為による | 第三者行為による傷病届 |
申請期限(時効)
申請書のページ「申請期限」によると、給付を受ける権利は、受けられるようになった日の翌日から2年で時効になります。起算日は、埋葬料・家族埋葬料は死亡した日の翌日、埋葬費は埋葬を行った日の翌日です。
事業主・勤務先に連絡するとき
公式ページによると、被保険者・被扶養者が亡くなったときは、事業主へ保険証・資格確認書(持っている場合のみ)を返却します。事業主は、返却された保険証等を添えて、日本年金機構の事務センターへ届出を出します。届出は、被保険者が亡くなったときは被保険者資格喪失届(死亡日の翌日が資格喪失日)、被扶養者が亡くなったときは被扶養者異動届(死亡日の翌日が扶養解除日)です。
埋葬料(費)は、日本年金機構での資格喪失・扶養解除の処理が完了してからの支給になります。勤務先に亡くなった事実を早めに伝えると、支給までの流れが進めやすくなります。
申請前のチェックリスト
- 亡くなった人が、協会けんぽの被保険者または被扶養者かを確認する(業務外の事由かも確認する)。
- 申請する人が「生計を維持されていた人」「埋葬を行った人」「被保険者(家族埋葬料)」のどれに当たるかを確認する。
- 勤務先に連絡し、保険証・資格確認書(持っている場合)を返却する。
- 事業主の証明が受けられるか確認する(受けられないときは、埋葬許可証のコピーなどを用意する)。
- 埋葬費の場合は、領収書と費用の明細書を用意する。
- 電子申請か、加入先の支部への郵送かを決めて申請する。
よくある質問
埋葬料はいくらもらえますか?
被保険者が亡くなり、被保険者に生計を維持されていた人が申請する場合は、埋葬料として50,000円が支給されます。被扶養者が亡くなり、被保険者が申請する場合は、家族埋葬料として50,000円です。
葬儀費用の領収書は必要ですか?
生計を維持されていた人が申請する埋葬料は、領収書は添付書類の案内にありません。生計を維持されていた人がおらず、埋葬を行った人が申請する埋葬費の場合は、領収書(支払った人のフルネームと費用額が記載されているもの)と、費用の内訳がわかる明細書が必要です。
退職してから亡くなった場合はもらえませんか?
資格喪失後3か月以内に亡くなったときなど、一定の場合は埋葬料または埋葬費が支給されます。ただし、資格喪失後に被扶養者だった家族が亡くなった場合の家族埋葬料は支給されません。
同居していない家族でも申請できますか?
生計を維持されていた人であれば、民法上の親族や遺族であることや、同一世帯であることは問われません。住居が別の場合は、定期的な仕送りの事実がわかる預貯金通帳や現金書留のコピーなどを添付します。
申請してからいつ支払われますか?
審査の結果、お支払い可能であれば、受付日から10営業日以内に支払われます。
出典
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「埋葬料・埋葬費」(2026年10月9日確認)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険埋葬料(費)支給申請書」(2026年10月9日確認)
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
