第一種奨学金(日本学生支援機構=JASSOの無利子奨学金)の審査結果を待っている人、これから予約採用や在学採用に申し込もうとしている人に向けた記事です。結論から言うと、JASSOは第一種奨学金の「落ちる確率」を数字で公表していません。合否は、学力基準と家計基準の両方を満たしているかどうかで決まります。この記事では、JASSO公式ページで確認できた学力基準・家計基準の内容、落ちる主な理由、落ちたときに第二種奨学金へ切り替える方法、学費や生活費が足りないときの相談先までをまとめます。
- JASSO公式を確認した範囲では、第一種奨学金の「落ちる確率」(採用率)の公表は見当たらない。合否は学力基準と家計基準の両方を満たすかどうかで決まる。
- 学力基準は予約採用・在学採用、進学先の種類ごとに数値が違う(高校の評定平均3.5以上など)。
- 家計基準は「生計維持者の貸与額算定基準額が189,400円以下」が目安で、世帯構成によって年収の上限は変わる。
- 第一種の基準に届かなくても、第二種奨学金の基準(381,500円以下)を満たせば第二種の候補者になれる場合がある。
- 学費や生活費が急に足りないときは、国の教育ローンや学校の窓口、返還が苦しい人向けの制度も確認できる。
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第一種奨学金に落ちる確率は?公式に採用率は公表されている?
日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金の学力基準・家計基準のページを確認した範囲では、申込者数に対する採用者数の割合(採用率)を数値で示した記載は見当たりませんでした。数字を独自に計算して「〇%」と示すことは根拠のない推測になるため、この記事では行いません。

JASSOの学力基準・家計基準のページによれば、生計維持者の貸与額算定基準額などが基準に該当しない人は採用されません。後述する学力基準と家計基準の両方を満たすことが、第一種奨学金の採用条件です。次の章で公式の基準と照らし合わせてみてください。
第一種奨学金の基準(1) 学力基準は評定平均いくつ?
学力基準は、予約採用(進学前に申し込む)か在学採用(進学後に学校を通じて申し込む)か、進学先の種類によって数値が異なります。公式の基準は次のとおりです。

| 採用区分・進学先 | 学力基準(いずれかに該当) |
|---|---|
| 予約採用(大学・短大・専修学校専門課程へ進学予定) | 全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上、または高等学校卒業程度認定試験合格者 |
| 在学採用・大学等(2026年度入学者) | 高等学校または専修学校高等課程の成績平均が3.5(専修学校専門課程は3.2)以上、または高卒認定試験合格者 |
| 在学採用・高等専門学校(2026年度入学者) | 中学校最終学年の成績平均が3.5以上 |
| 在学採用・通信教育課程(2026年度入学者) | 高等学校または専修学校高等課程の成績平均が3.2以上、または高卒認定試験合格者 |
| 在学採用・大学等(2017〜2025年度入学者) | 本人の属する学部(科)の上位3分の1以内 |
予約採用は、基準の数値を満たさなくても、生計維持者の貸与額算定基準額が0円・生活保護受給・社会的養護を必要とする人のいずれかに該当し、学ぶ意欲があると学校から推薦されれば、学力基準を満たす者として取り扱うことができます。
在学採用(2026年度入学者)は、同じ該当者でも学校推薦ではなく、「入学者選抜試験の成績が上位2分の1」または「学修計画書等で学修意欲を確認」のいずれかに該当する必要があります。条件は進学先・入学年度で細かく分かれるため、学校の奨学金窓口で確認してください。
第一種奨学金の基準(2) 家計基準(世帯年収)の目安
家計基準は、生計維持者(原則父母2名)の「貸与額算定基準額」という指標で判定されます。計算式は次のとおりです。
貸与額算定基準額(a)=(課税標準額)×6%-(市町村民税調整控除額)-(多子控除)-(ひとり親控除)-(私立自宅外控除)(100円未満切り捨て)。市町村民税所得割が非課税の人は、この計算式にかかわらず貸与額算定基準額は0円になります。
第一種奨学金の家計基準は、予約採用・在学採用のどちらも生計維持者の貸与額算定基準額が189,400円以下であることです。参考までに、第一種・第二種併用貸与は164,600円以下、第二種奨学金単独は381,500円以下で、基準が最も厳しいのは併用貸与、次いで第一種、第二種の順に基準が緩やかになります。
JASSO公式が示す「収入・所得の上限額の目安」(給与所得者世帯の年間収入金額)は次のとおりです。
| 世帯人数 | 世帯構成の例 | 予約採用・第一種の目安 | 在学採用(大学等)・第一種の目安 |
|---|---|---|---|
| 2人 | 本人、親(ひとり親) | 761万円 | 777万円 |
| 3人 | 本人、親A、親B(無収入) | 716万円 | 732万円 |
| 4人 | 本人、親A、親B(給与収入300万円)、中学生(予約)/高校生(在学) | 803万円 | 880万円 |
| 5人 | 本人、親A、親B(給与収入300万円)、中学生・小学生(予約)/高校生・中学生(在学) | 905万円 | 972万円 |
これはあくまで目安で、世帯構成や障がいの有無、各種保険料の支払い状況などによって、目安の金額を上回っていても対象になる場合や、下回っていても対象にならない場合があります。予約採用は2025年(1月〜12月)の収入に基づく2026年度住民税情報で審査されます。在学採用の審査は春が2024年収入に基づく2025年度住民税情報、秋が2025年収入に基づく2026年度住民税情報です。正確な金額は、JASSOの「進学資金シミュレーター」で確認してください。
第一種奨学金に落ちる理由は、学力基準・家計基準のどちらかを満たさないこと
公式に確認できた範囲では、第一種奨学金が不採用になる主な理由は、前章までの学力基準か家計基準のどちらか(または両方)を満たしていないことです。具体的には、次のようなケースが考えられます。

- 評定平均が3.5に届かず、かつ例外規定(生活保護受給・社会的養護など)にも該当しない
- 世帯の収入が家計基準の目安を上回っている(共働きで世帯収入が高い場合など)
- 第一種・第二種の併用貸与を希望していたが、併用貸与の基準(生計維持者の貸与額算定基準額164,600円以下)には届かなかった
ただし併用貸与の基準に届かなくても、第一種または第二種いずれか単独の基準は満たし「候補者決定」になるケースがあります。JASSO公式FAQでも、利用条件欄に「第一種・第二種いずれか一方の利用可」とある場合はどちらか一方を利用でき、両方の利用はできないと回答されています。
第一種奨学金に「落ちた」とわかったら確認すること
予約採用の選考結果はスカラネットで確認でき、書面(採用候補者決定通知)でも通知されます。在学採用の場合は、在籍する学校を通じて選考結果が伝えられます。「落ちた」とわかったら、まず次の点を確認してください。

- 通知(または学校からの案内)に記載された「利用条件欄」の内容(第一種・第二種どちらが候補者決定になっているか)
- 不採用の対象が「併用貸与」だけなのか、第一種・第二種とも不採用なのか
- 申込み時に選んだ区分(「第一種のみ」を希望していた場合、第二種は審査されていないため申込み内容を確認する)
内容がわからない場合は、学校の奨学金窓口に確認するのが確実です。
第一種奨学金に落ちたとき、第二種奨学金へ切り替える方法
第二種奨学金にも独自の学力基準(全履修科目の学習成績が平均水準以上であることなど)があり、家計基準は381,500円以下です。前章のとおりJASSO公式では、申込み時に「第一種のみ」「第二種のみ」「併用貸与・第一種・第二種すべて」の3区分から選ぶ仕組みで、「第一種のみ」を選んでいた場合は第二種の審査自体が行われません。「切り替え」というより申込み時の選択で結果が変わる仕組みで、予約採用が不採用でも進学後は進学先(在学採用)であらためて申し込めます。
第一種・第二種以外では、返還不要の給付奨学金(対象になれば返還不要。詳しくは給付型奨学金はもらえる確率が低い?を参照)、学校独自の奨学金・授業料減免制度(学校ごとに窓口が異なるため在籍校・進学予定校に確認)があります。第二種の基準や「落ちる確率」は第二種奨学金に落ちる確率は?で解説しています。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 第二種奨学金(有利子) | 独自の学力基準と家計基準381,500円以下がある。「第一種のみ」選択時は審査されない |
| 給付奨学金(返還不要) | 家計基準は第一種よりさらに区分が細かい。対象になれば返還不要 |
| 学校独自の奨学金・授業料減免 | 制度の有無・内容は学校ごとに異なるため、在籍校・進学予定校の奨学金窓口に確認 |
| 在学採用での再申込み | 予約採用で不採用でも、進学後の在学採用(春・秋)で改めて申し込める |
学費・生活費が足りないとき
奨学金の結果を待つ間や、採用されても額が足りない場合に使える公的な制度・相談先を、公式に確認できた範囲でまとめます。

国の教育ローン(日本政策金融公庫)は保護者向けの融資制度で、公式サイトの条件は上限350万円(一定要件で450万円)、固定金利年4.05%(令和8年7月時点)、JASSO奨学金と併用可能です。借入なので返済(利息)が発生する点は変わらないため、返済計画に無理がないか家庭で確認してください。
在学中の学費については、学校独自の授業料減免制度がある場合もあります。内容は学校ごとに異なるため、進学先・在籍校の窓口に直接確認してください。
すでに奨学金を借りていて返還が苦しい場合は、JASSO公式の「返還期限猶予」(災害・傷病・経済困難などで一定期間返還を待ってもらう制度。一般猶予は通算10年〈120か月〉が限度で、災害・傷病・生活保護受給中などはこの10年の制限を受けませんが、災害は同一原因なら発生から原則5年が限度)、「減額返還制度」(返還月額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2に減らし返還期間を延ばす制度。通算15年〈180か月〉が限度。口座振替加入者のみで、願い出及び審査の時点で延滞していないことが条件)を確認してください。延滞に関するSMSが届いた場合の見分け方は0222117258は奨学金延滞のSMSで解説しています。
教育費以外の借金が重なり返済が難しい場合は、弁護士・司法書士への相談(債務整理)も選択肢です。
借金の減額は、弁護士に無料で相談できます
支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。
ライズ綜合法律事務所では、質問に答えるだけで借金の減額相談を無料で申し込めます(匿名でも可)。まずは減らせる可能性があるかだけでも確かめてみてください。
※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
よくある質問
第一種奨学金に落ちる確率はどのくらいですか?
日本学生支援機構(JASSO)の公式ページを確認した範囲では、第一種奨学金の採用率(落ちる確率)を数値で示した記載は見当たりませんでした。学力基準と家計基準の両方を満たすことが、採用の条件です。
第一種奨学金の学力基準(評定平均)はいくつですか?
予約採用は評定平均値が5段階評価で3.5以上(または高卒認定試験合格)が基準です。在学採用は進学先・入学年度で基準が異なり、2026年度入学者の大学等は成績平均が3.5(専修学校専門課程は3.2)以上などです。
第一種奨学金の家計基準(年収の目安)はいくらですか?
生計維持者の貸与額算定基準額が189,400円以下であることが基準です。JASSO公式の目安では、世帯人数2人(本人と親)の給与所得者世帯で年収761万円〜777万円程度が上限ですが、世帯構成などにより変動します。
第一種奨学金に落ちたら第二種奨学金に切り替えられますか?
第二種奨学金には独自の学力基準と家計基準(381,500円以下)があります。申込み時に「第一種のみ」を希望していた場合は第二種の審査自体が行われません。予約採用が不採用でも、進学後は進学先(在学採用)であらためて申し込めます。
第一種奨学金に落ちたらほかに何を利用できますか?
返還不要の給付奨学金、学校独自の奨学金・授業料減免制度、保護者向けの国の教育ローン(日本政策金融公庫)などが選択肢になります。詳しい条件はそれぞれの制度の公式ページや、在籍校・進学予定校の奨学金窓口で確認してください。
給付型奨学金と第一種奨学金はどう違いますか?
第一種奨学金は無利子で返還が必要な貸与型です。給付型奨学金は返還不要ですが、家計基準は第一種よりさらに区分が細かく設定されています。詳しくは給付型奨学金の記事を参照してください。
関連記事
出典
- 進学前(予約採用)の第一種奨学金の学力基準|JASSO(2026年9月27日確認)
- 進学後(在学採用)の第一種奨学金の学力基準|JASSO(2026年9月27日確認)
- 進学前(予約採用)の第一種奨学金の家計基準|JASSO(2026年9月27日確認)
- 大学等で受ける第一種奨学金の家計基準(在学採用)|JASSO(2026年9月27日確認)
- 進学前(予約採用)の第二種奨学金の学力基準|JASSO(2026年9月27日確認)
- 【高校生等対象】貸与奨学金の選考について|JASSO(2026年9月27日確認)
- 採用候補者決定通知の貸与奨学金の欄において、ア:併用貸与は「不採用」、イ:第一種奨学金、ウ:第二種奨学金いずれも「候補者決定」となっていたが、第一種奨学金と第二種奨学金の両方利用できるということか。|JASSO(2024年10月更新)
- 返還を待ってもらう(返還期限猶予)|JASSO(2026年9月27日確認)
- 減額返還制度の概要|JASSO(2026年9月27日確認)
- 教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫(金利は令和8年7月時点、2026年9月27日確認)
更新履歴
2026年9月28日:記事を公開しました。
