熊本地震の被災者は貸金業の借入手続きが緩和|総量規制の例外4点と令和9年1月31日までの期限

熊本地震の被災者は貸金業の借入手続きが緩和|総量規制の例外4点と令和9年1月31日までの期限

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令和8年熊本地震で被災し、貸金業者からの借入れの手続きが変わったのか知りたい人に向けた記事です。金融庁は令和8年8月6日、貸金業法施行規則を改正する内閣府令を公布・施行し、被災者の借入手続きを弾力化する特例を設けました。特例の期限は令和9年(2027年)1月31日までです。

この記事は借入れを勧めるものではありません。金融庁の公表資料で確認できた内容と、借りる前に知っておきたい公的な制度、注意点をまとめます(2026年10月9日現在)。

先に結論
  • 変わったのは手続きです。返済能力を超えない借入れを行う被災者が、書面を用意できず借りられなくなる事態を避けるための特例で、総量規制がなくなったわけではありません。
  • 特例は4点。緊急費用の借入れで領収書が不要・返済期間が6か月以内に、個人事業主は簡素な情報で判断、キャッシングの年収証明は6か月以内に提出、配偶者の年収合算の住民票等は後から提出。
  • 期限は令和9年1月31日までの時限措置です。
  • 借りる前に、公的な貸付・支援金・ローンの減免を先に確認してください。相談は金融庁の熊本地震相談ダイヤル 0120-156-811へ。
  • 「審査なしで貸す」「ガイドラインの手続きを手伝う」と持ちかける業者は、ヤミ金・悪質業者の可能性があります。
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目次

令和8年8月6日に変わった4点|貸金業法施行規則の改正

金融庁の「貸金業法施行規則の一部を改正する内閣府令の概要」(令和8年8月6日)によると、改正の趣旨は次のとおりです。貸金業法の規制は多重債務者の防止をはじめ借入者の保護を目的としていますが、熊本地震の被災者が返済能力を超えない借入れをしようとしたときに、特定の書面を用意できないなど、法令に定める手続きが問題となって本来借りられる資金を借りられない不都合が生じるおそれがあれば、取り除く必要がある、というものです。

熊本城の天守(イメージ)
写真:Hyppolyte de Saint-Rambert / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)。熊本城の写真で、今回の被害を示すものではありません。
項目従来のルール被災者の特例
(1)「社会通念上緊急に必要と認められる費用」の借入れ(総量規制の例外)貸金業者に領収書等の提出が必要。返済期間は3か月以内領収書等の提出は不要。返済期間は6か月以内
(2)個人事業主の借入れ(総量規制の例外)100万円を超える貸付けは、事業計画・収支計画・資金計画に照らして返済能力を判断計画の提示が難しい被災者に配慮し、より簡素な情報(現状等)で判断すれば足りる(100万円以内と同じ扱い)
(3)極度額方式のキャッシング(総量規制の枠内)一定額以上を利用した顧客は、源泉徴収票等の年収を証明する書面を2か月以内に提出しないと、極度額に余裕があってもキャッシングが止まる提出期限が6か月以内に
(4)配偶者の年収と合算して借りる場合(総量規制の例外)配偶者との身分関係を証明する住民票または戸籍抄本を、借入れの際に提出入手が難しい被災者は、事後(6か月以内)の提出で足りる

(3)について、金融庁は、貸金業法施行規則では「1か月以内」と定められているところ、平成19年内閣府令附則により当分の間「2か月以内」とされている、と説明しています。

(4)の例外は、自分の収入だけでは総量規制に抵触する主婦・主夫などが、自分と配偶者の年収を合算した額の3分の1までを借りられるというものです。借りるときに配偶者との身分関係を示す住民票や戸籍抄本が必要ですが、入手が難しい被災者は、借りたあとに6か月以内に出せばよいことになりました。ただし、借りられる上限は合算年収の3分の1のままです。

特例の対象と期限|令和9年1月31日までの時限措置

4つの特例はいずれも令和8年熊本地震の被災者を対象とした時限措置で、令和9年1月31日までです。施行は公布の日(令和8年8月6日)からです。ただし、(3)のキャッシングに関する改正規定の適用は、令和8年5月29日からとされています。この内閣府令は緊急に定める必要があるとして、パブリックコメント(意見公募手続)を行わずに公布されました。

金融庁は同日、日本貸金業協会の会長にあてて、会員の貸金業者に改正を周知し、適切に対応するよう要請しています。あわせて、次の考え方も示しました。

  • 「社会通念上緊急に必要と認められる費用」には、一般に、令和8年熊本地震の被災者の生活費等も含まれると解される。
  • 不動産の建設資金などの貸付けで必要な書面は、売買契約書や請負契約書が例示にすぎず、領収書・請求書などで足りる。
  • 個人事業主の事業の実態を確認する書面は、確定申告書などが例示にすぎず、貸金業者が何らかの方法で事業の実態を確認し、その旨を記録・保存すれば足りる。

いずれも、貸金業者が返済能力を確認する義務をなくすものではありません。借入れの可否や条件は、各貸金業者が判断します。

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借りる前に確認したい公的な制度と相談窓口

貸金業者からの借入れは返済が必要で、被災後の生活再建の負担になりかねません。まず、返済不要の支援や低利・無利子の公的制度がないかを確認してください。金融庁の「多重債務相談に係る令和8年熊本地震への対応について」や首相官邸の被災者支援情報には、次の制度が載っています。

  • 被災者生活再建支援制度(住宅の被害の程度に応じた支援金)
  • 災害援護資金、生活福祉資金の特例貸付(生活資金が必要な被災者向けの公的な貸付)
  • 国の教育ローンの災害特例措置(日本政策金融公庫。金利引下げ等)
  • 事業者向け:中小企業庁の特別相談窓口、災害復旧貸付、セーフティネット保証4号など

金融機関との取引や返済で困ったときは、令和8年熊本地震金融庁相談ダイヤル(0120-156-811、平日10時〜17時、IP電話は03-5251-6813)で相談できます。すでにある住宅ローンなどの返済が苦しい個人は、自然災害債務整理ガイドラインで免除・減額を申し出られる場合があります。法テラスは令和9年7月27日まで、被災者向けの無料法律相談も行っています。

被災者を狙うヤミ金・便乗業者に注意

手続きが緩和されたことと、「誰でも借りられる」ことは違います。災害の後は、返済に困る人につけ込む業者が増えるおそれがあります。金融庁は、過去の災害で義援金を装った振り込め詐欺が多数あったとして、熊本地震でも注意を呼びかけています。

  • 「審査なし」「ブラックでもOK」「その日に現金」などを強調する業者は、登録の有無を金融庁の登録貸金業者情報検索サービスなどで確かめる。登録のない業者からは借りない。
  • SNSのダイレクトメッセージや電話、はがきで「お金を貸す」と持ちかけてくる相手には、個人情報や口座情報を渡さない。
  • 「ガイドラインの手続きを手伝う」と言ってお金を求められたり、融資を勧められたりしたら、その場で応じない。金融庁は、運営機関のサイトを装った偽サイトや、ガイドラインの名で融資を勧誘する連絡に注意を呼びかけています。
  • 不安なときは、消費者ホットライン188(局番なし)や警察相談専用電話#9110へ。

手口と対処はヤミ金の手口と実態で、公的な支援はお金が必要なのにどこからも借りれない時の最終手段と公的支援で整理しています。

返済が難しくなりそうなときは早めに専門家へ

借入れが増えて返済が苦しいときは、延滞する前に弁護士や司法書士などの専門家に相談する選択肢があります。弁護士・司法書士に依頼し、受任通知が届くと、貸金業者からの督促は原則として止まります。司法書士が代理人として交渉できるのは、1社あたり140万円以下の債務に限られます。

借金の減額は、弁護士に無料で相談できます

支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。

ライズ綜合法律事務所では、質問に答えるだけで借金の減額相談を無料で申し込めます(匿名でも可)。まずは減らせる可能性があるかだけでも確かめてみてください。

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よくある質問

熊本地震の被災者は、総量規制を超えて借りられるようになったのですか?

いいえ。今回の改正は、返済能力を超えない借入れを行おうとする被災者が、書面を用意できないなど手続きの問題で借りられなくなることを避けるためのものと、金融庁は説明しています。総量規制そのものがなくなったわけではありません。

貸金業法の特例はいつまで使えますか?

金融庁の概要によると、いずれも令和8年熊本地震の被災者を対象とした時限措置で、令和9年(2027年)1月31日までです。施行は公布日の令和8年8月6日からで、極度額方式のキャッシングに関する規定だけは令和8年5月29日からの適用です。

緊急に必要な費用で借りるとき、領収書は要りませんか?

総量規制の例外である「社会通念上緊急に必要と認められる費用」の借入れについて、被災者は貸金業者に領収書等を提出しなくてよい特例が設けられました。返済期間の要件も、3か月以内から6か月以内になっています。

貸金業者から借りる前に、ほかに使える制度はありますか?

金融庁の案内には、被災者生活再建支援制度、災害援護資金、生活福祉資金貸付などの公的な制度があります。住宅ローンなどが苦しい個人には、自然災害債務整理ガイドラインで免除・減額を申し出る方法もあります。

ガイドラインの手続きを手伝うと言ってお金を求められたら、どうすればいいですか?

その場で支払ったり、個人情報を渡したりしないでください。金融庁は、運営機関のサイトを装った偽サイトや、ガイドラインの名で融資を勧誘する連絡に注意を呼びかけています。消費者ホットライン188や警察相談専用電話#9110に相談してください。

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出典

更新履歴

  • 2026年10月9日:記事を公開しました。
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