裁判所から「訴状」が届くと、驚いて、どうすればいいか分からなくなる人は多いはずです。訴状を無視すると、原告の言い分どおりの判決が出ることがあります。この記事では、法テラスと裁判所の案内をもとに、訴状が届いたときの対応、答弁書、特別送達、欠席の扱い、代理人を整理します。
- 相手方の主張を認められないときは、答弁書を提出して争います(法テラス)。認める場合も、和解を希望すると申し出られます。
- 答弁書を出さず、口頭弁論期日にも出頭しないと、原告の言い分どおりの判決がされることがあります(広島地方裁判所)。
- 特別送達は、受取を拒否しても送達は完了します。まず受け取って中身を確認しましょう。
- 第2回以降の期日に欠席すると、書面を出していても陳述したものとはみなされません。
- 身に覚えがなくても放置しない。書面の電話番号ではなく、裁判所に直接問い合わせます。
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訴状が届いたら、まず何をする?
法テラスのよくある質問「裁判所から訴状が郵送されてきました。どうすればいいですか。」には、相手方の主張を認められないときは、答弁書を提出し、争うべきだと書かれています。身に覚えのない訴状のときは、本当に裁判所に提出された訴状なのか確認することも重要です。相手方の主張する事実関係を認める場合でも、裁判所での話し合いによる解決(訴訟上の和解)を希望すると申し出ることができます。
| 届いたもの | まずやること(公式の案内) |
|---|---|
| 訴状(特別送達) | 相手の主張を認められないときは、答弁書を出して争う。身に覚えがないときは、本当に裁判所から出された訴状か確認する |
| 訴状の内容は認めるが払えない | 答弁書で、裁判所での話し合いによる解決(訴訟上の和解)を希望すると申し出られる |
| 支払督促(特別送達) | 受け取ってから2週間以内に督促異議を出す。詳しくは別の記事を参照 |
| 書面が本物か分からない | 書面の電話番号は使わず、裁判所の電話番号を調べて、直接問い合わせる |
消費者金融やカード会社の借金が原因で訴えられた場合も、考え方は同じです。無視せずに、書類を確認し、期限内に動きましょう。書類に書かれた期限と、第1回の口頭弁論期日の日時は、必ず手元に控えておいてください。
特別送達とは?受取を拒否してもいい?
法テラスによると、裁判所から「支払督促」や「訴訟の呼出状」が送られる場合は、「特別送達」という特別な郵便で送付されることになっています。見分けやすい一方、少しでもおかしいと思う場合は、該当の裁判所の電話番号を確認して問い合わせるよう勧められています。
特別送達の受領を拒否しても、正当な理由がなければ、郵便局員は書類を置いていくことができます(差置送達)。持ち帰った場合でも、書留郵便等に付する送達などほかの送達方法で、送達は完了します。法テラスは、裁判所からの特別送達は、受取を拒否しても決して受取人の利益になることはなく、まず受領して中身を確認するのがよいと説明しています。
身に覚えがないとき
裁判所は、支払督促や少額訴訟などの手続を悪用して、架空の請求を申し立てる事例があると注意しています。そのため、裁判所から郵便物が届いたのに、身に覚えがないと放置すると、架空の請求について判決が出て、強制執行を受けることがあります。裁判所は、不審な点があるときは、書面に書かれた電話番号が偽物でないか電話帳などで確かめたうえで、裁判所に直接電話で問い合わせるよう呼びかけています。裁判所の職員が電話で金銭の支払いを指示することはありません。
答弁書の出し方と、出さないとどうなる?
広島地方裁判所の「答弁書の作成要領等」によると、訴状に同封された答弁書に必要事項を書き、提出期限までに出します。自分で作るときは、訴状(または支払督促)に書かれた事実を、「間違いない事実」「違っている事実」「知らない事実」に分けて書きます。答弁書は同じものを2通作り、1通を正本として裁判所に、もう1通を副本として相手方に送ります(両方とも裁判所に出すこともできます)。
答弁書を出さず、口頭弁論期日にも出頭しないと、原告の言い分どおりの判決がされることがある、と同じ案内に書かれています。
送達場所の届出も忘れずに
答弁書には、裁判所からの書類を確実に受け取れる場所を指定する「送達場所の届出」の欄があります。この届出をしないと、その書面が届いた場所で今後の送達が行われ、実際に書類を受け取れなくても、受領したとみなされることがあります。
払える範囲で和解したいとき
和解を希望する場合は、答弁書の「被告の主張」の欄に、支払える時期や金額を書くと案内されています(例:毎月○日限り、○○円ずつ払いたい)。
裁判を欠席するとどうなる?
法テラスによると、最初の口頭弁論期日なら、欠席しても、出した書面のとおり裁判で陳述したものとみなされます。しかし、第2回以降の期日に欠席すると、原則として、書面を出していても、裁判で陳述したものとはみなされません。原告の主張を認めたものとして、敗訴するおそれもあります。裁判に出席できるか不安なときは、事前に担当の裁判所書記官へ連絡しておくよう勧められています。
弁護士・司法書士に任せるとき
法テラスによると、簡易裁判所以外の裁判所の事件で訴訟代理人になれるのは、原則として弁護士です。簡易裁判所で、訴訟の目的の価額が140万円を超えない訴訟などは、弁護士のほか、法務大臣の認定を受けた認定司法書士も訴訟代理人になれます。また、簡易裁判所では、裁判所の許可を得て、家族や従業員など、紛争の内容に詳しい人を代理人として出頭させることもできます。
訴訟代理人が出席すれば、本人が出席しなくても訴訟を進められます。ただし、本人が尋問を受けるときや、和解のときに裁判所が本人の意向を直接確認する必要がある場合などは、本人も出席します。
裁判にかかる費用は、まず原告が負担して始まります。最終的に誰が負担するかは判決で決まります。裁判で負けたときも、原則として、相手方弁護士の報酬を負担する必要はありませんが、裁判の中で相手方が弁護士の報酬の支払いを求め、判決で認められた場合は、負担することになります。
判決のあとは、差押えにつながる
判決が確定したあと、支払いをしないままでいると、債権者は強制執行を申し立てられます。給料や預金の差押えの範囲は給料の差し押さえはいくらまで?で、支払督促が届いたときの流れは支払督促が届いたら2週間以内に異議で解説しています。
督促を放置したときの一般的な流れは督促状を無視し続けるとどうなる?で確認できます。債務整理の費用が払えないときは、法テラスの立替制度があります。条件は債務整理の費用が払えないときで整理しています。
弁護士や司法書士が債務整理の依頼を受け、貸金業者に通知すると、通常、貸金業者からの連絡は止まります。ただし、すでに裁判所の手続が進んでいるときは、答弁書の期限があるため、書類が届いたらすぐに専門家へ相談してください。「審査なし」をうたう業者や個人間融資、給与ファクタリングは、貸金業の登録がない違法な貸付である可能性が高いため使わないでください。
借金の減額は、弁護士に無料で相談できます
支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。
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※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
まとめ
- 訴状が届いたら、認められないときは答弁書で争う。認める場合も和解の申し出ができる。
- 答弁書を出さず欠席すると、原告の言い分どおりの判決もある。
- 特別送達は、受取を拒否しても送達は完了する。まず受け取って確認する。
- 第2回以降の欠席は、書面を出していても陳述とみなされない。
- 判決のあとは差押えにつながる。書類が届いたらすぐ専門家へ相談する。
よくある質問
裁判所から訴状が届きました。どうすればいいですか?
法テラスによると、相手方の主張を認められないときは、答弁書を出して争います。身に覚えのない訴状のときは、本当に裁判所に出された訴状かを確認します。主張を認める場合でも、訴訟上の和解を希望すると申し出られます。
答弁書を出さないと、どうなりますか?
広島地方裁判所の案内では、答弁書を出さず、口頭弁論期日にも出頭しないと、原告の言い分どおりの判決がされることがあります。
答弁書を出せば、裁判を欠席してもいいですか?
最初の口頭弁論期日なら、欠席しても、出した書面のとおり陳述したものとみなされます。第2回以降の期日に欠席すると、原則として、書面を出していても陳述したものとはみなされず、敗訴するおそれがあります(法テラス)。
特別送達の受取を拒否したら、どうなりますか?
法テラスによると、正当な理由がなければ、郵便局員は書類を置いていくことができます。持ち帰った場合でも、ほかの送達方法で送達は完了します。受取を拒否しても、受取人の利益にはなりません。
裁判所からの通知が本物かどうか、見分けられますか?
裁判所から支払督促や訴訟の呼出状が送られる場合は、特別送達という特別な郵便で送付されます。少しでもおかしいと思うときは、書面の電話番号ではなく、裁判所の電話番号を調べて、直接問い合わせてください。
出典
- 裁判所「支払督促」
- 法テラス「裁判にかかる費用は誰が負担するのですか。」
- 法テラス「裁判所から訴状が郵送されてきました。どうすればいいですか。」
- 法テラス「民事訴訟で訴えられました。答弁書を提出すれば、裁判に欠席しても問題ないですか。」
- 法テラス「裁判所から特別送達で郵便物が送られてきました。受取拒否をしたらどうなりますか?」
- 法テラス「裁判所からの本当の通知かどうか、通知の形式から見分けることはできますか。」
- 法テラス「当事者以外の者が、裁判に訴訟代理人として出頭することができますか?」
- 法テラス「民事訴訟の場合、弁護士に委任すれば、自分は裁判所に行かなくてもよいのですか?」
- 法テラス「裁判で負けてしまった場合、相手方弁護士の報酬まで負担するのですか。」
- 広島地方裁判所「答弁書の作成要領等」
- 裁判所「裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。」
更新履歴
2026年10月9日:記事を公開しました。
