加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある人が65歳に達した時点で、その人に生計を維持されている配偶者または子がいるときに、老齢厚生年金に加算される年金です。日本年金機構の公式サイトによると、令和8年4月からの金額は、配偶者と1人目・2人目の子が各243,800円、3人目以降の子が各81,300円で、配偶者の分には、生年月日に応じた特別加算(36,000円〜179,900円)が付きます。配偶者が65歳になると加給年金は終わり、配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
この記事は、老齢厚生年金を受け取る人、年下の配偶者や子がいる人、配偶者が65歳になる人に向けて、日本年金機構の公式サイト「加給年金額と振替加算」(2026年9月30日更新)で確認できた内容を、受給要件・金額・停止の条件・振替加算・手続きの順にまとめたものです(2026年10月9日確認)。
- 加給年金の条件は、厚生年金の被保険者期間が20年以上(中高齢の特例あり)で、65歳到達時点で生計を維持している配偶者または子がいることです。届出が必要です。
- 金額(令和8年4月から):配偶者243,800円(65歳未満)、1人目・2人目の子各243,800円、3人目以降の子各81,300円。配偶者には特別加算(36,000円〜179,900円)があり、昭和18年4月2日以後生まれの受給権者は合計423,700円です。
- 配偶者が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金を受ける権利を持つと、実際に受け取っていなくても、令和4年4月以降は配偶者加給年金額が支給停止になります(経過措置あり)。
- 配偶者が65歳になると加給年金は終了し、条件を満たせば配偶者の老齢基礎年金に振替加算が付きます。昭和41年4月2日以後生まれの人は、振替加算の対象になりません。
- 加給年金や振替加算の加算・終了は、届出が必要な場合があります。ねんきんダイヤルか年金事務所に確認してください。
加給年金とは?65歳到達時に配偶者や子がいるとき
公式サイトによると、加給年金は、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上(共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が、40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降で15年〜19年の場合も含む)ある人が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その人に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算されます。
65歳到達後に被保険者期間が20年以上になった場合は、在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)に、生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算されます。加給年金は、年齢制限に当てはまらなくなったときのほか、離婚や死亡などで生計を維持されなくなったときに、加算が終わります。
加給年金額はいくら?令和8年4月からの金額表
| 対象者 | 加給年金額 | 年齢制限 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 243,800円 | 65歳未満(大正15年4月1日以前生まれの配偶者には年齢制限なし) |
| 1人目・2人目の子 | 各243,800円 | 18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
| 3人目以降の子 | 各81,300円 | 同上 |
配偶者加給年金額の特別加算額
| 受給権者の生年月日 | 特別加算額 | 加給年金額の合計額 |
|---|---|---|
| 昭和9年4月2日〜昭和15年4月1日 | 36,000円 | 279,800円 |
| 昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日 | 71,900円 | 315,700円 |
| 昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日 | 108,000円 | 351,800円 |
| 昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日 | 143,900円 | 387,700円 |
| 昭和18年4月2日以後 | 179,900円 | 423,700円 |
加給年金が止まるとき|配偶者の年金と令和4年4月からの変更
配偶者が、老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上、または共済組合等を除いた期間が40歳(女性は35歳)以降15年以上の場合に限る)や退職共済年金(組合員期間20年以上)を受け取る権利があるとき、または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます。
年金制度の改正により、令和4年4月以降は、配偶者の老齢厚生年金などを実際に受け取っていなくても、受け取る権利がある場合(在職により支給停止となっている場合等)は、配偶者加給年金額が支給停止されます。ただし、令和4年3月時点で本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されており、対象の配偶者が被保険者期間240月以上の老齢厚生年金等の受給権を持ち全額が支給停止されている場合は、経過措置で加給年金の支給が続きます。
経過措置は、加給年金の対象外になったとき(配偶者の65歳到達、離婚、死亡など)のほか、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金の全額が支給停止になったとき、配偶者が失業給付の受給終了により老齢厚生年金の全額支給停止が解除されたとき、配偶者が年金選択で他の年金を受けることになったときに終わります。後者2つの場合は、経過措置終了の届出が必要です。
振替加算とは?配偶者が65歳になったとき
夫(妻)が受けている老齢厚生年金や障害厚生年金に加算されている加給年金額の対象者になっている妻(夫)が65歳になると、それまで支給されていた加給年金額が打ち切られます。このとき妻(夫)が老齢基礎年金を受けられる場合には、一定の基準により、妻(夫)自身の老齢基礎年金の額に加算されます。これを振替加算といいます。
振替加算の対象になる人
- 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること。
- 妻(夫)が老齢基礎年金のほかに老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険と共済組合等の加入期間をあわせて240月未満であること。
- 妻(夫)の共済組合等を除いた厚生年金保険の35歳以降(夫は40歳以降)の加入期間が、生年月日ごとに定められた期間(昭和22年4月1日以前生まれは180月、昭和25年4月2日〜26年4月1日生まれは228月など)未満であること。
振替加算の額(抜粋)
振替加算の額は、昭和61年4月1日に59歳以上(大正15年4月2日から昭和2年4月1日生まれ)の人が243,100円で、それ以後、年齢が若くなるごとに減っていき、昭和61年4月1日に20歳未満(昭和41年4月2日以後生まれ)の人はゼロになるよう決められています。公式サイトの表から抜粋した金額は次のとおりです。
| 配偶者の生年月日 | 年額 | 月額 |
|---|---|---|
| 昭和2年4月1日まで | 243,100円 | 20,258円 |
| 昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日 | 145,860円 | 12,155円 |
| 昭和26年4月2日〜昭和27年4月1日 | 80,952円 | 6,746円 |
| 昭和31年4月2日〜昭和32年4月1日 | 48,760円 | 4,063円 |
| 昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日 | 16,335円 | 1,361円 |
| 昭和41年4月2日〜 | ― | ― |
昭和36年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた人は、いずれも年額16,335円(月額1,361円)です。すべての生年月日の金額は、公式サイトの表で確認できます。
加給年金・振替加算の手続きと、繰下げ受給との関係
振替加算は、年金を請求するときの裁定請求書に、「配偶者の年金証書の基礎年金番号・年金コード、配偶者の氏名および生年月日」を正確に記入することで行われます(配偶者が年金の受給権を持っていない場合は、配偶者の基礎年金番号、氏名、生年月日)。老齢基礎年金を受けている妻(夫)が65歳になった後に、夫(妻)の年金が、厚生年金保険と共済組合等の加入期間をあわせて240月以上の老齢年金または障害年金(1級・2級)になったときなどは、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を年金事務所に出します。
年金の繰下げ受給をすると、加給年金額や振替加算額は増額の対象にならず、繰下げ待機期間中は受け取れません。繰下げ受給の増額率などは、公式サイトの「年金の繰下げ受給」で確認できます。年金の受け取りに関する通知の見方は、年金が10月から減った?10月15日支給で振込額が変わる理由も参考にしてください。
加給年金・振替加算を確認するときのチェックリスト
- 厚生年金の被保険者期間が20年以上(または中高齢の特例)あるかを確認する。
- 65歳到達時点で、生計を維持している配偶者や子がいるかを確認する。
- 配偶者の年齢制限(65歳未満)と、子の年齢制限(18歳到達年度の末日まで)を確認する。
- 配偶者が老齢厚生年金を受ける権利を持っていないか(令和4年4月以降の停止ルール)を確認する。
- 配偶者が65歳になるときは、裁定請求書に基礎年金番号などを正確に書き、振替加算の対象かを確認する。
- 加算・終了の届出が必要かは、ねんきんダイヤルまたは年金事務所に確認する。
よくある質問
加給年金とは何ですか?
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が、65歳到達時点で、生計を維持している配偶者または子がいるときに、老齢厚生年金に加算される年金です。届出が必要です。
加給年金はいくらもらえますか?
令和8年4月から、配偶者と1人目・2人目の子は各243,800円、3人目以降の子は各81,300円です。配偶者の加給年金額には、受給権者の生年月日に応じて36,000円から179,900円が特別加算されます。
加給年金はいつまでもらえますか?
配偶者が65歳になるまで、子が18歳到達年度の末日まで(障害の状態にある子は20歳未満)などの年齢制限に当てはまるまでです。離婚や死亡などで生計を維持されなくなったときも終わります。
振替加算とは何ですか?
配偶者が65歳になって加給年金が打ち切られたときに、配偶者が老齢基礎年金を受けられる場合に、配偶者自身の老齢基礎年金の額に一定の基準で加算される金額です。昭和41年4月2日以後生まれの人は対象になりません。
加給年金は繰下げ受給のとき増額されますか?
加給年金額や振替加算額は、繰下げ受給による増額の対象になりません。また、繰下げ待機期間中は受け取ることができません。
出典
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」(更新日2026年9月30日、2026年10月9日確認)
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」(更新日2026年8月12日、2026年10月9日確認)
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
