年金が10月から減った?10月15日支給で振込額が変わる理由(介護保険料の本徴収)

年金が10月から減った?10月15日支給で振込額が変わる理由(介護保険料の本徴収)

年金の振込額が、8月と10月で違うと感じている方に向けた記事です。結論から言うと、年金額そのものが引き下げられたのではなく、年金から天引きされる介護保険料や住民税などの徴収方法が「仮徴収」から「本徴収」に切り替わることが理由の一つとして考えられます。

この記事では、日本年金機構・総務省・市区町村などの公式情報をもとに、10月15日支給で振込額が変わる仕組み、8月との違いを自分で確認する方法、わからないときの問い合わせ先までをまとめます。金額の実例は創作せず、公式に確認できた仕組みだけを紹介します。

先に結論
  • 振込額が変わる理由として考えられるのは、介護保険料・住民税などの「仮徴収」から「本徴収」への切り替え(市区町村の公式説明による仕組み)。
  • 令和8年度は国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%増額改定されており(厚生労働省 令和8年1月23日公表)、年金額自体が減ったわけではありません。
  • 10月以降の天引き額の確定額は、6月に発送された年金振込通知書ではなく、市区町村から届く通知書で確認します。
  • 金額の内訳に疑問があるときは、お住まいの市区町村の担当窓口、またはねんきんダイヤルに問い合わせます。
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目次

8月と10月で年金の振込額が違う理由

年金は偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に、原則として前月までの2か月分がまとめて支給されます。15日が土曜・日曜・祝日にあたる場合は、その直前の平日に支払われます(日本年金機構)。年金額そのものが同じでも、天引きされる保険料・税金の計算の仕方が年度の前半(4・6・8月)と後半(10・12・翌年2月)で変わるため、振込額が変わることがあります。

年金の通知はがきを手に取る高齢者の手元
※画像はイメージです
変わりうる項目8月まで10月からどこで確認するか
介護保険料仮徴収(4・6月は前年度額をもとにした額。8月は自治体により算定方法が異なる)本徴収(その年度の確定額から仮徴収分を差し引いた額)市区町村からの通知書
住民税(個人住民税)継続の方は仮徴収。その年に初めて対象になる方は6・8月に普通徴収(納付書など)継続の方は本徴収。初めての方はこの月から特別徴収が始まる市区町村の税務担当からの通知書
国民健康保険料・後期高齢者医療保険料(該当する人のみ)仮徴収、または普通徴収から特別徴収への切り替え準備中本徴収、または新たに特別徴収が始まる場合がある市区町村・後期高齢者医療広域連合からの通知書
年金額そのもの令和8年度の改定後の額(4月分から適用済み)8月と同じ改定後の額(在職老齢年金の支給停止額が変わる場合を除く)年金額改定通知書(6月発送)

このように、介護保険料・住民税・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料のうち、年金から天引きされているものがあれば、10月支給分から金額の計算方法が変わります。次の見出しから、それぞれの仕組みを確認します。

介護保険料が「仮徴収」から「本徴収」に切り替わる

日本年金機構によると、介護保険料が年金から特別徴収されるのは、65歳以上で、年金の年間受給額が18万円以上の方です。特別徴収の対象になる方には、市区町村からお知らせが送られます。

自宅で書類を確認する高齢者の後ろ姿
※画像はイメージです

特別徴収には「仮徴収」と「本徴収」の2段階があります。4・6月は前年度の保険料額をもとにした仮徴収が行われ、その年度の保険料額が確定したあとの10・12・翌年2月に、確定額から4〜8月の仮徴収分を差し引いた額を精算する本徴収が行われます。8月の仮徴収額の決め方は自治体によって異なります。

例として千葉市の介護保険料の場合、4月・6月は前年度2月分と同額、8月は年額保険料から4月・6月分を差し引いた額を4等分した額を仮徴収し、10月・12月・翌年2月は年額保険料から4月〜8月の仮徴収分を差し引いた額を3等分して本徴収するとされています(千葉市、2024年8月23日更新のFAQページ)。仮徴収額の具体的な算定方法は自治体によって異なる場合があるため、正確な金額はお住まいの市区町村にご確認ください。

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住民税・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料も本徴収に変わる人がいる

個人住民税も、前年度から年金の特別徴収が続いている方は、介護保険料と同じように4・6月の仮徴収から10・12・翌年2月の本徴収に切り替わります。仮徴収額は、前年度の年金分の税額の2分の1を3回に分けた額です(例:横浜市、地方税法第321条の7の8)。一方、その年に初めて年金からの特別徴収が始まる方は、年税額の半分を6月・8月に納付書などで納め(普通徴収)、残りを10月・12月・翌年2月の年金から特別徴収する仕組みになっています(例:横浜市、地方税法第321条の7の2)。対象は、前年中の公的年金等に係る所得について個人住民税の納税義務がある65歳以上の方です(総務省)。

市役所の窓口に並ぶ人々の後ろ姿
※画像はイメージです

国民健康保険料・後期高齢者医療保険料についても、対象になる方は、同様の仕組みで仮徴収・本徴収(または新たに始まる場合は普通徴収から特別徴収)により年金から天引きされます。例として世田谷区の国民健康保険料では、世帯主が国民健康保険に加入し、世帯内の被保険者全員が65〜74歳であるなどの条件を満たす場合が対象で、4・6・8月に前年度2月分と同額を仮徴収し、10・12・翌年2月に年間保険料から仮徴収分を差し引いた残りを3等分して本徴収するとされています。新たに特別徴収の対象になった世帯では、7〜9月は普通徴収(納付書や口座振替)で納め、10月・12月・翌年2月の年金から特別徴収が始まる場合があるとされています(世田谷区)。

このため、これまで年金から天引きされていなかった方が、10月支給分から急に保険料が差し引かれ始めるケースもあります。天引きが始まる・終わる時期や具体的な条件は制度・自治体によって異なるため、届いた通知書の内容や市区町村の窓口で確認することが確実です。

年金額そのものは増えている?令和8年度の改定

「10月から年金が減った」と感じても、年金額自体が引き下げられたわけではありません。厚生労働省は令和8年1月23日、令和8年度の年金額改定について公表し、法律の規定に基づき算出した賃金変動率(名目手取り賃金変動率2.1%)を基準に、前年度と比べて国民年金(基礎年金)を1.9%、厚生年金(報酬比例部分)を2.0%引き上げる改定を発表しました(マクロ経済スライドによる調整を反映した率)。日本年金機構の案内でも、令和8年度の年金額はこの改定率で増額されるとしています。

この改定後の年金額は令和8年4月分から適用され、6月15日支給分(4・5月分)から新しい額が反映されています。年度ごとの改定は6月支給分から反映済みで、8月支給の時点で改定後の年金額になっています。ただし、厚生年金に加入しながら年金を受け取っている方などは、総報酬月額相当額が変わった月から支給停止額が変わるため、10月支給時点でも年金額が変わることがあります(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。ここまでに説明した保険料・税金の天引き方法の切り替えも、振込額が変わる理由として考えられます。

なお、2026年10月には年金以外にも社会保険・税制上の制度変更がいくつか予定されています。あわせて知っておきたい方は、2026年10月から変わるお金のこと一覧もご確認ください。

8月との違いを確認する方法(通知書の見方)

日本年金機構は、令和8年度の年金額改定通知書・年金振込通知書を令和8年6月3日(水曜)から6月10日(水曜)にかけて順次発送しています。年金と年金生活者支援給付金を同時に受け取っている方には両方を1枚にまとめたはがきで、遺族年金受給者や複数の年金を受けている方、視覚障害による障害年金受給者などには封筒で送られます(日本年金機構)。

電卓とノートを使って家計を確認する手元
※画像はイメージです

はがきサイズの通知書には、国民年金・厚生年金それぞれの基本額や支給停止額、年金額の合計、介護保険料額、該当する場合は国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料、住民税額(個人住民税額および森林環境税額)、所得税額・復興特別所得税額、そして控除後の振込額が記載されています。ただし、介護保険料・住民税などの8月以降の額は、6月時点の額が予定額として記載されており、決定額は市区町村から届く通知書で確認する仕組みになっています(日本年金機構)。

手元の通知書が見当たらない場合は、「ねんきんネット」でも年金額改定通知書の内容を確認・保存・印刷できます(日本年金機構)。

振込額について問い合わせる窓口

振込額の内訳について、知りたい項目によって問い合わせ先が異なります。

窓辺で電話をかける高齢者の後ろ姿
※画像はイメージです
知りたいこと問い合わせ先
介護保険料・住民税・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の金額の内訳や決定通知の内容お住まいの市区町村の担当窓口(介護保険・税務・国保・後期高齢者医療の各担当)
年金額・年金額改定通知書・年金振込通知書の内容ねんきんダイヤル(ナビダイヤル 0570-05-1165、一般電話 03-6700-1165)。月曜は午前8時30分〜午後7時、火〜金曜は午前8時30分〜午後5時15分、第2土曜は午前9時30分〜午後4時(日本年金機構)

ねんきんダイヤルは、月曜が祝日の場合は翌日以降の最初の平日に午後7時まで対応します。第2土曜以外の土曜・日曜・祝日、12月29日から1月3日は利用できません。ナビダイヤル(0570から始まる番号)は通話料定額プランの対象外で、案内音声のあとの通話には料金が発生します(日本年金機構)。

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よくある質問

年金が10月から急に減った気がします。年金額自体が下がったのですか?

いいえ、令和8年度は国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%増額改定されており(厚生労働省 令和8年1月23日公表)、年金額自体が引き下げられたわけではありません。介護保険料や住民税などが「仮徴収」から「本徴収」に切り替わったことなどが理由として考えられ、天引きされる金額が変わって振込額が変化することがあります。

8月と10月で年金の振込額が違うのはなぜですか?

年金から天引きされる介護保険料・住民税・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料(該当する方のみ)は、4・6・8月の「仮徴収」と、10・12・翌年2月の「本徴収」で計算方法が異なります。本徴収では、その年度の確定した金額から仮徴収分を差し引いた額が天引きされるため、8月までと10月からで振込額が変わることがあります。

年金の天引きが10月から変わる項目には何がありますか?

対象になっている方の場合、介護保険料、個人住民税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料が「仮徴収」から「本徴収」に切り替わります。どの項目が該当するかは、年齢や加入している制度によって異なります。

年金の住民税が10月から本徴収になるとはどういう意味ですか?

前年度から住民税が年金天引きされている方は、4・6月に前年度の税額の2分の1を3回に分けた額を「仮徴収」として天引きされ、10・12・翌年2月に、その年度の確定額から仮徴収分を差し引いた残りを3回に分けて天引きする「本徴収」に切り替わります(例:横浜市)。その年に初めて天引きが始まる方は、6・8月に納付書などで納め、10月から天引きが始まります(例:横浜市)。

介護保険料が10月から変わるのはなぜですか?

介護保険料も、4・6月は前年度の額をもとにした仮徴収、10・12・翌年2月はその年度の確定した保険料額から仮徴収分を差し引いた本徴収に切り替わります。8月の仮徴収額の決め方は自治体によって異なり(例:千葉市では、その年度の保険料額をもとに調整されます)、詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。

10月15日支給の年金は、いつの分の年金ですか?

年金は偶数月の15日(土日・祝日の場合は直前の平日)に、原則として前月までの2か月分がまとめて支給されます。10月15日の支給も、この仕組みにもとづいて行われます(日本年金機構)。

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出典

更新履歴

2026年9月26日:記事を公開しました。

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