老齢年金は、受け取る権利ができたときに自動的に始まるものではありません。日本年金機構の公式サイトによると、受け取るには自分で年金の請求手続きをする必要があります。65歳になる3か月前に、日本年金機構から「年金請求書(事前送付用)」が届き、65歳になってから(65歳の誕生日の前日以降)、必要書類を添えて年金事務所などに提出します。請求せずに年金を受けられるようになってから5年を過ぎると、5年を過ぎた分は時効で受け取れなくなる場合があります。
この記事は、まもなく65歳になる人、年金を初めて請求する人に向けて、日本年金機構の公式サイト「老齢年金の請求手続きの流れ」(2026年7月15日更新)と「65歳時の年金の手続き(老齢年金を初めて請求する方)」(2026年6月15日更新)で確認できた内容を、流れ・必要書類・提出先・受け取り開始の時期の順にまとめたものです(2026年10月9日確認)。
- 年金請求書(事前送付用)は、65歳に到達する3か月前に届きます。加入記録に「もれ」や「誤り」があれば、事前に年金事務所へ連絡します。
- 請求書の受付は65歳になってからです。65歳になる前に提出された場合は受け付けられません。
- 提出先は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターです。電子申請(条件あり)もできます。
- 請求書の提出から約1〜2か月後に「年金証書・年金決定通知書」が届き、その1〜2か月後に年金の支払いの案内が届いて、受け取りが始まります。
- 年金は受給権が発生した月の翌月分から受け取れ、原則として偶数月の15日に、前月と前々月の分が振り込まれます。
老齢年金は請求しないともらえない|受給の条件と請求の必要性
公式サイトによると、老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上ある人が65歳から受給できます。老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間があり、厚生年金保険の被保険者期間がある人が65歳から受給できます。厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある場合は、65歳になるまで特別支給の老齢厚生年金を受けられる場合があります(生年月日に応じて受給開始年齢が異なります)。
どちらも、年金の請求手続きをしなければ受け取れません。老齢基礎年金の受給要件や金額は、日本年金機構の「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」で確認できます。
手続きの流れ|請求書の送付から年金の受け取りまで
| 順番 | 手続き(公式サイトの記載) |
|---|---|
| 1. 年金請求書の送付 | 受給開始年齢に達する3か月前に、年金請求書(事前送付用)が届く。加入記録が印字されている |
| 2. 加入記録の確認 | 年金請求書に記載された記録に「もれ」や「誤り」があれば、事前に年金事務所へ問い合わせる |
| 3. 年金請求書の提出 | 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、添付書類とともに年金事務所に提出。電子申請も可能 |
| 4. 年金証書・年金決定通知書 | 請求書の提出から約1〜2か月後に送られる |
| 5. 支払いの案内 | 「年金証書・年金決定通知書」が届いてから1〜2か月後に、年金振込通知書などが送られ、受け取りが始まる |
年金は、受給権が発生した月の翌月分から受け取れます。原則として偶数月の15日に、前月および前々月の年金が振り込まれます(15日が土曜日、日曜日、祝日のときは、その直前の平日)。
年金請求書を出すときに必要な書類
「65歳時の年金の手続き(老齢年金を初めて請求する方)」には、次の書類が挙げられています。受付は65歳になってからで、戸籍・住民票などは、受給権発生日以降に交付され、提出日において6か月以内に交付されたものを用意します。
| 書類 | 内容(公式サイトの記載) |
|---|---|
| 年金請求書 | 様式第101号(老齢給付)。年金事務所や街角の年金相談センターにも備え付けられている。事前送付用が届く |
| 戸籍謄本・住民票など | 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか。本人の生年月日を明らかにできる書類。単身者でマイナンバーが日本年金機構に登録されている人は、原則添付不要(登録されていない人は、請求書にマイナンバーを記入すれば原則不要) |
| 受取先金融機関の通帳等(本人名義) | 口座名義人カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード(コピー可)。請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要。公金受取口座を利用する人は、金融機関の証明欄と通帳等のコピーの添付が不要 |
配偶者の厚生年金の加入期間が20年以上の人
戸籍謄本(記載事項証明書)、世帯全員の住民票の写し(請求者と配偶者の続柄確認、生計維持関係確認のため)、請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票など)が必要です。マイナンバーを記入することで添付を省略できるものもあります。
ご本人の状況によって必要な書類
- 年金手帳:基礎年金番号以外の年金手帳を持っている場合。
- 合算対象期間が確認できる書類:保険料納付済期間と免除期間を合算して25年未満の人は、戸籍の附票の写しなどが必要になる場合があります。事前に年金事務所へ相談してください。
なお、公金受取口座の登録口座を変更しても、年金の受取口座は変更されません。年金の受取口座を変えたいときは「年金受給権者 受取機関変更届」の届出が必要です。
提出先と、電子申請・郵送
提出先は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターです。年金記録が共済組合等の加入期間のみの場合は、原則として加入していた共済組合等へ提出します。紙の請求書を提出する方法は、窓口または郵送です。
年金の未加入期間がないなど、一定の条件を満たす人は、電子申請(個人の方の電子申請(老齢年金請求書))を利用できます。対象の人には、年金請求書の表紙に「電子申請のご案内」が表示され、案内のリーフレット(PDF)が「年金請求書(事前送付用)」に同封されます。
特別支給の老齢厚生年金を受けている人が65歳になるとき
日本年金機構の公式サイト「65歳時の年金の手続き(特別支給の老齢厚生年金を受給している方)」(2024年12月27日更新)によると、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受けている人が65歳になったときは、特別支給の老齢厚生年金に代わり、新たに老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けることになります。この場合も、「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」の提出が必要です。
| 項目 | 内容(公式サイトの記載) |
|---|---|
| 請求書が届く時期 | 65歳になる誕生月の初め頃(1日生まれの人は前月の初め頃)に、日本年金機構本部から「年金請求書」が送られる |
| 提出の期限 | 誕生月の末日(1日生まれの人は前月末日)までに必ず提出する。届出が遅れると、年金の支払いが一時保留されることがある |
| 提出方法 | 令和7年1月以降に65歳に到達した人で日本に住んでいる人は、電子申請で提出できる。はがき型の請求書で提出する場合の提出先は、日本年金機構本部 |
| 繰下げを考えている場合 | 老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を繰り下げる人は、65歳時点では請求手続きは不要。どちらか一方だけ65歳から受け取るときは、請求書の「受取方法欄」のチェックを選ぶ |
請求が遅れると?5年の時効に注意
年金の請求をせず、年金を受けられるようになったときから5年を過ぎると、法律に基づき、5年を過ぎた分の年金は時効により受け取れなくなる場合があります。公式サイトは、早めの請求を勧めています。
受け取りを遅らせて年金を増やす「繰下げ受給」を考えている人は、66歳以後に手続きをします。増額率や注意点は、公式サイトの「年金の繰下げ受給」で確認できます。60歳から65歳までの間に受け取る「繰上げ受給」は、手続きをした時点で減額率が決まります。年金の振込日に関する疑問は、年金が10月から減った?10月15日支給で振込額が変わる理由も参考にしてください。
年金を請求するときのチェックリスト
- 65歳の3か月前に届く「年金請求書(事前送付用)」を確認し、加入記録の「もれ」や「誤り」がないか確認する。
- 65歳の誕生日の前日以降に、請求書を提出する(65歳前の提出は受付不可)。
- 戸籍謄本・住民票など(提出日から6か月以内に交付されたもの)を用意する。マイナンバーが登録されていれば省略できる場合がある。
- 本人名義の受取口座(通帳・キャッシュカードのコピー)を用意する。
- 配偶者の厚生年金加入期間が20年以上の場合は、世帯全員の住民票、収入が確認できる書類を用意する。
- 年金事務所・街角の年金相談センターに提出する(電子申請や郵送も可)。5年の時効に注意し、早めに請求する。
よくある質問
年金は請求しないともらえませんか?
年金は、受け取る権利ができたときに自動的に始まるものではありません。老齢年金を受け取るためには、年金の請求手続きが必要です。
年金請求書はいつ届きますか?
受給開始年齢に達する3か月前に、日本年金機構から年金請求書(事前送付用)が届きます。年金加入記録が印字されているため、記録にもれや誤りがないか確認します。
年金の請求はいつからできますか?
請求書の受付は65歳になってからです。受給開始年齢の誕生日の前日以降に、添付書類とともに年金事務所に提出します。65歳になる前に提出された場合は、受け付けられません。
年金は請求してからいつ振り込まれますか?
請求書の提出から約1〜2か月後に年金証書・年金決定通知書が届き、そのさらに1〜2か月後に年金の支払いの案内が届いて、受け取りが始まります。年金は原則、偶数月の15日に前月と前々月の分が振り込まれます。
年金の請求が遅れたらどうなりますか?
年金を受けられるようになったときから5年を過ぎると、法律に基づき、5年を過ぎた分の年金は時効により受け取れなくなる場合があります。早めに請求してください。
出典
- 日本年金機構「老齢年金の請求手続きの流れ」(更新日2026年7月15日、2026年10月9日確認)
- 日本年金機構「65歳時の年金の手続き(老齢年金を初めて請求する方)」(更新日2026年6月15日、2026年10月9日確認)
- 日本年金機構「65歳時の年金の手続き(特別支給の老齢厚生年金を受給している方)」(更新日2024年12月27日、2026年10月9日確認)
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
