第3号被保険者は廃止される?いつから・専業主婦とパートはどうなる

この記事は、「第3号被保険者が廃止されるらしい」というニュースを見て不安になった専業主婦(主夫)やパート勤務の人に向けた記事です。結論から言うと、2026年9月時点で第3号被保険者制度の「廃止」は決まっていません。厚生労働省の検討会で議論が始まった段階です。この記事では、何がどこまで決まっていて、何がまだ決まっていないのかを、厚生労働省の公式資料をもとに整理し、いつから・どうなる・いくら払うことになりうるのかを解説します。

先に結論・今わかっていること
  • 第3号被保険者の「廃止」は決定していません。2026年9月4日に厚生労働省の検討会が第1回会合を開いた段階です。
  • 2025年成立の年金制度改正法の附則には「政府は実情の調査研究を行い、在り方を検討する」と書かれているだけで、廃止の時期・方法は明記されていません。
  • 一方で2024年12月の社会保障審議会年金部会は「制度の縮小を進めていくことが基本的な方向性」との考え方を示しています。
  • 今すぐ保険料の負担が発生するわけではありません。仮に第1号被保険者になった場合の国民年金保険料は月額17,920円(令和8年度)です。
  • 今後の動きは、厚生労働省の検討会の資料が公開されるたびに確認するのが確実です。
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目次

結論:第3号被保険者の廃止は決まっていない。今どこまで議論が進んでいる?

「第3号被保険者 廃止」という言葉がニュースやSNSで広がっていますが、厚生労働省が公開している資料を見る限り、廃止する・しないを政府が決定した事実はありません。2026年9月4日、厚生労働省は「国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会」の第1回会合を開き、制度の現状や経緯についての資料を示しました。この検討会は、いわば「これから何をどう見直すか」を議論し始めた場であり、廃止の結論やスケジュールが出た段階ではありません。

そもそも第3号被保険者とは

厚生労働省の資料によると、国民年金第3号被保険者とは、国民年金法第7条に基づき、次の3つの要件を満たす人です。

  • 20歳以上60歳未満で、厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)の配偶者であること
  • 日本国内に住所を有すること(国内居住要件)
  • 第2号被保険者の収入により生計を維持していること(生計維持関係。年間収入がおおむね130万円未満であることなどで認定)

第3号被保険者の期間は保険料を本人が負担しなくても、保険料納付済期間として基礎年金の給付に反映される仕組みです。その分の費用は、第2号被保険者(会社員・公務員など)全体が基礎年金の拠出金として負担しています。制度自体は昭和60年の年金改正で創設され、昭和61年4月に施行されました。なお、令和8年4月からは、雇用契約上の年収が130万円未満であることが明らかな場合、その時点で第3号被保険者(被扶養者)と認定する運用に見直されています。

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なぜ第3号被保険者制度の廃止・見直しが議論されているのか

厚生労働省の資料は、見直しが議論される背景として次のような点を挙げています。

  • 制度創設時は「夫が働き、妻が専業主婦」という世帯を主に想定していたが、共働き世帯が増え、専業主婦(主夫)世帯は減少している。
  • 第3号被保険者は保険料を負担しないため、社会保険制度内での不公平感が指摘されている。
  • いわゆる「年収の壁」を意識した就業調整(働き方を抑える)の一因になっているとの見方がある。

一方で、同じ資料には「様々な人が混在する第3号被保険者に対する所得保障としての機能を有している」といった、見直しに慎重な意見も紹介されています。なお「第3号被保険者制度自体に男女差はない」という記述は、資料の中では女性のキャリア形成への影響などを理由に見直しを求める意見に付随して紹介されているものであり、慎重な意見の根拠ではありません。廃止すべきかどうかについて、専門家の間でも意見が分かれている段階です。

こうした議論を受け、2026年7月7日の自由民主党・日本維新の会 社会保障制度改革協議体による「社会保障改革項目に関する具体的な骨子」では、「第3号被保険者制度については、その縮小に向け…実態調査を実施し、令和8年度中にその結果をとりまとめ」る方針が示されました。さらに2026年7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」では、「2026年度中に具体的な制度設計」を行うとされています。ただし、これらはいずれも制度の縮小に向けた方向性を示すものであり、廃止そのものを決定したものではない点に注意してください。

第3号被保険者の見直しで困る人は?

厚生労働省の資料は、第3号被保険者の中には様々な事情の人が混在しているとした上で、「一定の理由で就業できない、あるいは、希望する働き方を実現できない者などに配慮することが必要」と指摘しています。具体的には、子育てや介護のため、あるいは健康上の理由ですぐには働けない人などが想定されており、制度を見直す場合には、こうした人たちの所得保障をどう確保するかが論点になるとされています。

いつから変わる?決まっていること・決まっていないこと

「いつから変わるのか」を正確に知るために、公式資料で確認できる内容を、決まっていること・決まっていないことに分けて整理します。

項目状況根拠・出典
第3号被保険者制度そのものの廃止決まっていない(検討会で議論を開始した段階)厚生労働省「第1回検討会」資料(2026年9月4日)
廃止する場合の時期決まっていない同上
調査研究・議論を行うこと自体決まっている(法律の附則に明記)年金制度改正法(令和7年法律第74号)附則第2条4項
制度の「縮小」を進める基本的な方向性審議会で示されている(廃止そのものの決定ではない)社会保障審議会年金部会「議論の整理」(2024年12月25日)
実態調査のとりまとめ令和8年度中(予定)与党「社会保障改革項目に関する具体的な骨子」(2026年7月7日)
廃止の決定なし(縮小に向けた方向性の表明にとどまる)骨太方針2026(2026年7月21日閣議決定)、厚生労働省 資料2
被用者保険の適用拡大(賃金要件=いわゆる106万円の壁の撤廃)2026年10月に撤廃予定。撤廃後は週20時間以上などの労働時間要件で厚生年金の加入対象かどうかが判定される厚生労働省 資料2「第3号被保険者制度を巡る現状について」
被用者保険の企業規模要件の撤廃段階的に撤廃予定:36人以上の企業等は2027年10月、21人以上の企業等は2029年10月、11人以上の企業等は2032年10月、全ての企業等は2035年10月から対象厚生労働省 資料2「第3号被保険者制度を巡る現状について」(PDF)

専業主婦・パートはどうなる?

現時点では、第3号被保険者の要件や保険料負担の仕組みは変わっていません。ただし、今後の議論の方向性によって、働き方ごとに影響の受け方が変わってくる可能性があります。

今の状況現時点での扱い今後、注意しておきたい点
専業主婦(主夫)で収入がほぼない第3号被保険者のまま、保険料負担なし制度の縮小・見直しの議論が今後どう進むか、検討会の資料を確認する
パートで年収130万円未満に収まるよう調整している現状は第3号被保険者の対象になりうる被用者保険の適用拡大(106万円の壁の撤廃など)により、勤務先の規模や労働時間次第で第2号被保険者(厚生年金)に切り替わる場合がある
週20時間以上勤務し、賃金要件の対象になりつつある勤務先の規模等により第2号被保険者となる場合がある適用拡大のスケジュールは勤務先の規模によって異なるため、勤務先に確認する
フリーランス・自営業、配偶者が第2号被保険者でない第3号被保険者には該当しない(第1号被保険者など)今回の検討会の直接の対象ではない

もし保険料を払うことになったらいくら?

第3号被保険者制度が仮に見直され、これまで保険料を負担していなかった人が第1号被保険者として国民年金保険料を負担することになった場合を考えてみます。日本年金機構によると、令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円です(将来の年金額を増やせる付加保険料は月額400円)。これはあくまで「第1号被保険者になった場合」の仮定の金額であり、実際にこの金額が導入されると決まったわけではありません。

一方、勤務先で厚生年金に加入する(第2号被保険者になる)場合は、保険料は収入に応じて決まり、労使折半で負担します。将来の年金額に報酬比例部分が上乗せされる代わりに、毎月の手取りから保険料が天引きされる点が、第3号被保険者の時とは大きく異なります。どちらの形になるかによって負担額は大きく変わるため、現時点で「いくら払うことになるか」を一律に断定することはできません。

今からできる準備

  • 結論が出ていない段階で慌てて働き方を大きく変える必要はありません。まずは正確な情報を継続して確認することが大切です。
  • 勤務先の規模や自分の労働時間が、被用者保険の適用拡大の対象になりそうか、勤務先の人事・総務担当に確認しておく。
  • ねんきん定期便やねんきんネットで、自分の年金加入状況を把握しておく。
  • 「第3号被保険者が廃止されるので今すぐ手続きが必要」などとうたう不審な電話やSMSには注意し、心当たりのない連絡は自分で公式窓口に確認する。
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まとめ

  1. 第3号被保険者制度の「廃止」は、2026年9月時点で決定していない。
  2. 2026年9月4日、厚生労働省の検討会が第1回会合を開き、議論が始まった段階。
  3. 法律の附則には「調査研究・検討を行う」とあるのみで、廃止の時期・方法は書かれていない。
  4. 審議会では制度の「縮小」を進める方向性が示されているが、廃止そのものの決定ではない。
  5. 被用者保険の適用拡大(いわゆる106万円の壁の撤廃など)は、働き方によって第3号被保険者から外れる人が増える要因になりうる。
  6. 仮に第1号被保険者になった場合の国民年金保険料は月額17,920円(令和8年度)だが、これは仮定の金額。
  7. 今後の情報は、厚生労働省の検討会の公開資料で継続して確認するのが確実。

よくある質問

第3号被保険者の廃止はいつから始まりますか?

2026年9月時点で、廃止の時期は決まっていません。厚生労働省の検討会は2026年9月4日に第1回会合を開いたばかりで、廃止するかどうかを含めて議論が始まった段階です。

第3号被保険者の廃止はもう決定したのですか?

決定していません。2025年成立の年金制度改正法の附則には、政府が第3号被保険者の実情を調査研究し、その在り方を検討することが定められていますが、これは廃止を決めたものではなく、検討を進めるための規定です。

専業主婦(主夫)の第3号被保険者は今後どうなりますか?

現時点では、第3号被保険者の要件や保険料負担の仕組みは変わっていません。今後の検討会の議論次第で見直される可能性はありますが、具体的な変更内容や時期は示されていません。

パートで働いていますが、第3号被保険者と106万円の壁はどうなりますか?

厚生労働省 資料2によると、短時間労働者の賃金要件(いわゆる106万円の壁)は2026年10月に撤廃予定とされています。撤廃後は、週20時間以上などの労働時間要件によって厚生年金(第2号被保険者)の加入対象になるかどうかが判定されます。勤務先の企業規模によって適用拡大の時期が異なるため、勤務先に確認することをおすすめします。

第3号被保険者でなくなると、保険料はいくら払うことになりますか?

仮に第1号被保険者になった場合、令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円です。勤務先で厚生年金に加入する場合は収入に応じた保険料を労使折半で負担します。どちらになるかは今後の働き方や制度の見直し内容によって変わるため、現時点で一律の金額は決まっていません。

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出典

更新履歴

2026年9月22日:記事を公開しました。

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