協会けんぽの健康保険で被扶養者になっている人には、毎年この時期に「被扶養者資格の再確認」があります。協会けんぽの公式FAQによると、令和8年10月下旬〜11月中旬に被扶養者状況リストが届き、提出期限は令和8年12月11日(金)です。再確認の対象になりやすいのは、令和7年中の課税収入額が130万円以上(60歳以上は180万円以上、19歳以上23歳未満で配偶者でない場合は150万円以上)の人などです。
この記事は、健康保険の扶養に入っているパート・アルバイトの人、家族を扶養に入れている会社員の人に向けて、全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式サイト「被扶養者資格の再確認について」で確認できた内容を、対象者・確認する項目・仕送りの確認・一時的な収入増の特例・提出の流れの順にまとめたものです(2026年10月9日確認)。協会けんぽ以外の健康保険組合などは、加入先の案内で確認してください。
- 被扶養者状況リストは令和8年10月下旬〜11月中旬に届き、提出期限は令和8年12月11日(金)です。再確認の対象者がいない場合、リストは送られません。
- 対象は、令和8年9月19日現在の被扶養者のうち、①健康保険の資格が重複している可能性が高い人、②同居が要件の続柄で、別居している可能性が高い人、③令和7年中の課税収入額が130万円(60歳以上180万円、19歳以上23歳未満の子などは150万円)以上の人です。
- 収入要件の目安は、年収130万円未満(60歳以上または障害厚生年金の受給要件に当たる程度の障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満で被保険者の配偶者でない場合は150万円未満)です。同居の場合は、被保険者の年収の半分未満であることも見られます。
- 別居の場合は、仕送りの事実と金額の確認が必要です。直近1か月分の通帳コピーや現金書留の控えで足ります。
- 人手不足による労働時間延長などで一時的に年収が増えた場合は、事業主の証明書を添えて扶養に残れる特例がありますが、連続2回までです。
被扶養者資格の再確認とは?なぜ毎年行われる
協会けんぽの公式FAQによると、協会けんぽは、前期高齢者納付金および保険給付の適正化を目的に、健康保険法施行規則第50条に基づいて、被扶養者になっている人が現在もその状況にあるかを確認するために、再確認を実施しています。被扶養者(異動)届を出していないと、その被扶養者の分も前期高齢者納付金の算出の対象になるとされています。令和7年度の実施効果として、被扶養者から解除された人は全国で約18.8万人でした。
被扶養者の要件について、昨年の再確認業務からの変更点はありません。
再確認の対象になる人|3つの条件
被扶養者状況リストが送られるのは、令和8年9月19日現在で協会けんぽの被扶養者になっている人のうち、次のいずれかに当たる人です。全員ではなく、扶養解除になる可能性が高い人に限っています。
| 条件 | 内容(協会けんぽの公式FAQ) |
|---|---|
| ①資格の重複 | 健康保険の資格が重複している可能性が高い人 |
| ②別居 | 同居が扶養認定の要件になっている続柄の人のうち、被保険者と別居している可能性が高い人 |
| ③高収入 | 令和7年中の課税収入額が130万円(60歳以上は180万円、19歳以上23歳未満かつ配偶者でない場合は150万円)以上の人。令和8年4月1日時点で18歳未満の人や、令和8年4月1日以降に認定された人は除く |
事業主と被保険者が確認すること|3つの観点
被扶養者状況リストは、事業主から被保険者に対して、次の観点で被扶養者の認定要件を確認してもらい、確認結果を記入して提出します。
| 観点 | 確認する内容と例(公式FAQ) |
|---|---|
| 他の健康保険との重複 | 被扶養者が就職したのに扶養解除の手続きをしていない、同じ被扶養者の名前がリストに重複して記載されている、など。他の健康保険の資格を有していないか、聞き取りを行う。新しい健康保険の資格がある場合は、資格情報のお知らせ等で確認する |
| 同居が必要な続柄の別居 | 配偶者の父母を扶養に入れているが別居している、など。世帯分離で住民票が分かれていても、実態として同居していれば同居の扱いになる |
| 収入要件 | 同居の場合、年収が130万円未満だが被保険者の年収の半分以上である、など |
収入要件の目安
| 扶養認定を受ける人 | 年収の目安(公式FAQ) |
|---|---|
| 原則 | 130万円未満 |
| 60歳以上、またはおおむね障害厚生年金の受給要件に当たる程度の障害者 | 180万円未満 |
| 被保険者の配偶者を除く、19歳以上23歳未満 | 150万円未満 |
自営業の人の年収は、年間総収入から必要経費を差し引いた額です。必要経費は、社会通念上、その所得を得るために明らかに必要な経費に限られ、それ以外の費用は差し引けません。
別居の被扶養者|仕送りの確認が必要な理由と書類
被扶養者と認められるには、主として被保険者の収入によって生活が成り立っていることが必要です。別居の場合は、被保険者と被扶養者の生計が同一ではないため、被扶養者の生活が主に被保険者の収入(仕送り)で成り立っていることを確認する必要があります。仕送りをしていない、被扶養者本人の収入よりも仕送り額が少ないなどの場合は、被扶養者として認められません。
| 疑問 | 公式FAQの回答 |
|---|---|
| 確認できる書類 | 直近の仕送りを行った際の預貯金通帳や、現金書留の控えのコピー(送金者名・受取人名・仕送り額が確認できるもの)など。事業主が確認を行った後の書類の提出は不要 |
| 通帳の関係ない箇所 | 仕送りと関係のない箇所は、マスキング(黒く塗りつぶすなど)する |
| 書類は何か月分? | 直近1か月分で差し支えない |
| 単身赴任で口座を被扶養者と共有している場合 | 給与振込口座の入出金明細を証明書類とする。被保険者の口座から被扶養者が出金していることなどを確認する |
一時的に年収が130万円を超えそうなとき|特例措置と注意点
公式FAQによると、人手不足による労働時間延長などに伴う一時的な収入の増加であれば、扶養解除の必要はありません。その場合は、被扶養者状況リストの「変更なし」にチェックをして、『被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書』を、リストに添付して提出します。
- この特例措置は連続2回までです。一時的に収入が増加している状態が3年連続している場合は、扶養解除の手続きが必要です。
- 基本給が上がった場合や、恒常的な手当が新設された場合など、今後も収入が増えることが確実な場合は、一時的な収入増加とは認められません。
106万円の壁(社会保険の適用拡大)については、106万円の壁は2026年10月に撤廃|パートの社会保険と手取りはどうなるで説明しています。2026年10月から変わるお金の制度の一覧は2026年10月から変わるお金のこと一覧で確認できます。
リストが届いてから提出するまでの流れ
被扶養者の年収が被保険者の年収の半分以上のときは、リストへの記入は行わず、確認書類のコピーを添付し、協会けんぽが総合的に判断すると公式FAQに書かれています。原則として、提出時の添付書類は不要です(一時的な収入変動の事業主証明を除く)。
被扶養者状況リストは、事業主から被保険者に渡され、被保険者が被扶養者の状況を確認して記入します。リストに載っているのは、再確認の対象になった被扶養者だけです。載っていない家族については、このリストでの確認は求められません。
記入では、先に説明した3つの観点(他の健康保険との重複、同居が必要な続柄の別居、収入要件)に当たらないかを、被扶養者ごとに見ていきます。就職して他の健康保険に入っている場合や、収入が基準を超えている場合は、扶養から外れる手続きが必要です。確認結果を記入したリストは、令和8年12月11日(金)までに提出します。
被扶養者の要件は、昨年の再確認から変更がありません。昨年と同じ考え方で確認すれば足ります。提出の前に、家族の就職や収入の変化がなかったかを一度話し合っておくと、記入が進めやすくなります。
被扶養者状況リストを出すときのチェックリスト
- 令和8年10月下旬〜11月中旬に届く被扶養者状況リストを確認する(届かない場合は、再確認の対象者がいない)。
- 被扶養者が就職して、他の健康保険に入っていないか確認する(入っていれば扶養解除の手続きをする)。
- 別居の被扶養者がいるときは、直近の仕送りを確認できる通帳コピー・現金書留の控え等を用意する(関係ない箇所はマスキング)。
- 被扶養者の年収が、130万円未満(60歳以上180万円未満、19歳以上23歳未満150万円未満)かを確認する。同居の場合は、被保険者の年収の半分未満かも確認する。
- 一時的な収入増なら、事業主の証明書を添付する(特例は連続2回まで)。
- 令和8年12月11日(金)までに、事業主を通じて提出する。
よくある質問
協会けんぽの被扶養者資格の再確認はいつ届きますか?
被扶養者状況リストは、令和8年10月下旬〜11月中旬に届きます。提出期限は令和8年12月11日(金)です。再確認の対象者がいない場合は、リストは送られません。
被扶養者の年収の上限はいくらですか?
原則として年収130万円未満です。扶養認定を受ける人が60歳以上、または障害厚生年金の受給要件に当たる程度の障害者の場合は180万円未満、被保険者の配偶者を除く19歳以上23歳未満の場合は150万円未満です。
別居の家族を扶養に入れるには何が必要ですか?
被保険者の収入によって被扶養者の生活が主に成り立っていることを確認するため、仕送りの事実と金額を確認できる書類が必要です。直近の仕送りの通帳コピーや現金書留の控えなどで、直近1か月分で差し支えありません。
一時的に年収が130万円を超えたら扶養から外れますか?
人手不足による労働時間延長などに伴う一時的な収入の増加であれば、扶養解除の必要はありません。事業主の証明書を提出しますが、この特例は連続2回までで、3年連続の場合は扶養解除の手続きが必要です。
世帯分離で住民票が別でも同居として扱われますか?
実態として同居していれば、同居の扱いになります。
出典
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「被扶養者資格の再確認について」(2026年10月9日確認)
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
