突然解雇されたら|解雇予告は30日前・予告なしなら平均賃金30日分の手当、20日前なら不足10日分

突然解雇されたら|解雇予告は30日前・予告なしなら平均賃金30日分の手当、20日前なら不足10日分

厚生労働省の「確かめよう労働条件」Q&Aによると、労働基準法では、会社が労働者を解雇しようとする場合、原則として少なくとも解雇日の30日前に解雇の予告をする必要があります。予告をしないで即日に解雇する場合は、平均賃金30日分以上の手当(解雇予告手当)の支払いが必要です。解雇する日までに30日以上の余裕がないときは、解雇の予告をしたうえで、30日に足りない日数分の解雇予告手当を支払う必要があります(労働基準法20条)。こうした手続きがとられていない場合は、労働基準法上の問題になる可能性があります。

この記事は、会社から突然「明日から来なくていい」「来月で辞めてほしい」と言われた人に向けて、「確かめよう労働条件」のQ&A(解雇予告・解雇予告手当・解雇理由証明書に関する項目)で確認できた内容を、30日前の予告・予告手当の考え方・例外・解雇理由の証明書の順にまとめたものです(2026年10月9日確認)。解雇が有効かどうか(解雇の理由が正当かどうか)は、この記事の対象ではありません。個別の判断は、労働局や労働基準監督署などの相談窓口で確認してください。

先に結論
  • 会社は、原則として、解雇日の少なくとも30日前に予告する必要があります。
  • 予告をしないで即日解雇するなら、平均賃金30日分以上の解雇予告手当が必要です。
  • 予告が20日前なら、足りない10日分の解雇予告手当を請求できます(1日分の平均賃金を払えば、その日数だけ予告期間を短縮できます)。
  • 日雇労働者、契約期間2か月以内の人、4か月以内の季節労働者、試用期間中の人(14日間)などは、例外に当たる場合がある一方、一定期間を超えて使われているときは予告等が必要です。
  • 解雇予告から退職日までの間に請求すれば、会社は解雇理由証明書を遅滞なく交付する必要があります。
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目次

解雇予告とは?30日前の予告と予告手当の関係

Q&Aの説明を整理すると、次のようになります。

状況会社がしなければならないこと(労基法20条)
解雇日の30日以上前に予告した予告期間を置けば足りる(予告手当は不要)
予告せず、即日に解雇する平均賃金30日分以上の解雇予告手当を支払う
予告したが、解雇日まで30日に満たない解雇の予告をしたうえで、30日に不足する日数分の解雇予告手当を支払う

Q&Aによると、解雇予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合は、その日数を短縮できるとされています(労基法20条2項)。つまり、予告手当と予告期間は組み合わせることができます。

20日前に予告された場合の考え方

Q&Aに、次の例があります。20日前に予告された場合は、予告日から解雇日までが20日しかないため、30日に満たない10日分の解雇予告手当を、使用者に請求できます。

予告期間の数え方

Q&Aによると、解雇予告の期間の計算について、労働基準法に特別な規定はなく、民法の一般原則により、予告がされた日は算入されず、その翌日から計算します。30日は暦日で数えます。例として、9月30日に解雇する(その日の終了をもって効力が生じる)ためには、遅くとも8月31日には予告が必要とされています。

解雇予告手当はいつ払われるか

Q&Aに引用されている解釈例規では、即時解雇の場合の30日分の平均賃金は、解雇の申渡しと同時に支払うべきものとされています(昭23.3.17基収第464号)。

予告も予告手当も不要になる場合|2つの例外

例外1:対象労働者(①〜④)

解雇しようとする労働者が、次の表の①〜④に当たる場合は、解雇日の30日前に予告することや、解雇予告手当を支払うことなく、即時に解雇できます。ただし、表の右の期間を超えて引き続き使われることになった場合は、解雇の予告等が必要です。

対象労働者右の期間を超えて引き続き使用されたとき(予告等が必要)
①日雇労働者1か月
②契約期間が2か月以内の人所定の期間
③契約期間が4か月以内の季節労働者所定の期間
④試用期間中の人14日間

例外2:労働基準監督署長の認定を受けた場合

天災事変等のやむを得ない事情で事業を続けられなくなった場合や、労働者の側に即時に解雇されてもやむを得ない事情がある場合には、あらかじめ所轄の労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)を受けることにより、30日前の予告や予告手当なしで、即時に解雇できます。除外事由があるかどうかは、労働基準監督署長の認定が必要です(労基法20条3項)。

「労働者の責めに帰すべき事由」について、Q&Aは、監督署での認定の基準として、次の例を挙げています。

  • 会社内での窃盗、横領、傷害など刑法犯に当たる行為があった場合
  • 賭博や職場の風紀・規律を乱す行為で、他の労働者に悪影響を及ぼす場合
  • 採用条件の要素となる経歴を詐称した場合
  • 他の会社へ転職した場合
  • 2週間以上、正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
  • 遅刻・欠勤が多く、数回にわたって注意を受けても改めない場合

Q&Aによると、認定にあたっては、個々の例示にこだわらず総合的かつ実質的に判断することとされ、就業規則等に定められた懲戒解雇事由にも拘束されないとされています。

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解雇の理由を書面でもらう|解雇理由証明書

解雇予告を受けたものの、理由の説明が明確でないときは、解雇理由証明書を請求できます。Q&Aには、次のように書かれています。

  • 使用者は、解雇予告の日から退職の日までの間に、労働者から解雇の理由を記載した証明書の交付を請求された場合は、遅滞なく証明書を交付しなければならない(労基法22条2項)。
  • 請求したのに交付されない場合は、労働基準監督署に相談する。
  • 解雇の理由は具体的に示す必要がある。就業規則の条項に該当する事実を理由とする解雇の場合は、その条項の内容と、該当するに至った事実関係を書く必要がある。
  • 使用者は、労働者が請求しない事項を証明書に書いてはならない。
  • 厚生労働省から、モデル解雇理由証明書の様式が示されている。

解雇予告の期間が過ぎたあとでも、使用者が証明書を交付する義務は変わりません。この場合、労働者は改めて請求する必要はないとされています。解雇予告期間中に請求しないまま解雇の日を過ぎた場合も、退職の事由(解雇の場合は理由を含む)についての証明書を求めれば、使用者は遅滞なく交付する必要があります(労基法22条1項)。解雇予告のあと、労働者が解雇以外の理由で自ら退職したときは、その日以後、解雇の理由の証明書を交付する必要はありません。

退職を勧められたとき|同意すると退職の効力が生じる

解雇ではなく「退職勧奨」(会社から退職を勧められること)の場合は、扱いが変わります。同じ「確かめよう労働条件」のQ&Aによると、理不尽な退職勧奨だと思えば、それを拒絶することもできます。やむなく同意した以上は、退職としての効力が発生します。

離職票の離職理由が、事実と異なる「自己都合退職」になっている場合の失業給付への影響も、Q&Aで説明されています。会社都合退職の場合は、7日間の待機期間のあとに給付が始まるのに対し、自己都合退職の場合は、7日間の待機期間のあとに1か月の給付制限期間があります(退職日が令和7年3月31日以前の場合は、原則2か月)。事実と異なる記載があるときは、公共職業安定所(ハローワーク)に対して、離職票の離職理由に異議を述べ、退職に至った状況を説明することになります。解雇なのか退職勧奨なのかで手続きが変わるため、会社から言われた内容を日付とあわせてメモしておきましょう。

突然の解雇を告げられたときのチェックリスト

  1. いつ、誰から、どんな言い方で解雇を告げられたかを、日付とあわせてメモする。
  2. 解雇の日(最後の勤務日)と、予告を受けた日の間が、30日あるか確認する。足りなければ、不足日数分の予告手当を請求できる。
  3. 自分が例外①〜④(日雇・短期契約・季節労働者・試用期間中)に当たるか、当たる場合は右の期間を超えて使われていないかを確認する。
  4. 解雇の理由が明確でなければ、解雇理由証明書を請求する(解雇予告の日から退職日までの間に請求すれば、遅滞なく交付される)。
  5. 解雇予告手当や証明書が出ない場合は、労働基準監督署に相談する。夜間・休日は、労働条件相談ほっとライン(0120-811-610、平日17〜22時・土日祝9〜21時)も使える。
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よくある質問

解雇予告は何日前までにしなければなりませんか?

原則として、少なくとも解雇日の30日前に解雇の予告をする必要があります。解雇予告をしないで即日に解雇する場合は、平均賃金30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要です。

20日前に予告された場合はどうなりますか?

予告日から解雇日までが20日しかないため、30日に満たない10日間について、不足日数分の解雇予告手当を使用者に請求できます。

予告手当はいつ払われますか?

解釈例規では、即時解雇の場合の30日分の平均賃金は、解雇の申渡しと同時に支払うべきものとされています。

試用期間中でも解雇予告は必要ですか?

試用期間中の人は、解雇日の30日前の予告や解雇予告手当なしで即時に解雇できる対象に挙げられています。ただし、14日間を超えて引き続き使用されることになったときは、解雇の予告等が必要です。

解雇の理由を書面でもらえますか?

解雇予告の日から退職の日までの間に請求すれば、使用者は解雇の理由を記載した証明書を遅滞なく交付しなければなりません。請求したのに交付されない場合は、労働基準監督署に相談します。

出典

更新履歴

  • 2026年10月9日:記事を公開しました。
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