令和8年熊本地震で、農機具、ハウス、畜舎、加工施設などが被害を受けた農家に向けた記事です。熊本県の「令和8年熊本地震営農再開支援事業」では、農業用機械・施設等の再取得・修繕に、県2/10・市町村2/10・国5/10(合計で最大9/10)を補助します(園芸施設共済に未加入のハウス等は異なります)。熊本県の「被災農林畜水産業の皆様への支援対策一覧」(2026年9月18日更新)で確認できた内容を、2026年10月9日現在でまとめます。
補助率や対象は、事業・施設の種類、共済の加入状況、市町村によって異なります。この記事は、制度の入口の整理です。申請の前に、市町村の農政担当課や、県の農業普及・振興課で確認してください。
- 農業用機械・施設等の修繕・再取得:県2/10・市町村2/10・国5/10(園芸施設共済加入のハウス等は共済金の国費相当額と合わせて5/10、未加入は1/10〜最大3/10)。
- 申請は市町村へ。被害を受けた旨の市町村長の証明が必要です。
- つなぎ資金:災害関連資金は貸付当初5年間の金利負担軽減、農業近代化資金は債務保証料を5年間免除。
- 農地・農業用施設の災害復旧(国50%・65%等)、畜産・果樹・い草の支援なども別にあります。
- 問い合わせは、県 担い手支援課 096-333-2382、県の金融相談窓口 096-333-2371。
営農再開支援事業|農業用機械・施設等の復旧
| 項目 | 内容(熊本県の資料) |
|---|---|
| 事業名 | 令和8年熊本地震営農再開支援事業(農業用機械・施設等復旧支援)。国の事業名は「農地利用効率化等支援事業(被災農業者支援タイプ)」 |
| 事業内容 | 令和8年熊本地震により被害を受けた、農業用機械・施設等の再取得・修繕等に対する経費 |
| 支援内容 | (1)農畜産物の生産・加工に必要な施設とその附帯施設、農業用機械・加工用機械とその附帯設備等の再取得・修繕に係る費用の補助(2)被災した営農施設等の補強(3)被災施設等の撤去・土砂撤去 |
| 支援対象者 | 令和8年熊本地震により農業用機械・施設等に被害を受け、その旨の証明を市町村長から受けた農業者等(補強の対象者は、あわせて地域計画の目標地図に位置付けられた者) |
| 事業実施主体 | 市町村(被災農業者→市町村→県→国の流れで申請、補助は逆の流れ) |
負担割合
| 区分 | 県 | 市町村 | 国 |
|---|---|---|---|
| (1)農業用機械・施設の修繕・再取得 | 2/10以内(市町村と同率を補助) | 2/10以内 | 5/10以内(園芸施設共済加入者は、共済金の国費相当額と合わせて5/10以内。共済未加入の場合は1/10〜最大3/10。共済加入の場合は、補助金と支払い共済金を併せて復旧) |
| (2)被災した営農施設の補強 | 2/10以内(上限200万円) | 2/10以内 | 3/10以内(上限300万円)。成果目標付加価値額の拡大が必要。事業費50万円以上 |
| (3)被災施設等の撤去・土砂撤去 | 2.5/10以内(市町村と同率を補助) | 2.5/10以内 | 3/10以内。園芸施設共済加入者は共済金の国費相当額と合わせて5/10以内。ただし、別途定める上限単価以内 |
修繕等の事前着工については、支援対象者ごとに、施設等の被害の状況が分かる書きものや写真等、事業の対象となる取組に係る発注書、納品書、請求書などの書類を保存するよう、県の資料に書かれています。問い合わせは、熊本県農林水産部生産経営局 担い手支援課(096-333-2382)です。
つなぎ資金・融資
| 対象 | 内容(熊本県の支援対策一覧) |
|---|---|
| 被災農業者 | 災害関連資金(農業近代化資金、農林漁業セーフティネット資金、農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)等)の借入金について、当初5年間の金利負担軽減(ただし、2%を上限)。農業近代化資金等の借入れ時の債務保証に係る保証料について、当初5年間免除。金利負担軽減と保証料免除は、激甚災害指定後に、事業の対象災害として国が指定済みであることが条件。被災農業者であること(市町村長による被災の証明)も必要。問い合わせ:農業近代化資金は最寄りのJAバンク等、農林漁業セーフティネット資金・農業経営基盤強化資金は日本政策金融公庫相談窓口 096-353-3104 |
| 被災農林漁業者(県の事業) | 「農林漁業災害対策資金(令和8年熊本地震被害分)」:運転資金、貸付限度額1,000万円、償還期間10年以内(うち据置期間3年以内)、利率4.00%(令和8年8月20日時点。農業近代化資金の基準金利、ただし上限4.00%)。県、市町村、金融機関が5:2:3の割合で利子補給を行うため実質無利子(利子補給期間は貸付実行日から5年以内)。令和9年3月31日までに利子補給承認を受け、令和9年6月30日までに融資実行すること。対象は、市町村長による被災の証明を受けた農林漁業者で、収入保険等のセーフティネットに加入している者(未加入の場合は今後の加入誓約が必要)。問い合わせ:熊本県農林水産部団体支援課 096-333-2371 |
| 被災林業者 | 災害関連資金について、貸付当初10年間の金利負担軽減。債務保証料を引受当初5年間免除 |
| 被災漁業者 | 災害関連資金について、貸付当初5年間の金利負担軽減(利子助成は発災後から適用) |
| 被災農林漁業者 | 運転資金の融通による金利支援。日本政策金融公庫の農林漁業セーフティネット資金の融通による金融支援。県と市町村と金融機関の利子補給により、貸付当初5年間の金利負担軽減。施設復旧資金の融通による金融支援(被災農業者・被災漁業者) |
日本政策金融公庫の農林漁業者向け特例(限度額の引上げ、利子助成、実質無担保・無保証人)は、お金が必要なのにどこからも借りれない時の最終手段と公的支援のほか、公庫の特別措置の記事でも整理しています。熊本県の金融相談窓口は、県農林水産部団体支援課 096-333-2371です。
そのほかの支援(県の一覧から)
| 分野 | 支援の内容(補助率等) |
|---|---|
| 果樹園 | 病害の発生・まん延防止:国の定額(25,000円/10a以内)。樹勢回復:国の定額(28,000円/10a以内)。花粉確保:県の定額(5,500円/人日以内) |
| いぐさ・畳表 | 原草・織機等の輸送:国の定額(いぐさ原草7,000円/t以内、機械5,500円/人日以内)。製織作業の共同実施:国1/2以内、県1/2以内。原草・織機等の保管、作業場の確保:県1/2以内 |
| 営農再開に必要な資材の調達、作物残さの撤去等 | 資材の調達等支援1/2以内、栽培環境整備(定額・1/2以内)、土づくり(定額)、リース方式による農業機械等の導入(定額)、収穫・調整作業(定額) |
| 畜産 | 被災畜舎の補改修、土砂・がれき等の撤去、家畜の緊急避難、繁殖雌畜の再導入、停電対策、乳房炎対策(乳牛のみ)等:国の定額、1/2以内。死亡した家畜等の化製処理等:県1/2以内。畜舎等の整備、家畜導入、機械導入:国1/2以内 |
| 共同利用施設・卸売市場 | 集出荷施設の仮復旧等:国1/2以内。共同利用施設の再取得・修繕・撤去等:国1/2以内、県1/4以内。卸売市場施設:国1/2、県1/4 |
| 農地・農業用施設 | 農地:国50%。農業用施設:国65%(激甚指定の場合はかさ上げ措置あり。ただし、被災状況等により補助率は異なる)。応急措置・小規模補修:多面的機能支払交付金(国1/2、県1/4、市町村1/4)。地すべり防止施設、農村生活環境施設、鳥獣被害防止施設等の復旧 |
林業(山地崩壊の復旧、林道の復旧、木材加工流通施設の復旧、コンテナ苗生産基盤施設の復旧など)や水産業の支援も、同じ一覧にあります。詳細は、県の「R8熊本地震による被災農林畜水産業の皆様への支援対策一覧」(全46ページ)を確認してください。
相談窓口
- 営農の相談:最寄りの各広域本部・地域振興局の農業普及・振興課(連絡先一覧は、熊本県のページから)。
- 営農再開支援事業(農業用機械・施設等復旧支援):熊本県 農林水産部 生産経営局 担い手支援課 096-333-2382。
- 金融の相談:熊本県 農林水産部 団体支援課 096-333-2371。
- 全体:熊本県 農林水産部 農林水産政策課 政策班 096-333-2364。
よくある質問
熊本地震で農業用機械やハウスが壊れました。補助はありますか?
熊本県の「令和8年熊本地震営農再開支援事業(農業用機械・施設等復旧支援)」(国の事業名は農地利用効率化等支援事業(被災農業者支援タイプ))があります。農畜産物の生産・加工に必要な施設とその附帯施設、農業用機械・加工用機械とその附帯設備等の再取得・修繕に係る費用を補助します。対象は、令和8年熊本地震により被害を受け、その旨の証明を市町村長から受けた農業者等です。
補助率はどのくらいですか?
熊本県の支援対策一覧では、農業用機械・施設等の修繕・再取得は、県が2/10以内(市町村と同率を補助)、市町村が2/10以内、国が5/10以内です。園芸施設共済に加入している場合は、共済金の国費相当額と合わせて5/10以内、共済に未加入の場合は1/10〜最大3/10とされています。被災した営農施設等の補強は、国が3/10以内(上限300万円)、県が2/10以内(上限200万円)で、事業費50万円以上、成果目標付加価値額の拡大が必要です。
申請の窓口は?
事業の実施主体は市町村です。流れは、被災農業者が市町村に申請し、市町村が県に、県が国に申請する形で、補助は国→県→市町村→被災農業者の順に届きます。まず、被害を受けた施設がある市町村の農政担当課に相談してください。県の担い手支援課(096-333-2382)でも問い合わせを受け付けています。
修理を先に始めてもいいですか?
熊本県の資料には、修繕等の事前着工については、支援対象者ごとに、施設等の被害の状況が分かる書きものや写真等、事業の対象となる取組に係る発注書、納品書、請求書などの書類を保存するよう書かれています。市町村によって対応が異なる場合があるため、着手前に、市町村の農政担当課に確認してください。
つなぎ資金や融資の支援はありますか?
熊本県の支援対策一覧によると、被災農業者の運転資金・施設復旧資金について、災害関連資金は貸付当初5年間の金利負担軽減、農業近代化資金は債務保証料を引受当初5年間免除、とされています。日本政策金融公庫の農林漁業セーフティネット資金等による金融支援(県と市町村と金融機関の利子補給により貸付当初5年間の金利負担軽減)も掲げられています。熊本県の金融相談窓口は、県農林水産部団体支援課(096-333-2371)に設置されています。
農地や農業用施設そのものの復旧は?
農地・農業用施設災害復旧事業(農地は国50%、農業用施設は国65%。激甚災害の指定の場合は、かさ上げ措置あり。ただし、被災状況等により補助率は異なる)のほか、多面的機能支払交付金による、応急措置や小規模な被災箇所の補修・復旧(国1/2、県1/4、市町村1/4)などが、県の支援対策一覧に載っています。詳細は、市町村や県の農業普及・振興課に確認してください。
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出典
- 熊本県「令和8年熊本地震により被災された農林畜水産業の皆様への支援対策について」(2026年9月18日更新)
- 熊本県「R8熊本地震による被災農林畜水産業の皆様への支援対策一覧」(PDF、目次と営農再開支援事業のページを確認)
- 写真:Raita Futo(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)。阿蘇の水田の写真で、今回の被害を写したものではありません。トリミングし、文字を加えるなど加工しています。
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
