お金貸してくださいとSNSで頼む前に|個人間融資の危険と貸金業法・出資法のルール

お金貸してくださいとSNSで頼む前に|個人間融資の危険と貸金業法・出資法のルール

「お金貸してください」とSNSや掲示板で頼ろうとしている人は、すぐにお金が必要な状況にあるはずです。しかし、見知らぬ相手とのお金の貸し借りには、個人を装ったヤミ金融の被害が報告されています。この記事では、金融庁、日本貸金業協会、法テラスの案内と、貸金業法・利息制限法・出資法の条文をもとに、個人間融資の危険、断るべき相手の見分け方、借りてしまった後の対処、公的な相談先を整理します。

先に結論
  • SNSや掲示板の個人間融資では、個人を装ったヤミ金融により、違法な高金利、脅し、個人情報の悪用、保証料を振り込ませて連絡を絶つ詐欺などが起きています(金融庁・日本貸金業協会)。
  • 個人でも反復継続して貸すなら貸金業の登録が必要で、無登録営業と勧誘には罰則があります(貸金業法3条・11条・47条)。
  • 先に保証料や手数料を要求する相手は断ってください。正規の貸金業者が融資を前提に金銭の支払いを要求することはありません。
  • ヤミ金からの貸付けは無効で、元金も返済不要と法テラスは説明しています。弁護士・司法書士や警察に相談してください。
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目次

「お金貸してください」と書き込むと、どんな相手が来るか

金融庁は、SNSやインターネット掲示板などで、個人間での金銭の貸し借りをうたった書き込みがなされている実態があると注意を呼びかけています。日本貸金業協会は、個人間融資を「SNSなどを通じて見知らぬ人同士が知り合い、金銭の貸し借りを行うもの」と説明し、個人を装ったヤミ金融をめぐって、次のようなトラブルが発生しているとしています。

  • 融資の条件として、性的な要求をされた
  • 高額な利息の支払いを求められ、返済が困難になった
  • 返済が困難になると、暴力をちらつかせて脅された
  • 先に保証料を振り込んだら、連絡が取れなくなった

金融庁も、個人を装ったヤミ金融業者により違法な高金利での貸付けが行われるほか、個人情報が悪用されるなどして、さらなる犯罪被害やトラブルに巻き込まれる危険性があると説明しています。お金に困っている人ほど、「すぐ貸します」という返信に頼りたくなりますが、相手の素性が分からない取引では、身分証の画像や勤務先、家族の連絡先などを渡した時点で、返済が遅れたときに脅しに使われるおそれがあります。個人間融資の違法性の全体像は給与ファクタリング・個人間融資は違法?で解説しています。

お金を貸す側に必要な登録と、法律上の上限

金融庁によると、個人であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは、貸金業法上の「貸金業」に該当します。貸金業を営むには、国または都道府県の登録を受ける必要があります。さらに、不特定多数が閲覧できるSNS等で「お金を貸します」「融資します」などと書き込んで契約の締結を勧めることは、貸金業法が禁じる「貸金業を営む目的をもって、貸付けの契約の締結について勧誘をすること」に当たるおそれがあり、無登録営業と無登録業者による勧誘は、いずれも罰則の対象になります。関係する主な条文は次のとおりです。

法令内容
貸金業法3条1項貸金業を営もうとする者は、国(内閣総理大臣)または都道府県知事の登録を受けなければならない
貸金業法11条登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。また、貸金業を営む旨の表示や広告をすること、貸金業を営む目的で貸付けの契約の締結について勧誘をすることもしてはならない
貸金業法47条11条1項に違反した者は、10年以下の拘禁刑もしくは3000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する
利息制限法1条元本が10万円未満は年2割、10万円以上100万円未満は年1割8分、100万円以上は年1割5分を超える利息の契約は、その超過部分が無効
出資法5条業として金銭の貸付けを行う者が年20%を超える利息の契約をしたときは、5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する(年109.5%を超える場合は10年以下の拘禁刑もしくは3000万円以下の罰金)

貸金業法2条1項は、貸金業を「金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介で業として行うもの」と定めています。ですから、親族や友人に一度だけ頼む場合と、SNSで不特定の人に貸付けを持ちかける場合とでは、法律上の位置づけが異なります。ただし、親族や友人からの借入れでも、利息制限法の上限は適用されます。「貸します」と名乗る見知らぬ相手が、登録業者かどうかは貸金業者の登録を確認する方法で解説しています。

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断るべき相手の見分け方

日本貸金業協会は、貸金業登録を受けずに業として貸付けを行う者は「ヤミ金融」であり、お金を借りるときは、相手が財務局長または都道府県知事の登録を受けているかどうかを必ず確認するよう呼びかけています。登録業者かどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」や、日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051)で確認できます。次のような相手は、断ってください。

  • 先に保証料や手数料を振り込ませる:日本貸金業協会は、SNS等の投稿で貸付けの勧誘を行い、保証金などの名目で電子マネーへのチャージや現金の振込みをさせた後、融資を実行しないまま連絡を絶つ手口があるとし、正規の貸金業者が融資を前提に金銭の支払いを要求することはない、と説明している
  • 登録番号を示さない、聞いても答えない:貸金業法11条2項は、登録を受けない者が貸金業を営む旨の広告や勧誘をすることを禁じている(「審査なし」広告のルール)
  • 法定の上限を超える利息を求める:出資法5条は、業として貸し付ける者が年20%を超える利息の契約をすることを処罰の対象にしている

同協会は、「甘いキャッチフレーズは怪しいと思う」「うまい話は疑ってみる」「おかしいと思ったら信頼できる機関にすぐ相談」を、被害に遭わないための心得として挙げています。

すでに連絡した・借りてしまったときの対処

法テラスは、ヤミ金を、貸金業の登録をせずに営業を行う業者や、出資法に定める金利以上の金利で貸付けを行う違法業者のことだと説明しています。ヤミ金からの貸付けは無効で、元金についても返済する必要はありません。不法の原因で給付をした者は給付した物の返還を請求できないとする不法原因給付(民法708条)の規定により、法律上、返還義務がないと考えられるからです。ただし、ヤミ金融業者は、自らの貸付けや取立てが違法であることを知りながら行っているため、一般の人が自分だけで対処することは難しく、至急、弁護士・司法書士や警察等に相談するべきだとされています。

口座に借りた覚えのないお金を振り込まれ、利息を含めた返済を求められる場合は、ヤミ金の手口の一つである「押しつけ融資」と考えられ、この場合も元金を返済する必要はない、と法テラスは説明しています。すでに返済してしまった分については、利息、元本を問わず全額を損害として賠償請求できるとされています。詳しい対処法はヤミ金とは?で整理しています。相談先は次のとおりです。

相談先電話番号など案内された内容
金融庁 金融サービス利用者相談室0570-016811(平日10時〜17時)金融庁が「SNS等を利用した個人間融資」の注意喚起ページに載せている相談窓口
警察相談専用電話#9110金融庁の同ページに載っている。日本貸金業協会も「困ったときの相談先」に載せている
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター0570-051-051(9時〜17時、土日祝休日・年末年始を除く)登録業者かどうかの確認や、ヤミ金融についての相談
消費者ホットライン188最寄りの消費生活相談窓口につながる

お金に困ったときの、公的な選択肢

日本貸金業協会は、生活資金等でお困りの人は、お住まいの地域の自立相談支援機関や社会福祉協議会に相談するよう案内しています。社会福祉協議会が行う生活福祉資金貸付制度のうち、緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用で、厚生労働省の資料では、10万円以内、無利子、連帯保証人は不要とされています(生活福祉資金・緊急小口資金の解説)。ただし、貸付けの決定には償還可能性の有無などが考慮され、すぐに借りられる制度ではありません。

すでにカードローンや消費者金融の返済があり、「お金貸してください」と頼らざるを得ない状況なら、借金そのものを整理する方法があります。任意整理、個人再生、自己破産などの違いは債務整理4種類の違いで、無料で相談できる窓口はJCCOの無料借金相談で解説しています。法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時)でも相談できます。「審査なしで貸す」「ブラックでも借りられる」とうたう業者や、給与ファクタリングには頼らないでください。

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支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。

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まとめ

  1. 見知らぬ相手との個人間融資では、個人を装ったヤミ金融による被害が起きている。
  2. 個人でも反復継続して貸す場合は貸金業の登録が必要。無登録営業と勧誘は罰則の対象(貸金業法11条・47条)。
  3. 利息制限法1条の上限(年2割・1割8分・1割5分)を超える利息の部分は無効。出資法5条は高金利を処罰する。
  4. 先に保証料を求める相手は断る。借りてしまったら、至急、弁護士・司法書士や警察等に相談する。
  5. 困ったときは社会福祉協議会・自立相談支援機関、借金の整理は法テラスやJCCOへ。

よくある質問

SNSで「お金貸してください」と書き込むのは、違法ですか?

借りる側の書き込みそのものを処罰する規定は、この記事で参照した条文には含まれていません。問題は返信してくる相手です。金融庁は、個人を装ったヤミ金融業者により違法な高金利での貸付けが行われ、個人情報が悪用されるなどの危険があると注意しています。

個人間融資でお金を貸す人は、登録が必要ですか?

金融庁によると、個人であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは貸金業に該当し、国または都道府県の登録が必要です。登録を受けずに貸金業を営むと、貸金業法47条により、10年以下の拘禁刑もしくは3000万円以下の罰金などの罰則があります。

見知らぬ人から借りた後、利息が高すぎる場合は払うべきですか?

利息制限法1条により、元本10万円未満は年2割、10万円以上100万円未満は年1割8分、100万円以上は年1割5分を超える部分の利息の契約は無効です。ヤミ金の貸付けは無効で元金も返済不要と法テラスは説明しており、至急、弁護士・司法書士や警察等に相談するよう案内しています。

先に保証料を振り込めば貸すと言われました。払ってよいですか?

払わないでください。日本貸金業協会は、保証金などの名目で金銭を振り込ませた後、融資を実行しないまま連絡を絶つ手口があり、正規の貸金業者が融資を前提に金銭の支払いを要求することはない、と説明しています。

どこにも貸してもらえないとき、頼れる公的な窓口はありますか?

日本貸金業協会は、生活資金等で困っている人に、地域の自立相談支援機関や社会福祉協議会への相談を案内しています。借金の返済で苦しい場合は、法テラスやJCCOなどで債務整理の相談ができます。

出典

更新履歴

2026年10月9日:記事を公開しました。

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