保険料調整制度は、新たに健康保険・厚生年金保険の加入対象となった短時間労働者(パート・アルバイトなど)の保険料負担を、勤務先が一時的に一部負担して通算3年間軽くする制度で、2026年10月1日に始まりました。
使うかを決めて日本年金機構に申し出るのは勤務先(事業主)で、パート本人が申請すれば軽くなる制度ではありません。対象は従業員数50人以下の企業などで働く人で、すでに短時間労働者が加入対象の会社(被保険者51人以上の特定適用事業所など)で働く人は、10月から新たに加入しても対象外です。
- 申し出るのは事業主。開始の手続きは、事業主が「保険料調整開始申出書」を日本年金機構に提出することです。本人がすることは、勤務先が使うかの確認です。
- 対象は、従業員数50人以下の企業などで新たに社会保険の加入対象となった短時間労働者のうち、標準報酬月額12.6万円以下の人(月収13万円未満)。2026年10月1日時点ですでに特定適用事業所の会社と、9月30日以前からの任意特定適用事業所は対象外です。
- 期間は、事業主が申し出た月から通算3年間。3年は事業所単位で数え、途中から加入した人は残りの期間だけです。3年目は軽減の割合が1・2年目の半分になります。
- 軽減されても、将来受け取る年金額は減りません(日本年金機構)。賞与にかかる保険料は、この制度の対象外です。
返済のために借りる前に、借金を減らせるか確認しませんか
次のどれかに当てはまるなら、新しく借りるより先に、弁護士に借金の減額を相談する方法があります(債務整理)。
- 毎月返しているのに、元金がほとんど減らない
- 返済のために、別の会社から借りている
- 支払いが遅れて、督促の電話やSMSが来ている
ライズ綜合法律事務所の減額相談は、借入金額などの質問に答えるだけで申し込めます。相談は無料で、匿名でも申し込めます。家族や知人に知られないよう配慮して対応すると案内されています。
※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
保険料調整制度とは?いつから始まった?
日本年金機構の特設ページ「保険料調整制度のご案内」(2026年9月11日更新)は、対象の事業所の事業主が被保険者の保険料を一時的に一部追加負担し、対象の被保険者の健康保険・厚生年金保険の保険料負担を通算3年間軽減できる制度、と説明しています。同機構のチラシには「2026年10月1日から」と書かれています。

事業主が追加負担した分は、あとで差し引かれる
日本年金機構によると、事業主が追加負担した保険料は、いったん納付したあと3か月後の保険料額から差し引かれ(還付)、最終的に事業主が納付する保険料は増えないとされています。ただし、納付期限(翌月末)までに納付せず、督促状の指定する期限までにも納付しなかった場合は、その月の追加負担分は還付されません。
厚生労働省の「社会保険の加入対象の拡大について」は、事業主が追加負担した分について、全額を制度全体で支援する、と説明しています。
「106万円の壁」の撤廃とは別の話
月額8.8万円以上という賃金要件(いわゆる106万円の壁)は、2026年10月1日に撤廃されました(施行期日を定める政令〔令和8年政令第275号〕、2026年9月11日公布)。これは加入の入口の話で、保険料調整制度は加入したあとの負担を軽くする別の仕組みです。賃金要件の撤廃で新たに加入する人でも、勤務先がすでに特定適用事業所(被保険者51人以上の会社など)なら、この制度の対象外です。2026年10月から使えるのは10月1日以降に任意特定適用事業所になった会社で、適用拡大で対象になる会社は2027年10月以降です。経緯は106万円の壁の記事で整理しています。
保険料調整制度の「誰が・何を・いつまで」早見表
手続きの主役は事業主で、本人が申請書を出す形ではありません。日本年金機構の資料から表にまとめました。
| 誰が | 何を | いつまで | 出典 |
|---|---|---|---|
| 事業主 | 「保険料調整開始申出書」を日本年金機構に提出する(事務センターへ郵送、または年金事務所へ郵送・窓口持参。電子申請は不可)。健康保険組合に加入している場合は、組合にも同時に提出が必要 | 制度の利用が可能となった日から2年を経過した日が属する月の前月まで。例として、2026年10月に任意特定適用事業所となった事業所は2028年9月まで | パンフレット、「対象となる事業所・申出期限」 |
| 事業主 | 被保険者負担分とあわせて、事業主負担分と追加負担額を納付する。追加負担分は3か月後の保険料額から差し引かれる(還付) | 納付期限(翌月末)まで | 「事業主が追加負担した保険料(保険料軽減額)の還付」 |
| 対象の短時間労働者(本人) | 勤務先が制度を使うかを確認する。希望した一部の人だけが利用することはできない | 事業主が申出期限内に申し出た場合に、申出のあった月から | 「対象となる被保険者」 |
| 軽減の期間 | 事業主が制度の利用を申し出た月から、通算3年間が経過する月まで軽減される。3年は事業所単位で、途中から加入した人は残りの期間だけ。2026年10月から利用した事業所の例では、2029年9月分の保険料まで | 通算3年間。事業主の申出で途中でやめることはできない(自動停止される場合はある) | パンフレット、「保険料調整制度とは」 |
制度の利用開始月は、申出書が受け付けられた日が属する月で、期間をさかのぼって利用することはできません。
保険料調整制度の対象は?事業所と本人の条件
対象の事業所
日本年金機構の「対象となる事業所・申出期限」によると、次の(1)〜(4)のいずれかに当てはまる事業所が対象です。

- (1)2026年10月1日〜2035年9月30日までに、任意特定適用事業所(労使の合意で、任意に短時間労働者を社会保険の加入対象とした事業所)となった事業所
- (2)2027年10月1日以降の社会保険の適用拡大で、特定適用事業所となった事業所
- (3)(4)個人事業所の条件は、同ページをご覧ください
(2)の対象時期は、厚生年金保険の被保険者数で次のとおりです。
| 対象時期 | 対象の事業所(厚生年金保険の被保険者数) |
|---|---|
| 2027年10月〜 | 36〜50人 |
| 2029年10月〜 | 21〜35人 |
| 2032年10月〜 | 11〜20人 |
| 2035年10月〜 | 10人以下 |
次のいずれかに当てはまる事業所は、(1)〜(4)に該当しても対象外です。
- 2026年10月1日の時点で、すでに特定適用事業所(任意特定適用事業所を含む)となっている事業所。
- (1)〜(4)に該当する前に、被保険者数が常時51人以上となった事業所
対象の本人
パンフレットによると、次の4つの条件にすべて当てはまる短時間労働者が対象です。
- 対象の事業所で勤務している
- 標準報酬月額が12.6万円以下(月収13万円未満)
- 週の所定労働時間が20時間以上で、フルタイムの3/4未満
- 学生ではない(夜間学生や休学中を除く)
次の人は対象外です。70歳以上で任意に厚生年金保険に加入している人(70歳以上の被保険者は、健康保険料のみが対象)、複数の事業所で社会保険に加入している人、産前産後休業・育児休業等の期間中で保険料が免除されている人です。制度は事業所単位で適用が決まるため、希望した一部の対象者だけが利用することはできません。
保険料調整制度はいつまで?3年間の負担割合と金額の例
軽減される割合は、標準報酬月額に応じて決まっています。通常は事業主と本人が半分ずつ(労使折半)負担する保険料が、次の割合になります。

| 標準報酬月額 | 1・2年目の負担割合(本人:事業主) | 3年目の負担割合(本人:事業主) |
|---|---|---|
| 88,000円(それ以下を含む) | 25:75 | 37.5:62.5 |
| 98,000円 | 30:70 | 40:60 |
| 104,000円 | 36:64 | 43:57 |
| 110,000円 | 41:59 | 45.5:54.5 |
| 118,000円 | 45:55 | 47.5:52.5 |
| 126,000円 | 48:52 | 49:51 |
厚生年金保険料の月額の例(公式の表)
パンフレットの表から、厚生年金保険料(保険料率18.3%)の本人負担額を抜き出しました。健康保険料は含みません。
| 標準報酬月額 | 本来の本人負担(労使折半) | 1・2年目の本人負担 | 3年目の本人負担 |
|---|---|---|---|
| 88,000円 | 8,052円 | 4,026円 | 6,039円 |
| 98,000円 | 8,967円 | 5,380円 | 7,174円 |
| 104,000円 | 9,516円 | 6,852円 | 8,184円 |
| 110,000円 | 10,065円 | 8,253円 | 9,159円 |
| 118,000円 | 10,797円 | 9,717円 | 10,257円 |
| 126,000円 | 11,529円 | 11,068円 | 11,298円 |
健康保険料の軽減額は、全国健康保険協会または各健康保険組合に確認してください(日本年金機構)。
チラシとパンフレットには、標準報酬月額8.8万円の例として、本来月12,500円の負担が1・2年目は6,250円、3年目は9,375円になるイメージ図があります(実際の額とは異なります)。
3年は、事業所が制度を使い始めた月から数えます。パンフレットの例では、2026年10月に開始した事業所に2027年8月から加入した人の軽減は、2年2か月で終わります。
事業主の申出で、制度の利用を途中でやめることはできません(対象者が0人になったときなどに、自動停止される場合はあります)。
保険料調整制度で年金・賞与はどうなる?
将来の年金額は減らない
日本年金機構は、制度を利用して保険料が軽減されても、被保険者が将来受け取る年金額は減らない、としています。
賞与の保険料は対象外
日本年金機構の「保険料額の計算方法」には、賞与にかかる保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金は、保険料調整制度の対象外と書かれています。軽減されるのは、賞与を除いた厚生年金保険料と健康保険料です。
勤務先に確認したいこと(本人がすること)
本人が確認するポイントは次のとおりです。

- 勤務先が、この制度の対象の事業所か(任意特定適用事業所になったのか、適用拡大で対象になったのか)
- 勤務先が制度を使う予定か。使う場合、申出が受け付けられた月が開始月になり、さかのぼれません
- 加入している健康保険は協会けんぽか、健康保険組合か(健康保険料の軽減額の問い合わせ先が変わります)
同一労働同一賃金の記事もあわせてご覧ください。名前の似た就業者負担軽減支援金は、保険料調整制度とは別の仕組みです。
社会保険料や生活費が払えない・苦しいとき
制度の対象外でも、軽減があっても家計が苦しいときは、次を確認します。

- 生活費の支払いが厳しい場合は、どこからも借りれない時の公的支援を確認する。
- 国民健康保険料が払えない場合は、国民健康保険料が払えないときを確認する。
- 借金の返済が苦しい場合は、弁護士・司法書士に依頼し、債務整理の受任通知が貸金業者に届くと、貸金業者からの督促は止まります(貸金業法21条1項9号)。相談しただけでは止まらず、依頼が必要です。対象は貸金業者で、社会保険料や電気・水道・家賃などの督促を止めるものではありません。
借入で保険料や生活費を補うのは返済の負担を重くします。ヤミ金や個人間融資、給与ファクタリング、クレジットカード現金化には手を出さないでください。
どこに相談すればいいか迷ったら、借金問題を扱う司法書士事務所に一度相談してみるのも一つの方法です(借金問題のご相談は【アース司法書士事務所】
)。司法書士が代理で交渉できるのは1社あたり140万円以下の借金が対象です。
借金の減額は、弁護士に無料で相談できます
支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。
ライズ綜合法律事務所では、質問に答えるだけで借金の減額相談を無料で申し込めます(匿名でも可)。まずは減らせる可能性があるかだけでも確かめてみてください。
※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
よくある質問
保険料調整制度とは何ですか?
新たに健康保険・厚生年金保険の加入対象となる短時間労働者が就業調整せずに働けるよう、事業主が被保険者の保険料を一時的に一部負担し、通算3年間、被保険者の保険料負担を軽くする制度です。
保険料調整制度はいつからいつまでですか?
2026年10月に始まった制度です。軽減は、事業主が利用を申し出た月から通算3年間が経過する月までで、3年目は軽減の割合が1・2年目の半分になります。3年は事業所単位で数えるため、途中から加入した人は残りの期間だけ軽減されます。2026年10月から利用した事業所の例では、2029年9月分の保険料までです。
保険料調整制度は本人が申請すれば使えますか?
本人が申請する制度ではありません。利用を始めるには、事業主が申出期限内に保険料調整開始申出書を日本年金機構に提出します。希望した一部の対象者だけが使うこともできないため、本人は勤務先が制度を使うかを確認してください。
保険料調整制度を使うと将来の年金は減りますか?
日本年金機構は、制度を利用して保険料が軽減されても、被保険者が将来受け取る年金額は減らないとしています。
保険料調整制度は賞与の保険料も軽くなりますか?
いいえ。日本年金機構の資料では、賞与にかかる保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金は制度の対象外とされています。
関連記事
- 106万円の壁は2026年10月に撤廃|パートの社会保険と手取りはどうなる
- パート・契約社員は10月から何が変わる?同一労働同一賃金の改正で手当・休暇はどうなるか
- 第3号被保険者は廃止される?いつから・専業主婦とパートはどうなる
- 2026年10月から変わるお金のこと一覧|値上げ・最低賃金・社会保険・電気代
出典
- 保険料調整制度のご案内|日本年金機構(更新日:2026年9月11日)
- 保険料調整制度とは|日本年金機構(更新日:2026年9月11日)
- 保険料調整制度の対象となる事業所・申出期限|日本年金機構(更新日:2026年9月11日)
- 保険料調整制度の対象となる被保険者|日本年金機構(更新日:2026年9月11日)
- 保険料調整制度を利用した場合の保険料額の計算方法|日本年金機構(更新日:2026年9月11日)
- 事業主が追加負担した保険料(保険料軽減額)の還付|日本年金機構(更新日:2026年9月11日)
- 保険料調整制度の開始申出の手続き|日本年金機構(更新日:2026年9月11日)
- チラシ「従業員50人以下の事業主の皆さまへ」(PDF)|日本年金機構
- パンフレット「保険料調整制度のご案内」(PDF)|日本年金機構
- 官報 令和8年9月11日 号外第203号(施行期日を定める政令)
- 制度変更(令和8年10月)|厚生労働省
- 社会保険の加入対象の拡大について|厚生労働省
- 貸金業法(昭和58年法律第32号)第21条|e-Gov法令検索(2026年9月30日確認)
更新履歴
- 2026年10月1日:記事を公開しました。
