育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が1歳未満の子を養育するために育児休業を取ったときに、ハローワークから支給される給付金です。厚生労働省の資料(令和8年8月1日改訂版)によると、支給額は休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(育児休業開始から181日目以降は50%)です。さらに、要件を満たすと出生後休業支援給付金(13%)が上乗せされ、あわせて給付率80%、手取りで10割相当になります。
この記事は、育児休業を取る予定の人、出産・育児休業を控えた家族に向けて、厚生労働省の「育児休業等給付について」のページと、パンフレット「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)で確認できた内容を、給付金の種類・支給要件・金額・上限額・申請先の順にまとめたものです(2026年10月9日確認)。会社の育休の取り方など、労働法上の制度は別の資料で確認してください。
- 育児休業等給付には、出生時育児休業給付金、育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金の4つがあります。
- 育児休業給付金の給付率は、休業開始から180日までが67%、181日目以降が50%です。
- 出生後休業支援給付金は、要件を満たすと13%が上乗せされ、合わせて80%(手取り10割相当)になります。最大28日間です。
- 育児休業給付は非課税で、勤務先から給与が支払われない場合は雇用保険料の負担もありません。育休中の健康保険・厚生年金保険料は、申出により免除されます。
- 申請先は事業所の所在地を管轄するハローワークです。問い合わせは、育児休業等給付コールセンター0570-200-406(平日8:30〜17:15)です。
育児休業等給付の4つの給付金|産後パパ育休・育休・時短勤務
厚生労働省のページによると、育児休業等給付は、子の年齢や養育の状況に応じて、要件を満たす場合に次の4つが支給されます。
| 給付金 | 内容(厚生労働省の資料の記載) |
|---|---|
| 出生時育児休業給付金 | 子の出生後8週間の期間内に、合計4週間(28日)を限度として取得する産後パパ育休(出生時育児休業)(2回まで分割取得可)を取った場合に支給 |
| 育児休業給付金 | 原則1歳未満の子を養育するために育児休業(2回まで分割取得可)を取った場合に支給 |
| 出生後休業支援給付金 | 出生時育児休業給付金または育児休業給付金を受ける人が、一定の要件を満たした場合に上乗せで支給。2025(令和7)年4月1日に創設 |
| 育児時短就業給付金 | 育児のための時短勤務をしている間の給付金(別冊のパンフレットで説明)。2025(令和7)年4月1日に創設 |
出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金は、こども未来戦略に基づく支援策で、すべての世代や企業から拠出される子ども・子育て支援金が充てられます。
育児休業給付金の支給要件|休業開始前2年間に12か月以上
パンフレットによると、育児休業給付金の支給要件は次のとおりです。
- 1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)。被保険者から初日と末日を明らかにした申出に基づき事業主が取得を認めた育児休業で、休業開始日から子が1歳に達する日前までにあるもの。産後休業(出生日の翌日から8週間)は対象外。
- 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
- 1つの支給単位期間中の就業日数が10日(10日を超える場合は80時間)以下であること。
- 期間を定めて雇用される人は、養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。
原則として、3回目以降の育児休業は給付金を受けられません。ただし、別の子の産前産後休業・育児休業・介護休業が始まって育児休業が終わったあとに、その休業が対象の子の死亡等で終わった場合など、回数制限から除外される事由があります。パパ・ママ育休プラス制度を使う場合は子が1歳2か月まで、保育所に入れないなどの場合は1歳6か月または2歳まで、休業開始日の範囲が広がります。
育児休業給付金はいくら?支給額の計算と上限・下限額
育児休業給付金の支給額は、次の式で計算します。
育児休業給付金 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(育児休業開始から181日目以降は50%)
休業開始時賃金日額は、育児休業開始前6か月間の賃金(賞与等を除く)の総額を180で割った額です。上限額と下限額が定められており、パンフレットによると、令和9年7月31日までの額は次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 休業開始時賃金日額の上限額 | 16,540円 |
| 休業開始時賃金日額の下限額 | 3,203円 |
| 支給日数30日・給付率67%の支給上限額/下限額 | 332,454円/64,380円 |
| 支給日数30日・給付率50%の支給上限額/下限額 | 248,100円/48,045円 |
| 出生後休業支援給付金(28日・給付率13%)の支給上限額/下限額 | 60,205円/11,658円 |
勤務先から休業中に賃金が支払われた場合は、その額に応じて支給額が調整されます。たとえば、支払われた賃金が「休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数」の13%以下であれば、出生時育児休業給付金は満額、80%以上であれば支給されない、といった調整の仕組みがあります。
出生後休業支援給付金で給付率80%に|最大28日間・手取り10割相当
パンフレットによると、出生後休業支援給付金は、子の出生直後の一定期間に両親ともに育児休業を取得した場合などに、2025(令和7)年4月1日以後の育児休業に対して、最大28日間受け取れる給付金です。給付率は13%で、67%と合わせて80%になります。育児休業中は健康保険・厚生年金保険料が免除され、育児休業等給付は非課税のため、手取りで10割相当になると説明されています。
産後パパ育休で出生後休業支援給付金を受けるには、被保険者が産後パパ育休を通算14日以上取得していることが必要で、配偶者も産後パパ育休の期間に通算14日以上の育児休業を取得しているか、配偶者の育児休業を要件としない場合(配偶者が無業者、自営業者・フリーランス、産後休業中など)に当たる必要があります。詳しい要件は、パンフレットの13〜15頁と、「簡易診断(要件確認)ツール」で確認できます。
パンフレットにある計算例(産後パパ育休14日)
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 休業開始時の賃金日額10,000円、14日間の出生時育児休業 | 出生時育児休業給付金 = 10,000円 × 14日 × 67% = 93,800円 |
| 同上の出生後休業支援給付金 | 10,000円 × 14日 × 13% = 18,200円 |
申請先とお問い合わせ|ハローワーク・コールセンター
給付金の申請先は、事業所の所在地を管轄するハローワークです。手続きの進め方は、勤務先の担当者にも確認してください。厚生労働省のページには、令和8年8月1日から育児休業等給付の申請手続きを見直したというお知らせもあります。最新の様式や手続きは、厚生労働省のページで確認してください。
給付金の内容や手続きの問い合わせは、育児休業等給付コールセンター 0570-200-406(平日8:30〜17:15。土日祝日、12/29〜1/3を除く)です。支給処理の目安の問い合わせにも対応していますが、具体的な支給日は答えられないと書かれています。
育児休業中や出産前後の保険料・給付については、出産育児一時金の差額はいつ・どこで申請?や保険料調整制度とは?10月開始も参考にしてください。
育児休業給付金を受けるときのチェックリスト
- 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あるかを確認する。
- 育児休業の初日と末日を明らかにして、事業主に申し出る(2回まで分割可)。
- 休業中の就業は、1つの支給単位期間で10日(超える場合は80時間)以下に収める。
- 産後パパ育休と出生後休業支援給付金の上乗せを使えるかを、夫婦で確認する(簡易診断ツールが使える)。
- 勤務先を通じて、事業所の管轄ハローワークへ支給申請をする。
- 不明な点は、育児休業等給付コールセンター(0570-200-406)に確認する。
よくある質問
育児休業給付金はいくらもらえますか?
休業開始時賃金日額に支給日数を掛け、育児休業開始から180日目までは67%、181日目以降は50%を乗じた額です。休業開始時賃金日額には上限額16,540円と下限額3,203円があります(令和9年7月31日までの額)。
育児休業給付金の支給要件は何ですか?
1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した被保険者で、休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上あることなどが必要です。支給単位期間中の就業日数は10日以下(超える場合は80時間以下)である必要があります。
出生後休業支援給付金とは何ですか?
出生時育児休業給付金または育児休業給付金を受ける人が、一定の要件を満たした場合に上乗せで支給される給付金です。給付率は13%で、67%と合わせて80%になり、最大28日間受け取れます。
育児休業給付金に税金はかかりますか?
育児休業等給付は非課税です。また、育児休業中は申出により健康保険・厚生年金保険料が免除されます。このため、給付率80%で手取り10割相当になると説明されています。
育児休業給付金の申請先はどこですか?
事業所の所在地を管轄するハローワークです。内容や手続きの問い合わせは、育児休業等給付コールセンター0570-200-406(平日8:30〜17:15)で受け付けています。
出典
- 厚生労働省「育児休業等給付について」(2026年10月9日確認)
- 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」(PDF)(2026年10月9日確認)
- ハローワークインターネットサービス「育児休業等給付」(2026年10月9日確認)
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
