令和8年熊本地震で、学生本人や家族の住まい・収入に被害が出て、学費や奨学金の返済が心配な人に向けた記事です。日本学生支援機構(JASSO)は令和8年7月29日、被災した学生等への支援策を発表しました。給付奨学金(返還不要)の家計急変採用、貸与奨学金の緊急採用・応急採用、JASSO災害支援金(10万円・返還不要)、減額返還・返還期限猶予の4つです。JASSOの公式ページで確認できた内容を、2026年10月9日現在でまとめます。
- 災害救助法適用地域の世帯の学生は、給付奨学金(家計急変採用)と貸与奨学金(緊急・応急採用)を学校経由で申し込めます。
- 家が半壊以上・床上浸水などの被害を受けた学生には、JASSO災害支援金10万円(返還不要)があります。
- すでに返還中の人は、減額返還または返還期限猶予を願い出られます。延滞する前に。
- JASSO災害支援金の申請期限は、災害の次の月から数えて6か月以内。令和8年7月28日の災害に当てはめると、令和9年1月31日が目安です(学校の締切は先)。
JASSOが発表した4つの支援
| 支援 | 対象 | 申込み・願出 |
|---|---|---|
| 給付奨学金(家計急変採用)・貸与奨学金(緊急採用・応急採用) | 災害により家計が急変し、奨学金の給付または貸与を希望する人(災害救助法適用地域の世帯の学生)。種類は、給付奨学金、第一種奨学金(利子なし)、第二種奨学金(利子付) | 在学している学校を通じて申し込む |
| 減額返還・返還期限猶予 | 災害等により奨学金の返還が困難となった人 | 「奨学金減額返還願」または「奨学金返還期限猶予願」をJASSOに提出 |
| JASSO災害支援金(10万円・返還不要) | 学生本人やその父母等が現に住んでいる家が、半壊以上の被害・床上浸水、または自治体の避難勧告等が1か月以上続いた人(外国人留学生を含む) | 在学している学校を通じて申し込む |
災害救助法の適用を受けない近隣の地域で、同等の災害に遭った世帯の学生と、適用地域に勤務し勤務先が被災した世帯の学生で同等の災害に遭った人も、適用地域に準じて取り扱うとされています。熊本地震で災害救助法が適用された地域は、JASSOのホームページ(1年以内の災害救助法適用地域)で確認できます。
JASSO災害支援金|10万円・返還不要
JASSOは、学生や父母・留学生の住んでいる家が、半分以上壊れたり、床上浸水したりした場合、一日でも早く元の生活に戻り、学業を続けられるよう、支援金(10万円)を支給しています。この支援金は、JASSOへの寄附をもとにしています。
| 項目 | 内容(JASSO災害支援金のページ) |
|---|---|
| 在学の条件 | 日本国内の大学、短期大学、大学院、高等専門学校、専修学校専門課程・専攻科に在学中の人(科目等履修生、研究生、聴講生等は除く)。JASSOの奨学金や他団体の経済的支援を受けていても申請できる |
| 被害の条件 | 本人やその父母等が現に住んでいる家が、半壊(半流出・半埋没・半焼失を含む)以上の被害、床上浸水、自治体の避難勧告等が1か月以上続いたこと。入学前・休学中に発生した災害は対象外。同一の災害につき申請は1回 |
| 学修の条件 | 学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると学校長が認める人(成績不振による留年中の人は除く) |
| 申請のしかた | 在学校を通じてJASSOに申請。書類は、申請書と添付書類、自治体が発行する罹災証明書(コピー可) |
| 申請期限 | 学校からJASSOへの申請期限は、災害がおきた日の次の月から数えて6か月以内。令和9年3月卒業の人の推薦期限は令和9年3月31日(必着) |
罹災証明書の発行が期限までに間に合わない場合は、市区町村役場で罹災証明書の発行手続きを行ったときの申請書類一式のコピーを学校に提出し、あとから罹災証明書を学校経由で提出します。やむを得ない事情で申請期限を過ぎた場合は、学校からJASSOに相談できます。問い合わせは、JASSO 政策企画部 広報課 寄附金室(03-6743-3185、9時〜17時30分、土日祝日・年末年始を除く)です。奨学金の手続きに関する書類の送付先ではありません。
給付奨学金(家計急変採用)
JASSOのページによると、家計急変の事由が生じた場合は、年間を通じて随時申込みを受け付けています。支給開始年月は申込みした年月からとなるため、事由発生後はすみやかに申し込む必要があります。給付奨学金の対象校(確認大学等)であることが必要です。申込み方法は、在学している学校に相談してください。
返済中の人へ|減額返還と返還期限猶予
| 制度 | 内容(JASSOのページ) |
|---|---|
| 減額返還制度 | 災害、傷病、その他経済的理由により返還が困難な人のうち、当初の割賦金を減額すれば返還可能な人が対象。一定期間、月々の返還額を減額し、減額期間に応じた分だけ返還期間を延長する。1回の願出につき適用期間は12か月で、最長15年(180か月)まで延長可能 |
| 返還期限猶予 | 災害、傷病、経済困難、失業などで返還が困難な場合に、返還期限の猶予を願い出る。承認された期間は返還が不要で、適用期間後に返還が再開され、返還終了年月も先送りされる。承認されない場合は返還を続ける。元金や利子が免除されるものではない |
返還期限猶予のうち「一般猶予」の適用期間は通算10年(120か月)が限度ですが、災害・傷病・生活保護受給中などの場合は10年の制限がありません。ただし、災害原因が同一の場合は、災害発生から原則5年が限度です。JASSOは、将来への負担を少しでも軽くするため、月々の返還額を減額して返還する減額返還制度の利用をすすめています。願出は、スカラネット・パーソナルを使います。減額返還は、インターネットで願出できない場合、願出用紙と証明書類を郵送します。
返還が難しいときは、延滞する前に手続きをするよう、JASSOは案内しています。
まず何をするか|手順のまとめ
- 在学している学校の奨学金・学生支援の窓口に、被災したことを連絡する(給付奨学金、貸与奨学金、JASSO災害支援金はいずれも学校経由)。
- 市区町村で罹災証明書の発行手続きをする。間に合わないときは、発行手続きをしたときの申請書類一式のコピーを先に学校へ。
- すでに奨学金を返している人は、延滞する前に、スカラネット・パーソナルから減額返還または返還期限猶予を願い出る。
- 家計の状況(収入の変化、住まいの被害の程度)が分かる書類を、学校やJASSOの案内に沿って用意する。
よくある質問
熊本地震で被災した学生は、どんな奨学金・支援金を使えますか?
日本学生支援機構(JASSO)は令和8年7月29日、(1)災害救助法適用地域の世帯の学生に対する給付奨学金の家計急変採用、貸与奨学金の緊急採用・応急採用、(2)奨学金返還者からの減額返還・返還期限猶予の願出、(3)居住する住宅に半壊以上等の被害を受けた学生からのJASSO災害支援金(10万円・返還不要)の申請を受け付けると発表しました。
JASSO災害支援金は、いくらもらえますか?返す必要はありますか?
支給額は10万円で、返す必要はありません。学生本人やその父母等が現に住んでいる家が、半壊(半流出・半埋没および半焼失を含む)以上の被害を受けた、床上浸水となった、または自治体からの避難勧告等が1か月以上続いた人が対象です。外国人留学生も含まれます。申請は在学している学校を通じて行います。
JASSO災害支援金の申請期限は?
JASSOの案内では、学校からJASSOへの申請期限は、災害がおきた日の次の月から数えて6か月以内です(例:令和6年1月1日に被災した場合は令和6年7月31日の消印有効)。令和8年7月28日の熊本地震にこの数え方を当てはめると、令和9年1月31日が目安になりますが、学校ごとの締切は早い場合があるため、学校に確認してください。令和9年3月卒業の人の学校からJASSOへの推薦期限は令和9年3月31日(必着)です。
罹災証明書が間に合わないときは?
JASSOの案内では、罹災証明書の発行が期限までに間に合わない場合は、市区町村役場で罹災証明書の発行手続きを行ったときの申請書類一式のコピーを学校に提出し、罹災証明書が発行され次第、学校経由で追って提出します。
すでに奨学金を返している人が、返済が苦しいときは?
災害等により奨学金の返還が困難な人は、「奨学金減額返還願」または「奨学金返還期限猶予願」をJASSOに提出します。減額返還は、1回の願出につき適用期間が12か月で、返還期間を延長しながら月々の返還額を減らす制度です。返還期限猶予は、一定期間、返還を先送りする制度で、災害の場合は通算10年の制限がなく、災害原因が同一の場合は災害発生から原則5年が限度です。猶予は元金や利子が免除されるものではありません。
給付奨学金(家計急変採用)はいつまでに申し込めますか?
JASSOの案内では、家計急変の事由が生じた場合は、年間を通じて随時申込みを受け付けます。支給開始年月は申込みした年月からとなるため、事由発生後はすみやかに申し込む必要があります。給付奨学金の対象校(確認大学等)であることが必要です。在学している学校に相談してください。
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出典
- 日本学生支援機構「令和8年熊本地震に係る災害により被害を受けた学生等への支援策について」(令和8年7月29日)
- 日本学生支援機構「JASSO災害支援金」
- 日本学生支援機構「家計急変採用-給付奨学金(返還不要)」
- 日本学生支援機構「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」
- 日本学生支援機構「月々の返還額を少なくする(減額返還制度)」
- 写真:Syced(Wikimedia Commons、CC0)。東京の国連大学の図書スペースの写真で、災害とは関係ありません。
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
