「明日までにお金が必要なのに、どこからも借りれない」という状況では、何が理由で審査に通らないのかも分かりにくいものです。この記事では、貸金業法の調査義務、総量規制、CIC・JICCの信用情報の登録期間を公式資料で整理し、審査なしをうたうヤミ金の手口と、借入れ以外で連絡できる窓口、債務整理の相談先を解説します。受け取れる時期や可否は窓口の判断によるため、期限を最初に伝えてください。
- 貸金業者は、返済能力の調査を法律で義務づけられ、返済能力を超える貸付けの契約はできません。借入残高が年収の3分の1を超える貸付けは原則禁止です。
- CICは「ブラックリスト」という名称のリストはないとし、支払いが遅れた客観的な事実が登録されると説明しています。登録期間は情報の種類で異なります。
- 「他店で断られた方でもOK」「即日融資」は、金融庁が挙げる違法な業者の誘い文句です。ヤミ金の貸付けは無効で、元金も返済する必要はありません(法テラス)。
- 借入れが多くて借りれないときは、新たに借りる前に、債務整理の相談(法テラス、JCCOなど)を検討してください。
返済のために借りる前に、借金を減らせるか確認しませんか
次のどれかに当てはまるなら、新しく借りるより先に、弁護士に借金の減額を相談する方法があります(債務整理)。
- 毎月返しているのに、元金がほとんど減らない
- 返済のために、別の会社から借りている
- 支払いが遅れて、督促の電話やSMSが来ている
ライズ綜合法律事務所の減額相談は、借入金額などの質問に答えるだけで申し込めます。相談は無料で、匿名でも申し込めます。家族や知人に知られないよう配慮して対応すると案内されています。
※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
借りれない原因は、業者の審査の仕組みにある
貸金業者は、貸付けの契約を結ぶ前に、法律で調査を義務づけられています。貸金業法13条1項は、顧客の収入、資力、信用、借入れの状況、返済計画などの返済能力に関する事項を調査しなければならない、と定めています。個人の顧客との契約では、同条2項により、指定信用情報機関が保有する信用情報を使うことも必要です(極度方式貸付けなど内閣府令で定める契約を除く)。
さらに、13条の2は、調査の結果、顧客の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、契約してはならない、と定めています。個人向け貸付けでは、貸金業者からの借入残高の合計が、年間の給与などの定期的な収入の3分の1を超えることになる契約が、原則として禁止される「総量規制」です。
日本貸金業協会は、借入残高が年収の3分の1を超えているかどうかは、指定信用情報機関に集められた借入残高のデータで分かる、とし、年収の3分の1以内であれば必ず借りられるわけではない、と説明しています。つまり、貸金業者から借りれないのは、残高が多い、返済状況に問題がある、収入の確認が取れない、といった事情が重なっている可能性があります。総量規制の詳細は総量規制とはで解説しています。
信用情報には何が、どれくらいの期間載るのか
指定信用情報機関のCICは、「ブラックリスト」という名称のリストはなく、支払いが遅れた場合には、その客観的な取引事実が登録される、と説明しています。また、クレジット会社等は、CICの信用情報も参考にしながら、独自の基準で総合的に判断するため、個別の取引の可否はCICでは答えられない、としています。
| 登録される情報 | 登録期間(CIC・JICC) |
|---|---|
| クレジット・ローンの契約や返済状況(CIC「クレジット情報」) | 契約期間中および契約終了から5年間(CIC) |
| 申込みに関する情報(新たに申し込んだ事実) | 照会日より6か月間(CIC)、照会日から6か月以内(JICC) |
| 返済状況(入金日、残高、延滞など。JICC、契約日2019/10/1以降) | 契約継続中および契約終了後5年以内(JICC) |
| 債権回収、債務整理、強制解約、破産申立などの取引事実(JICC、契約日2019/10/1以降) | 契約継続中および契約終了後5年以内(JICC) |
CICは、公共料金を銀行口座などからの引き落としで直接支払っている場合はクレジット契約ではないためCICには登録されず、クレジットカードで支払っている場合は、クレジット契約の延滞として登録される、と説明しています。申込みに関する情報は、照会日から6か月間残ります。申込みの事実が登録されるという点までが両機関の資料から確認できる内容で、それが審査にどう影響するかは、各社の判断によります。
自分の信用情報は、本人が情報開示を申し込んで確認できます。CICは、情報開示を、本人の申込みにより自身の信用情報を確認できる制度として案内しています。方法は信用情報の開示方法で解説しています。開示は、今後の見通しを立てるための手段として使えます。
「他店で断られた方でもOK」は、違法な業者の誘い文句として挙げられている
審査に落ちた直後は、「誰でも借りられる」という広告に目が向きがちです。金融庁は、違法な金融業者の手口を次のように説明しています。
| 手口 | 金融庁・日本貸金業協会の説明 |
|---|---|
| 勧誘の言葉 | 「低金利で融資」「他店で断られた方でもOK」「らくらく・簡単」「即日融資」など、利用者の心理をついて誘い込む。自己破産者や返済に困っている多重債務者がねらわれる |
| 貸付けの条件 | 貸付金額は3万円から5万円など小口が主流で、貸付期間は7日から10日間と短期間が主流。違法な高金利のため、返済請求額は雪だるま式に膨れ上がる |
| 取立て | 本人の住所、電話番号、勤務先だけでなく、親兄弟・親類の連絡先まで聞く。少しでも返済が遅れると、勤務先や親族などに脅迫まがいの電話をかける |
| 紹介屋 | 「あなたの信用状態はよくない。うちでは貸せないのでほかの店を紹介する」などと言って他の店で借りさせ、借りた金額の一部を紹介料としてだまし取る |
金融庁は、出資法の上限金利は年20%で、これを超える利息は出資法違反となり罰則の対象になると説明し、「10日で3割、5割の利息」「3万円借りて7日後に1万円の利息」といった利息を、出資法の上限金利を超える違法な金利の例としています。また、登録番号を答えない業者は無登録業者の可能性が高く、登録番号があっても、架空の番号を使って登録業者を装う業者がいる、としています。
法テラスは、ヤミ金からの貸付けは無効で、元金についても返済する必要はないとし、至急、弁護士・司法書士や警察等に相談するべきだとしています。くわしくは「審査なし」広告のルール、ヤミ金とはで整理しています。
借入れ以外で、まず連絡できる窓口
期限が明日でも、できる確認はいくつかあります。それぞれの根拠と内容は、次のとおりです。
- 勤務先:労働基準法25条により、労働者が出産、疾病、災害などの費用に充てるために請求する場合、使用者は、支払期日前でも、既往の労働に対する賃金を支払わなければなりません(対象はすでに働いた分)
- 市区町村の自立相談支援事業:生活困窮者自立支援法にもとづき、市等が、就労や居住などの自立に関する相談に応じ、必要な情報の提供と助言を行います
- 社会福祉協議会の緊急小口資金:全社協の資料では、限度額は10万円以内、無利子、連帯保証人は不要で、自立相談支援事業の利用が原則要件化されています。厚生労働省のページでは、貸付けの決定にあたって償還可能性の有無が考慮されます
- 福祉事務所の生活保護担当:資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮している人が対象です。最初は事前の相談になります
いずれも、申請してから受け取るまでに、確認や審査が必要です。「明日までに必ず受け取れる」と決まっている制度ではないため、窓口には期限を最初に伝えてください。公的な貸付けや相談を先に使い、違法な業者を最後の手段にしない、という順番が大切です。
借入れが多くて借りれないなら、債務整理の相談が先
すでに複数の借入れがあり、返済に追われて新しい借入れが通らない場合は、借入れを増やして返すより、返済そのものを見直す方が先です。法テラスは、弁護士や司法書士が債務整理(任意整理・自己破産・個人再生等)の依頼を受け、貸金業者に対してその旨の通知を行った場合、通常、貸金業者からの連絡は止まる、と説明しています。違いは債務整理4種類の違いで整理しています。
金融庁の「多重債務についての相談窓口」のページでは、債務整理(借金問題)の相談先として、法テラス、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、日本貸金業協会、日本クレジットカウンセリング協会、全国銀行協会が挙げられています。法テラス・サポートダイヤルは0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)、JCCOの多重債務ほっとラインは0570-031640です。費用が心配なときは債務整理の費用が払えないとき、JCCOについてはJCCOの無料借金相談も参考にしてください。
「審査なし」をうたう業者や個人間融資、給与ファクタリングは、貸金業の登録がない違法な貸付けである可能性が高いため、使わないでください。
借金の減額は、弁護士に無料で相談できます
支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。
ライズ綜合法律事務所では、質問に答えるだけで借金の減額相談を無料で申し込めます(匿名でも可)。まずは減らせる可能性があるかだけでも確かめてみてください。
※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
まとめ
- 借りれないのは、返済能力の調査、総量規制、信用情報などが重なっている可能性がある。
- 信用情報の登録内容と期間は、CIC・JICCの公式ページで確認できる。本人の開示も可能。
- 「他店で断られた方でもOK」「即日融資」をうたう業者は、違法な金融業者の誘い文句として注意されている。
- 借入れ以外では、勤務先への賃金請求、自立相談支援、社協の貸付け、福祉事務所の相談がある。
- 借入れが多いときは、債務整理の相談が先。法テラスやJCCOに連絡する。
よくある質問
貸金業者の審査に落ちるのは、どんな理由が考えられますか?
貸金業法13条は、顧客の収入、資力、信用、借入れの状況、返済計画などの調査を義務づけ、13条の2は返済能力を超える貸付けの契約を禁止しています。年収の3分の1を超える貸付けは原則禁止で、3分の1以内でも必ず借りられるわけではありません(日本貸金業協会)。
ブラックリストに載ると、何年も借りれませんか?
CICは、「ブラックリスト」という名称のリストはなく、支払いが遅れた場合にはその客観的な取引事実が登録される、と説明しています。クレジット情報は契約期間中および契約終了から5年間登録され、取引の可否の判断は各社が独自の基準で行います。
信用情報は自分で確認できますか?
できます。CICは、情報開示を、ご本人の申込みにより自身の信用情報を確認できる制度として案内しています。JICCでも開示の申込みができ、手数料がかかります。方法や手数料は各機関のサイトで確認してください。
今日・明日に使える公的な貸付けはありますか?
社会福祉協議会の緊急小口資金は10万円以内・無利子ですが、貸付けの決定では償還可能性の有無が考慮されます。当日に受け取れると決まっているわけではないため、窓口で必要な時期を伝えて確認してください。
「他店で断られた方でもOK」という業者から借りても大丈夫ですか?
金融庁は、「他店で断られた方でもOK」「即日融資」といった言葉を、違法な業者の誘い文句の例として挙げています。登録番号を答えない業者は無登録業者の可能性が高いとされ、借りないでください。
出典
- e-Gov法令検索「貸金業法」(第13条、第13条の2)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第25条)
- 日本貸金業協会「お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)」
- CIC「信用情報は、どのくらいの期間CICに登録されていますか?」
- CIC「支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されますか?」
- CIC「支払いの遅れた事実が信用情報に登録されていると、クレジットを利用できませんか?」
- CIC「公共料金の延滞も登録されますか?」
- JICC「信用情報の内容と登録期間」
- 金融庁「違法な金融業者にご注意!」(令和8年9月18日更新)
- 法テラス「ヤミ金からお金を借りてしまいました。どうすればいいですか。」
- 法テラス「弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、貸金業者からの連絡が止まるのですか。」
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」
- 全国社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度について」(厚生労働省サイト掲載資料、2022年頃・日付の記載なし)
更新履歴
2026年10月9日:記事を公開しました。
