「国からお金を借りたい」「市役所で即日借りられないか」と探している人は、急にお金が必要な状況にあるはずです。この記事では、厚生労働省と日本政策金融公庫などの公式ページをもとに、公的な貸付け・給付の窓口と条件、即日で借りられるかどうか、国の制度を名乗る勧誘への注意点を整理します。
- 国や市役所が誰にでも貸す窓口はなく、目的ごとに制度と窓口が分かれています。生活費は社会福祉協議会の生活福祉資金、訓練中の生活費は求職者支援資金融資、教育費は国の教育ローンです。
- 家賃は、貸付けではなく給付の住居確保給付金があります。窓口は福祉事務所設置自治体(自立相談支援機関)です。
- 確認した公式ページに即日で貸すという記載はなく、条件の確認と審査があります。国の教育ローンは必要時期の2〜3か月前の申込みがすすめられています。
- 年金担保貸付は令和4年3月末で受付終了しています。「国の制度」「審査なし」と勧誘する業者は、貸金業の登録を確認してください。
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「国から借りる」制度は、目的ごとに窓口が分かれている
「国からお金を借りる」「市役所でお金を借りる」と検索しても、国や市役所が、誰にでも生活費を貸してくれる窓口はありません。公的な貸付けや給付は、目的と対象者ごとに別々の制度として用意されています。公式ページで確認できる主な制度は、次のとおりです。
| 制度 | 窓口 | 対象・条件(公式ページの記載) |
|---|---|---|
| 生活福祉資金貸付制度 | 実施主体は都道府県社会福祉協議会。問い合わせは市区町村社会福祉協議会 | 低所得者世帯(市町村民税非課税程度)、障害者世帯、高齢者世帯。連帯保証人を立てる場合は無利子、立てない場合は年1.5%(緊急小口資金・教育支援資金は無利子) |
| 求職者支援資金融資 | 求職者支援制度(厚生労働省・ハローワーク) | 職業訓練受講手当を受給しても訓練期間中の生活費が不足する場合。貸付額は単身者月額5万円、扶養家族を有する者月額10万円に受講予定訓練月数を乗じた額。利率2%(うち信用保証料0.5%)、担保・保証人は不要 |
| 国の教育ローン(教育一般貸付) | 日本政策金融公庫 | 教育費。上限350万円(一定の要件に該当する場合は子1人につき450万円)、固定金利年4.05%(令和8年7月時点) |
| 事業資金の融資(国民生活事業) | 日本政策金融公庫 | 小規模事業者・個人事業主の事業資金。売上が減少するなど一時的に業況が悪化している方向けの制度などがある |
| 生活困窮者住居確保給付金 | 福祉事務所設置自治体(自立相談支援機関) | 貸付けではなく給付。求職活動等を条件に家賃費用を一定期間給付 |
どの制度も、申込みの前に条件の確認と審査があります。この記事で確認した公式ページには、「即日で貸す」という記載はありません。たとえば国の教育ローンの案内では、余裕を持って資金を準備できるよう、必要時期の2〜3か月前の申込みをすすめています。急いでいるときほど、まず窓口に電話して、自分が対象になるかを確認してください。
生活費が足りないとき:生活福祉資金貸付制度
厚生労働省のページによると、生活福祉資金貸付制度の実施主体は都道府県社会福祉協議会で、制度に関する問い合わせは、お住まいの地域の市区町村社会福祉協議会で受けています。コールセンターは0120-46-1999(平日のみ9:00〜17:00)です。貸付けの決定にあたっては、貸付条件に加えて、償還(返済)の可能性の有無が考慮されます。
厚生労働省の貸付条件等一覧では、緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用で、10万円以内、無利子、連帯保証人は不要とされています。総合支援資金の生活支援費は、生活再建までの間に必要な生活費用で、(二人以上)月20万円以内、(単身)月15万円以内です。一時生活再建費(60万円以内)の対象の例には、滞納している公共料金等の立て替え費用や、債務整理をするために必要な経費が挙がっています。資金ごとの条件と返済の相談は生活福祉資金・緊急小口資金の解説で詳しく整理しています。債務整理の費用が払えないときの選択肢は債務整理の費用が払えないときも参考にしてください。
仕事を探しながら訓練を受けるとき:求職者支援資金融資
厚生労働省の「求職者支援制度」のページによると、この制度は、再就職、転職、スキルアップを目指す人が、月10万円の生活支援の給付金(職業訓練受講手当)を受給しながら、無料の職業訓練を受講する制度です。給付金の支給要件には、本人収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下、訓練実施日全てに出席する(やむを得ない欠席でも8割以上出席)などがあります。
この給付金を受給しても訓練期間中の生活費が不足する場合のために設けられているのが「求職者支援資金融資」です。貸付額は、単身者は月額5万円、扶養家族を有する人は月額10万円に、給付金の受講予定訓練月数を乗じた額で、利率は2%(うち信用保証料0.5%)、担保・保証人は不要と案内されています。つまり、ハローワークが誰にでも生活費を貸す制度ではなく、職業訓練受講給付金を受ける人向けの融資です。内容や申込みの流れは、ハローワークで確認できます。
家賃が払えないとき:貸付けではなく「給付」の制度がある
厚生労働省が主催する「住まい・生活の困りごと相談窓口(すまこま。)」の制度案内には、生活困窮者自立支援制度の「生活困窮者住居確保給付金」が載っています。経済的に困窮し、住居を失ってしまった人や、住居を失うおそれのある人に対して、求職活動等を条件に、家賃費用を一定期間給付する制度です。支給額は家賃額(ただし、生活保護の住宅扶助特別基準額が上限)とされ、相談・申込先は福祉事務所設置自治体(自立相談支援機関)です。
給付なので、借金は増えません。ただし、この案内ページには過去の特例措置の記載も含まれているため、現在の対象者、支給期間、収入や資産の要件は、お住まいの自治体の窓口で確認してください。
教育費や、個人事業の資金が必要なとき:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」(教育一般貸付)は、公庫のページによると、上限350万円まで借りることができ、固定金利は年4.05%(令和8年7月時点)です。日本学生支援機構等の奨学金と併用でき、受験前でも申込みができます。インターネット申込みには、令和8年9月28日から「日本公庫ダイレクト」へのログインが必要とされています。問い合わせは、教育ローンコールセンター(0570-008656、月〜金9:00〜19:00、土日祝日・年末年始を除く)です。
個人事業主の事業資金は、公庫の国民生活事業(小規模事業者/個人事業主向け)が窓口です。制度の案内には、売上が減少するなど一時的に業況が悪化している人向けの「セーフティネット」、商工会・商工会議所の指導を受けている人向けのマル経融資(小規模事業者経営改善資金)などが並んでいます。いずれも事業に使うための資金で、生活費の借入れではありません。事業資金相談ダイヤルは0120-154-505(平日9時〜17時。個人企業・小規模企業の人は平日9時〜19時)です。
「国が貸す」をうたう勧誘と、断られたときの考え方
国の年金担保貸付制度は、令和4年(2022年)3月末で新規申込みの受付を終了しています。独立行政法人福祉医療機構は、それ以降に年金受給権を担保とした金銭の借入れ申込みを受けることは、例外なく、全て違法になると案内しています(年金担保融資は違法)。「国の制度です」「審査なし」「即日」と言って勧誘する業者は、貸金業の登録を受けていない可能性があります。金融庁は、個人であっても反復継続する意思で金銭の貸付けを行うことは貸金業に該当し、貸金業を営むには国または都道府県の登録が必要だと注意を呼びかけています(貸金業者の登録確認、「審査なし」広告のルール、ヤミ金の特徴)。
借入れ先が複数あって返済が苦しい人は、さらに借りて返す前に、債務整理の相談を検討してください(債務整理4種類の違い)。法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時)や、JCCOの多重債務ほっとライン(0570-031640)で相談できます(JCCOの無料借金相談)。
借金の減額は、弁護士に無料で相談できます
支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。
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※相談しても必ず減額できるとは限りません。債務整理を依頼する場合は所定の費用がかかります。
まとめ
- 国や市役所が誰にでも貸すわけではなく、目的ごとに制度と窓口が分かれている。
- 生活費は社協の生活福祉資金。緊急小口資金は10万円以内・無利子・連帯保証人は不要。
- 訓練中の生活費は求職者支援資金融資(月5万円または10万円に訓練月数を乗じた額、利率2%)。
- 家賃は住居確保給付金(給付)。教育費は国の教育ローン、事業資金は日本政策金融公庫。
- 即日の記載はなく審査がある。年金担保は違法。借入れが苦しいときは債務整理の相談を。
よくある質問
国や市役所は、個人にお金を貸してくれますか?
誰にでも貸す窓口はありません。公的な貸付けは目的と対象者ごとの制度で、たとえば生活福祉資金貸付制度は、都道府県社会福祉協議会が実施主体で、低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯が対象です(厚生労働省)。
国からお金を借りるのは、即日でもできますか?
この記事で確認した公式ページには、即日で貸すという記載はありません。生活福祉資金は貸付条件に加えて償還可能性が考慮されます。国の教育ローンは、必要時期の2〜3か月前の申込みがすすめられています。
ハローワークでお金を借りられますか?
ハローワークが生活費を貸す制度ではありません。求職者支援制度では、職業訓練受講給付金を受給しても生活費が不足する場合に、求職者支援資金融資(単身者月額5万円、扶養家族を有する者月額10万円に受講予定訓練月数を乗じた額、利率2%、担保・保証人は不要)が用意されています。
家賃が払えないときは、借りるしかありませんか?
貸付けではなく、生活困窮者住居確保給付金という給付の制度があります。求職活動等を条件に家賃費用を一定期間給付する制度で、相談・申込先は福祉事務所設置自治体(自立相談支援機関)です。
年金を担保にお金を借りることはできますか?
できません。福祉医療機構は、年金担保貸付制度は令和4年3月末で新規申込みの受付を終了し、それ以降に年金受給権を担保とした借入れ申込みを受けることは、例外なく全て違法になると案内しています。
出典
- 厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」
- 厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
- 住まい・生活の困りごと相談窓口(厚生労働省主催)「生活困窮者自立支援制度(住居確保給付金)」
- 日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」
- 日本政策金融公庫「小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」
- 福祉医療機構「違法な年金担保融資にご注意ください」
- 金融庁「SNS等を利用した『個人間融資』にご注意ください!」
更新履歴
2026年10月9日:記事を公開しました。
