台風の被害は火災保険で直せる?請求の手順と車が水没したときの保険

台風で自宅や車が被害を受けたら、修理や片付けを始める前に被害箇所の写真を撮り、契約している保険会社へ連絡してください。風による損害は「風災」、浸水による損害は「水災」として火災保険や車両保険の対象になることがあります(補償の有無・条件は契約によって異なります)。この記事では、保険会社への連絡の仕方、写真の撮り方、請求の期限、車が水没した場合の車両保険の扱いまで、公式情報をもとに順番に解説します。

先に結論・今すぐやること
  • 修理・片付けの前に写真を撮る(建物全体・被害箇所のアップ・周囲がわかる写真、水位の跡がわかる写真)。
  • 契約している保険会社・代理店にすぐ連絡する(風災・水災の補償の有無は契約内容によって異なります)。
  • 写真はり災証明書の申請にも使えることがあるため保管しておく(様式・必要書類はお住まいの市区町村の公式ページで確認)。
  • 車が水没した場合は、エンジンをかけずに車両保険の担当窓口へ連絡する。
  • 契約先の保険会社が分からない場合は、自然災害等損保契約照会センター(0120-501331)へ。
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目次

台風の被害は火災保険で直せる?

一般社団法人日本損害保険協会によると、住まいの保険(火災保険)は火災だけでなく、台風などによる風災や、洪水・高潮などによる水災による損害も補償の対象とする商品があるとされています。台風で屋根が飛んだ、窓が割れたといった風による損害は「風災」、川の氾濫や内水氾濫で床上・床下が浸水した損害は「水災」として扱われるのが一般的です。

ただし、水災補償を契約に付けているかどうか、免責金額(自己負担額)の設定、補償の対象となる損害の程度は契約ごとに異なります。ご自身の契約でどこまで補償されるかは、保険証券や約款、または契約している保険会社・代理店への確認が必要です。

火災保険の「風災」と「水災」の補償の違いとは

区分主な原因該当しうる被害の例
風災台風・暴風・竜巻屋根瓦の飛散、窓ガラスの破損、雨樋の損傷
水災台風・大雨による洪水・高潮・土砂崩れ床上・床下浸水、外壁の損傷を伴う土砂の流入

風災・水災のいずれも、補償の対象になるかどうか、どの程度の損害から保険金が支払われるかは保険会社・契約商品によって基準が異なります。「うちは水災は対象外の契約だった」というケースもあるため、まずは契約内容の確認が欠かせません。

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床上浸水した場合、火災保険は使える?

日本損害保険協会によると、水災補償では「損害額が一定割合以上に達するものや、床上浸水による損害であれば補償の対象としている商品もあります」とされています。ただし、支払いの基準(浸水の深さや損害の割合による基準など)は保険会社の約款によって定められており、契約によって異なります。「床上浸水だから必ず全額出る」とは限らないため、断定はできません。連絡した保険会社の担当者に、ご自身の契約でどのような基準になっているか確認してください。

保険金請求の手順(状況別)

台風で被害を受けたときの一般的な請求の流れは次のとおりです。

状況まずやること
建物(屋根・外壁など)が被害を受けた片付け・修理の前に被害箇所の写真を撮り、契約している保険会社・代理店に連絡する
床上・床下浸水した浸水の跡がわかるうちに写真を撮り(水が引く前・跡が消える前)、保険会社に連絡する
家財(家具・家電など)が水に浸かった処分する前に写真を撮る(メーカー名・型番がわかるとなお良い)
どの保険会社と契約したか分からない自然災害等損保契約照会センター(0120-501331)に照会する(個人契約に限る)

写真は、被害箇所のアップ、被害箇所と周囲の様子がわかるもの、建物全体がわかるものを複数の角度から撮っておくと、保険会社への状況説明がスムーズになります(具体的な必要枚数・提出方法は保険会社によって案内が異なるため、あくまで一般的な目安です)。屋根の上など危険な場所での撮影は行わず、修理業者や保険会社に相談してください。その後、保険会社から請求書類が届き、必要に応じて損害の調査が行われたうえで、保険金の額が確定するという流れが一般的です。

火災保険の請求期限は3年

保険金を請求できる権利には期限があります。保険法第95条により、保険給付を請求する権利は、行使できるときから3年間行使しないと時効によって消滅すると定められています。「後で請求すればいい」と後回しにせず、被害を受けたらできるだけ早く連絡することが大切です。

家財(家具・家電)の被害も補償される?

火災保険は「建物」だけでなく「家財」を対象に契約できる商品もあります。家財を対象にした契約であれば、浸水で使えなくなった家具・家電なども水災補償の対象になり得ます。建物のみの契約では家財の被害は対象外になるため、ご自身の契約が建物・家財のどちらを対象にしているかも合わせて確認してください。

なお、市区町村が発行する「り災証明書」の被害区分(全壊・半壊など)と、保険会社が保険金の算定に使う損害の判定は、別の基準に基づくものです。り災証明書で「半壊」と判定されたからといって、保険会社の損害区分や支払われる保険金の額が同じになるとは限りません。それぞれ別の手続きとして進める必要があります。

車が水没したときの保険は?車両保険で直せる?

任意で加入する自動車保険のうち車両保険を付けている場合、台風の大雨や洪水などによって車が水没した損害は補償の対象になり得ます。ただし契約タイプ(補償範囲を限定したプランなど)によっては保険金が支払われないことがあるため、断定はできません。一方で、地震・噴火・津波を原因とする損害は、車両保険では補償の対象外とされているのが一般的です(台風による豪雨や河川の氾濫による水没とは扱いが異なります)。保険会社によっては、地震・噴火・津波による損害に備える特約が用意されている場合があるため、加入時の案内や約款で確認してください。

車両保険を使って修理・買い替えをした場合、翌年の等級(ノンフリート等級)や保険料の扱いは保険会社・契約内容によって異なるため、契約している保険会社に確認してください。国土交通省は、水に浸った車両について、外観上問題がなさそうでも感電事故や電気系統のショートによる車両火災のおそれがあるため、自分でエンジンをかけないよう呼びかけています。レッカー移動や修理の前に、保険会社の事故受付窓口や販売店・整備工場に連絡してください。

契約している保険会社がわからないとき

「保険証券をなくした」「どの会社と契約したか思い出せない」という場合の公式の相談窓口です。いずれも日本損害保険協会が案内している窓口で、正確な連絡先は下記のとおりです。

窓口名電話番号受付時間相談できること
自然災害等損保契約照会センター0120-501331(フリーダイヤル)月〜金曜 9:15〜17:00(祝日・休日、12/30〜1/4を除く)災害救助法が適用された地域(または金融庁の対応要請があった地域)で、家屋等の流失・焼失等により契約先の手がかりを失った個人契約の照会
そんぽADRセンター03-4332-5241月〜金曜 9:15〜17:00(祝日・休日、12/30〜1/4を除く)保険会社とのやり取りで納得できないこと・苦情の相談

日本損害保険協会によると、自然災害等損保契約照会センターは、災害救助法が適用された地域(または金融庁の対応要請があった地域)で、家屋等の流失・焼失等により保険契約の手がかりを失った場合に利用できる窓口で、対象は個人契約に限られます。契約者本人だけでなく配偶者・親・子・兄弟姉妹などの親族からの照会も受け付けていますが、契約の有無を全社に照会するため、受付から回答まで2週間程度かかるとされています。

「保険で直せます」という訪問業者に注意

台風の後は、「火災保険を使えば自己負担なしで直せます」などと持ちかけて契約を急がせる訪問業者に関する相談が寄せられることがあります。契約前に、契約している保険会社や消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください(訪問業者への具体的な対処法は別記事で詳しく解説しています)。

また、台風などの被災者を狙って「審査なし」「即日融資」をうたう業者や、ヤミ金融からの勧誘にも注意が必要です。生活資金に困った場合でも、こうした業者からは借りず、公的な支援制度や正規の相談窓口を利用してください(ヤミ金の手口と実態について詳しくはこちら)。

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まとめ

  1. 台風による損害は、火災保険の「風災」「水災」補償の対象になることがある(契約内容による)。
  2. 修理・処分の前に被害箇所の写真を撮っておく。
  3. 被害に気づいたら、できるだけ早く契約している保険会社・代理店に連絡する。
  4. 保険給付を請求する権利は3年で時効消滅する(保険法95条)。
  5. 車が水没した場合は車両保険の対象になり得るが、地震・噴火・津波は対象外。
  6. 契約先が分からない場合(個人契約に限る)は自然災害等損保契約照会センター(0120-501331)へ。回答まで2週間程度かかる。
  7. 「保険で直せます」と契約を急がせる訪問業者や、「審査なし」「即日融資」をうたう業者・ヤミ金には注意する。

よくある質問

台風の被害は火災保険で直せますか?

風災・水災を補償する契約であれば、対象になる可能性があります。ただし補償の有無や範囲は契約によって異なるため、断定はできません。まずは契約している保険会社・代理店に連絡して確認してください。

水災補償の条件は?

洪水・高潮・土砂崩れなどによる損害が対象とされていますが、どの程度の損害から保険金が支払われるかの基準は保険会社・契約商品によって異なります。契約の約款で確認するか、保険会社に問い合わせてください。

床上浸水でも火災保険は使えますか?

水災補償を付けている契約であれば対象になり得ますが、支払いの基準は契約によって異なるため、一律に「使える・使えない」とは言えません。写真を撮ったうえで保険会社に相談してください。

保険金の請求に期限はありますか?

あります。保険法第95条により、保険給付を請求する権利は行使できるときから3年間行使しないと時効によって消滅すると定められています。早めに保険会社へ連絡することをおすすめします。

車が水没した場合、車両保険は使えますか?

台風の大雨や洪水による水没であれば、車両保険を付けている場合に補償の対象になり得ます。ただし地震・噴火・津波による損害は対象外とされています。等級への影響は保険会社によって異なるため確認してください。

契約している保険会社がわからないときはどうすればいいですか?

日本損害保険協会が運営する自然災害等損保契約照会センター(0120-501331、月〜金曜9:15〜17:00)に照会できます。対象は個人契約に限られ、災害救助法が適用された地域(または金融庁の対応要請があった地域)で家屋等の流失・焼失等により契約先が分からなくなった場合が対象です。契約者本人のほか、配偶者・親・子・兄弟姉妹などの親族からの照会も可能で、回答まで2週間程度かかります。

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出典

更新履歴

2026年9月22日:記事を公開しました。

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