トイレ・水回り修理の高額請求に注意|業務停止命令の訪問業者の手口とクーリング・オフ

トイレ・水回り修理の高額請求に注意|業務停止命令の訪問業者の手口とクーリング・オフ

トイレのつまりや水漏れ、害虫駆除を業者に頼んだところ、ウェブサイトの表示額よりもはるかに高い金額を請求された、という相談が消費者庁や国民生活センターに寄せられています。消費者庁長官の権限委任を受けた関東経済産業局は2026年9月17日、水回りの給排水管工事と害虫駆除を訪問販売で行っていた事業者に対し、特定商取引法に基づく業務停止命令(9か月間)を出し、消費者庁が2026年9月18日にこれを公表しました。この記事では、消費者庁が公表した処分の内容と、契約してしまった後・お金を払ってしまった後の対処法、クーリング・オフの手続きを、公式発表をもとに整理します。

先に結論
  • 消費者庁長官の権限委任を受けた関東経済産業局は2026年9月17日、水回りの給排水管工事・害虫駆除の訪問販売業者に対し、特定商取引法に基づく業務停止命令(2026年9月18日〜2027年6月17日の9か月間)を出し、消費者庁が2026年9月18日に公表した。
  • 訪問販売は、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフで契約を無条件解除でき、工事が終わっていても対価を支払う必要はない(特定商取引法第9条)。
  • 自分で業者を呼んだ場合でも、広告の表示額と契約額が大きく違うときなどはクーリング・オフができる場合がある。
  • 事業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げたために通知できなかった場合は、8日を過ぎていてもクーリング・オフができる。
  • 納得できない請求や対応に困ったときは、消費者ホットライン188(局番なし)へ相談できる。
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目次

トイレ・水回り修理で高額請求 消費者庁が業務停止命令を出した事例

消費者庁長官の権限委任を受けた関東経済産業局は2026年9月17日、水回りの給排水管工事に係る役務並びに害虫駆除及び駆除後の予防措置に係る役務を訪問販売で提供していた株式会社HOPE Group(本店所在地:東京都新宿区)に対し、特定商取引法第8条第1項に基づき、2026年9月18日から2027年6月17日までの9か月間、訪問販売に関する業務の一部(勧誘・申込受付・契約締結)を停止するよう命じました。消費者庁はこの処分を2026年9月18日に公表しています。あわせて、同社の代表取締役に対しても、同じ9か月間、同じ範囲の業務を新たに開始すること(その業務を担当する役員となることを含む)を禁止する業務禁止命令が出されています。なお、消費者庁の公表資料には「類似する名称の別会社と間違えないよう会社所在地なども確認してください」と明記されており、本店所在地(東京都新宿区)以外の同種の屋号・社名の事業者と混同しないよう注意が呼びかけられています。

水回り修理の見積書を手に持つ様子(イメージ)
※画像はイメージです

違反とされた行為

公表資料によると、認定された違反行為は次の4点です。

  • 契約内容を明らかにする書面に、会社の名称・代表者の氏名を記載していなかった(特定商取引法第5条第1項の書面交付義務違反)
  • クーリング・オフを申し出た消費者に対し、実際にはできるにもかかわらず「訪問販売には該当しない」などと告げた(特定商取引法第6条第1項第5号)
  • クーリング・オフにより受領した金銭の全額を返還する義務が生じていたのに、一部しか返還しなかった(特定商取引法第7条第1項第1号)
  • 契約に基づく支払いをさせるため、消費者の意に反して金融機関のATMへ連行した(特定商取引法第7条第1項第5号、同法施行規則第18条第6号ロ)

公表された事例

公表資料には、次の2件の事例が具体的に記載されています。

事例広告の表示額実際に契約した金額その後の経緯
事例1(2025年6月)「関東エリア最安値に挑戦!550円(税込)〜」消費者の想定を10万円以上上回る金額クーリング・オフを申し出たが「訪問販売には該当しない」と告げられ、返金は一部のみだった
事例2(2025年2月)「詰まりトラブル 今すぐお電話を 980円〜」消費者の想定を30万円以上上回る金額現金で支払うため金融機関のATMへ連行され、その後のクーリング・オフでも返金は一部のみだった

害虫駆除でも高額請求の相談が(国民生活センター)

国民生活センターは2025年3月4日、「【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」として注意喚起を行いました。2024年8月に受け付けた相談では、「約500円〜」「約1,000円から」といった表示を見て依頼したところ、訪問後に「フンや卵があった」「燻蒸作業が必要」などと説明され、約20万円や約50万円の請求を受けた事例が紹介されています。同センターは、表示された料金でその作業を依頼できるとは限らないこと、複数社から見積もりを取って比較すること、その場での支払いを避け不安があれば消費生活センター(188)に相談することを呼びかけています。

水回り修理で高額請求されたときの対処法(作業前・作業中・支払った後)

水回り修理や害虫駆除で高額請求されたときの対処法は、いまが契約の前か後か、支払いの前か後かによって変わります。状況別に整理すると、次のようになります。

水回りの修理作業に立ち会う様子(イメージ)
※画像はイメージです
状況できること・気をつけること
見積もり・提案の段階(まだ契約していない)作業内容と料金を書面で確認する。検索結果の上位に出ていることや「無料見積もり」の表示だけで信用せず、複数社から見積もりを取って比較する。
契約はしたが、まだ支払っていない支払いのために金融機関のATMや窓口へ同行するよう求められても、応じる義務はない。契約書面に会社名・代表者名・契約金額が記載されているかを確認する。
支払った後(契約書面を受け取ってから8日以内)クーリング・オフの通知を出せば契約を解除できる。工事が終わっていてもその対価を支払う必要はなく、受け取った金銭の全額の返還を求められる(特定商取引法第9条)。
8日を過ぎてしまった/事業者に解除を断られた事業者がクーリング・オフに関して事実と違うことを告げるなどしたために通知できなかった場合は、期間を過ぎていてもクーリング・オフができる。納得できない場合は消費者ホットライン188で相談する。
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水道修理の「○円〜」表示に注意(消費者庁が2025年に公表した事例)

消費者庁は2025年7月31日にも、水回りトラブル対応業者について別の注意喚起を行っています。対象となった株式会社ベアーズホームは、自社のウェブサイトで「水道つまり漏れ2,980円〜」、さらに「一般的な水道事業者 合計9,800〜58,000円」に対し「関東水のトラブル相談センター 合計2,980〜35,000円」といった比較表示をしていましたが、消費者庁はこれを、消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある虚偽・誇大な広告・表示と判断し、消費者安全法第38条第1項に基づいて公表しました。この事業者は、前段で紹介した株式会社HOPE Groupとは別の会社です。「○円〜」という表示は最低額であって、実際にその金額で作業を依頼できるとは限らない点に注意が必要です。

スマートフォンで修理業者の広告を確認する様子
※画像はイメージです

クーリング・オフの通知の出し方

訪問販売では、法律で決められた契約書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、原則として無条件で契約を解除できます(特定商取引法第9条)。工事がすでに始まっていた場合は、無償で元の状態に戻してもらうことができ、役務の提供を受けた後でもその対価を支払う必要はありません。

クーリング・オフの通知はがきを書く手元
※画像はイメージです

通知を書面(はがきなど)で行う場合は、特定記録郵便・簡易書留・内容証明郵便など、送った記録が残る方法で送ることが消費者庁の「特定商取引法ガイド」で薦められています。電子メールなど電磁的方法で通知することもでき、その場合は送信したメールを保存しておくなど、証拠を残しておくことが望ましいとされています。宛先は契約書面に記載された事業者の名称・住所です。似た内容のトラブルとして、解約したはずの契約で請求が続くケースは解約したのに請求が来るでも解説しています。

自分で業者を呼んだ場合でもクーリング・オフできる?

訪問販売のクーリング・オフには、消費者が自分の住居で契約の申込みや締結を請求した場合の適用除外があります(特定商取引法第26条第6項第1号)。ただし、この適用除外が成立するのは、消費者が契約前からその内容で契約する意思をあらかじめ持っていて、そのことを明確に意思表示していた場合に限られます。

消費者庁が今回の処分にあわせて公表したチラシでは、「ウェブサイト上の安価な修理代金を見て訪問修理を依頼したにもかかわらず、実際には高額な修理工事の勧誘を受けて契約した場合」などはクーリング・オフが認められると例示しています。特定商取引法ガイドのQ&Aでも、ポスティングされたチラシに書かれた安価な表示額と実際の請求額に相当な開きがあり、その金額で契約する明確な意思表示をしたといえないのであれば、適用除外の対象とはならないと考えられるとしています。契約の申込みや締結の請求を、自宅ではなく別の場所(コインパーキングなど)で行った場合も、住居での請求という要件を満たさないため、適用除外の対象とはならないと考えられるとされています。水回り修理に限らず、自宅への訪問業者とのトラブルとしては分電盤の点検商法に注意のような事例もあります。

高額請求に納得できない・支払ってしまったときの相談先

個別の契約トラブルについて相談したいときは、消費者ホットライン188(局番なし、一部のIP電話・プリペイド式携帯電話からは利用不可)に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえます。最寄りの消費生活センターは、国民生活センターのウェブサイト(https://www.kokusen.go.jp/map/index.html)でも検索できます。なお、今回のHOPE Groupの処分そのものについて問い合わせる窓口は、権限委任を受けた関東経済産業局の消費者相談室(048-600-0340)ですが、個別トラブルのあっせん・仲介は行っていないとされているため、契約の解除や返金交渉については消費者ホットラインや消費生活センターに相談してください。

消費生活センターへ電話で相談する後ろ姿
※画像はイメージです
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よくある質問

トイレ修理や水回り修理で高額請求をされたら、まず何をすればいいですか?

まだ支払っていない場合は、その場での支払いや同意を急がず、契約書面に会社名・代表者名・契約金額が記載されているかを確認してください。契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフの通知を出すことで契約を解除できます。納得できない場合は、消費者ホットライン188で相談できます。

水道修理の広告に「○円〜」と書いてあったのに、実際の請求額が全然違いました。どうしたらいいですか?

表示された料金は最低額であり、その金額で作業を依頼できるとは限りません。消費者庁は、広告表示と大きく異なる高額な請求を行っていた事業者を公表しています。契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフで契約を解除でき、工事が終わっていても対価を支払う必要はありません。

自分で業者を呼んだ場合でも、クーリング・オフはできますか?

消費者が自宅で契約の申込みをあらかじめ明確な意思をもって行った場合は、クーリング・オフの適用除外となる場合があります。ただし、広告の表示額と実際の契約金額が大きく違う場合は、消費者庁の解説では適用除外に当たらず、クーリング・オフができるとされています。

害虫駆除でも高額請求のトラブルはありますか?

あります。国民生活センターは2025年3月4日、「約500円〜」などの表示を見て依頼したところ、訪問後に高額な作業が必要と説明され、約20万円や約50万円を請求された相談事例を公表しています。

すでにお金を払ってしまいました。取り戻せますか?

契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフの通知を出すことで契約を解除でき、受け取った金銭の全額の返還を求めることができます。8日を過ぎていても、事業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げるなどしたために通知できなかった場合はクーリング・オフができるとされています。

どこに相談すればいいですか?

消費者ホットライン188(局番なし)に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえます。国民生活センターのウェブサイトからも最寄りの消費生活センターを検索できます。

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出典

更新履歴

2026年9月27日:記事を公開しました。

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