熊本市に住む75歳以上(後期高齢者医療制度の被保険者)で、令和8年熊本地震の被害を受けた人と、その家族に向けた記事です。熊本市は、後期高齢者医療保険料の減免(申請期限は令和9年3月31日)と、医療機関等の窓口負担(一部負担金)の免除(令和8年11月末診療分まで)を案内しています。熊本市の公式ページ(2026年8月17日・24日更新)で確認できた内容を、2026年10月9日現在でまとめます。
この記事は熊本市の後期高齢者医療の話です。国民健康保険や介護保険、ほかの市町村は、制度や窓口が異なります。
- 保険料の減免:住宅の被害で全壊は全額、半壊・大規模半壊は2分の1。収入の減少や、生計維持者の死亡・行方不明などでも減免があります。申請期限は令和9年3月31日。
- 窓口負担の免除:住家が全半壊・床上浸水等などの人は、令和8年7月28日〜11月末診療分の窓口負担が免除。窓口で「被災した」と申し出ます。
- 保険証・マイナ保険証がなくても、氏名・生年月日・連絡先・住所を伝えれば受診できます。
- 相談は熊本市 国保年金課(後期高齢者医療担当)096-328-2290、または各区役所 区民課。
後期高齢者医療保険料の減免
令和8年7月28日時点で対象市町村に住所があり、地震による被害を受けた後期高齢者医療制度の被保険者は、申請により、保険料の減免を受けられる場合があります。対象保険料は令和8年7月から令和9年3月31日までの保険料です。複数のケースに該当する場合は、減免額が最も大きくなるものを適用します。
| ケース | 対象となる人 | 軽減の割合 | 主な必要書類 |
|---|---|---|---|
| 1 | 主たる生計維持者が「居住する住宅」に損害を受けた人(罹災証明書の損害区分で判定) | 全壊:全額 半壊・大規模半壊:1/2 長期避難世帯は全壊扱い | 罹災証明書(「住家」で発行されたもの) |
| 2 | 世帯の主たる生計維持者が、地震による被害で死亡した、または重篤な傷病を負った人 | 対象保険料の全額 | 被災したことが分かる書類、医師の診断書(死亡の場合は死亡診断書) |
| 3 | 世帯の主たる生計維持者が、地震による被害で行方不明となった人 | 対象保険料の全額 | 被災したことが分かる書類、状況報告書 |
| 4 | 主たる生計維持者の事業・不動産・山林・給与のいずれかの収入が、(1)前年より3割以上減る見込み、(2)前年の合計所得が1,000万円以下、(3)減る収入以外の前年所得が400万円以下、のすべてを満たす人 | 前年合計所得に応じて、300万円以下:全額、400万円以下:8/10、550万円以下:6/10、750万円以下:4/10、1,000万円以下:2/10。事業廃止・失業は全額 | 被災したことが分かる書類、収入減少が分かる書類、保険金等の補填額が分かる書類(補填がない場合は申立書)、令和8年の収入見込みが分かる書類、状況報告書 |
| 5 | 被保険者本人が主たる生計維持者ではなく、その本人が地震による被害で行方不明となった人 | 対象保険料の全額 | 被災したことが分かる書類、状況報告書 |
状況報告書は、市町村職員が申請者から聞き取りを行い作成します。ケース4の軽減割合は、計算した対象保険料額に対する割合です。申請書類(減免申請書、申立書、状況報告書)は、熊本市のページからダウンロードできます。
申請の窓口
| 窓口 | 電話番号 |
|---|---|
| 中央区役所 区民課 | 096-328-2278 |
| 東区役所 区民課 | 096-367-9125 |
| 西区役所 区民課 | 096-329-1198 |
| 南区役所 区民課 | 096-357-4128 |
| 北区役所 区民課 | 096-272-6905 |
| 熊本市 健康福祉局 国保年金課(郵送。〒860-8601 熊本市中央区手取本町1番1号) | 096-328-2290(後期高齢者医療担当) |
医療機関等の窓口負担(一部負担金)の免除
医療保険の種類を問わない窓口負担免除の条件(5つの申告要件・対象外の費用・還付の手続き)は、熊本地震の被災者は病院・介護の窓口負担が不要にで詳しく説明しています。ここでは、後期高齢者医療の被保険者に向けて要点を整理します。
| 項目 | 内容(熊本市、2026年8月17日更新) |
|---|---|
| 対象となる人 | 熊本地震により被災し、次のいずれかに該当する後期高齢者医療の被保険者。住家(自宅)が全半壊・全半焼・床上浸水またはこれに準ずる被災/主たる生計維持者が死亡または重篤な傷病/行方不明/事業や業務を廃止・休止/失職し現在収入がない |
| 対象期間 | 令和8年7月28日〜令和8年11月末診療分まで |
| 対象となる費用 | 医療機関・薬局・訪問看護等の窓口で支払う一部負担金(窓口負担) |
| 対象とならない費用 | 入院時の食事代、生活療養費の標準負担額、差額ベッド代など保険適用外の費用 |
| 手続き | 医療機関・薬局等の窓口で「熊本地震で被災した」旨を申し出る。窓口での支払いが猶予され、後日免除される。状況により、いったん全額(10割)を支払い、後日精算(払い戻し)する場合がある |
厚生労働省は、令和8年8月3日付の事務連絡で、熊本県内の保険者等に、被災者の医療・介護の一部負担金・利用料の免除等の特別対策を要請し、実施の意向を確認しています。厚生労働省は、保険医療機関等の窓口での一部負担金の支払いを猶予し、さらに、猶予した分を免除すること、などの意向を確認するとしています。
保険証がなくても受診できる|避難している人へ
熊本市の資料「医療機関等を受診される避難者の皆様へ」には、マイナ保険証、資格確認書や公費負担医療の受給者証がなくても、医療機関等を受診できると書かれています。紛失したり、自宅に残したまま避難したりしている人も、医療機関等で、氏名、生年月日、連絡先(電話番号等)、住所等を申し立てることにより、受診できます。公費負担医療について、緊急の場合は、指定医療機関以外の医療機関でも受診できます。
公費負担医療の受給者証の例として、指定難病医療受給者証、特定疾患医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証、自立支援医療受給者証などが挙げられています。
申請の流れと、準備しておくもの
- 市町村(熊本市)で、住家の罹災証明書の発行を申請する(保険料の減免のケース1で必要)。
- 減免申請書、必要書類を用意し、各区役所の区民課の窓口か、熊本市 国保年金課へ郵送で提出する。ケース2〜5(死亡・行方不明・収入減少)は、状況報告書を、市町村職員が申請者から聞き取りを行い作成する。
- 病院や薬局では、受診のたびに「熊本地震で被災した」旨を申し出る(11月末診療分まで)。
- 12月以降の窓口負担の扱いは、熊本市の案内で、免除の期間が延長されたかを確認する。
国民健康保険の保険料の減免や、一部負担金の減免、介護保険料の減免は、熊本市の被災者支援メニュー(冊子)に、国保年金課(096-328-2290)や介護保険課(096-328-2347)の担当として載っています。この記事は、後期高齢者医療の制度に絞っています。国民健康保険や介護保険の内容は、窓口に確認してください。
よくある質問
熊本市の後期高齢者医療の保険料は、地震で減免されますか?
熊本市の案内では、令和8年7月28日時点で対象市町村に住所があり、地震による被害を受けた後期高齢者医療制度の被保険者は、申請により保険料の減免を受けられる場合があります。対象保険料は、令和8年7月から令和9年3月31日までの保険料で、申請期限は令和9年3月31日(水)です。
住宅が被害を受けた場合の減免の割合は?
主たる生計維持者が居住する住宅に損害を受けた場合で、罹災証明書(住家)の損害区分で判定します。全壊は全額、半壊・大規模半壊は2分の1です。長期避難世帯は全壊扱いです。必要書類は、「住家」で発行された罹災証明書です。
収入が減った場合も減免されますか?
主たる生計維持者の事業・不動産・山林・給与のいずれかの収入が、前年より3割以上減る見込みで、前年の合計所得が1,000万円以下、減る収入以外の前年所得が400万円以下のすべてを満たす場合に、前年合計所得に応じて減免されます。300万円以下は全額、400万円以下は10分の8、550万円以下は10分の6、750万円以下は10分の4、1,000万円以下は10分の2です。事業廃止・失業は対象保険料額の全額です。
病院や薬局の窓口で、お金を払わなくていいのですか?
熊本市の案内では、熊本地震で被災した後期高齢者医療制度の被保険者のうち、住家が全半壊・全半焼・床上浸水またはこれに準ずる被災をした人などについて、令和8年7月28日から11月末診療分まで、医療機関・薬局・訪問看護ステーション等の窓口でお支払いする一部負担金(窓口負担)が免除されます。窓口で「熊本地震で被災した」旨を申し出ます。
窓口で払った分は戻りますか?
お申し出により、窓口での一部負担金の支払いが猶予され、後日免除されます。状況により、窓口でいったん全額(10割)を支払い、後日、免除分を精算(払い戻し)する場合があります。入院時の食事代、生活療養費の標準負担額、差額ベッド代などの保険適用外の費用は、免除の対象外です。
保険証やマイナ保険証をなくしたり、持たずに避難したりした場合は?
熊本市の資料によると、マイナ保険証、資格確認書や公費負担医療の受給者証がなくても、医療機関等で、氏名、生年月日、連絡先(電話番号等)、住所等を申し立てることにより、受診できます。公費負担医療について、緊急の場合は、指定医療機関以外の医療機関でも受診できます。
関連記事
- 熊本市の介護保険料が地震で減免に|全壊は全額・半壊は1/2、介護サービス利用料の免除は11月利用分まで
- 熊本市の国民健康保険料が地震で減免に|全壊は全額・半壊は半額、申請は令和9年3月31日まで
- お金が必要なのにどこからも借りれない時の最終手段と公的支援
出典
- 熊本市「【令和8年熊本地震】後期高齢者医療保険料免除について」(2026年8月24日更新)
- 熊本市「【令和8年熊本地震】後期高齢者医療 医療機関等での窓口負担(一部負担金)の免除について」(2026年8月17日更新)
- 熊本市「医療機関等を受診される避難者の皆様へ」
- 厚生労働省 事務連絡「令和8年熊本地震による被災者に係る一部負担金・利用料免除等の実施について(要請・意向確認依頼)」(令和8年8月3日)
- 写真:Waka77(Wikimedia Commons、CC0)。熊本再春医療センターの写真で、今回の被害を写したものではありません。
更新履歴
- 2026年10月9日:記事を公開しました。
