銀行なら年収の3分の1を超えて借りられる?|総量規制の対象外の意味と、全銀協の申し合わせ

銀行なら年収の3分の1を超えて借りられる?|総量規制の対象外の意味と、全銀協の申し合わせ

「総量規制は銀行には関係ない」と聞いて、銀行なら年収の3分の1を超えて借りられるのでは、と考える人もいるかもしれません。この記事では、日本貸金業協会の説明、全国銀行協会の申し合わせ(2017年)、全国銀行個人信用情報センターの資料をもとに、銀行のローンと総量規制の関係、銀行の審査の考え方、借入れが重なったときの相談先を整理します。

先に結論
  • 銀行、信用金庫などは貸金業者ではないため、総量規制の対象外です(日本貸金業協会)。
  • ただし、全国銀行協会の申し合わせは、収入や返済能力の把握、他社借入れの勘案、年収に対する借入額の比率を意識した保証会社との協議などを求めています。
  • 「総量規制の対象外」「年収証明書不要」を強調する表示は、銀行が行わないよう努めるものとされています。
  • 返済が難しいときは、全銀協のカードローン相談・苦情窓口(0570-017-310)や、JCCO、法テラスに相談できます。
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目次

銀行からの借入れは、総量規制の対象外

日本貸金業協会によると、総量規制の対象となる貸付けは、貸金業者の貸付けです。貸金業者とは、お金を貸す業務を行っており、財務局または都道府県に登録をしている業者で、消費者金融、事業者金融、クレジットカード会社などが該当します。銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫なども、さまざまな融資を行っていますが、これらは「貸金業者」ではありません。そのため、貸金業者に該当しない銀行などからの借入れは、貸金業法の規制(総量規制)の対象外です。仕組みの全体は総量規制とは?年収の3分の1で整理しています。

例外もあります。住宅ローンや自動車ローンなど、貸金業者でも年収の3分の1の計算に含まれない「除外貸付け」と、借換えなどの「例外貸付け」があります(日本貸金業協会)。これらは貸金業者の貸付けの話で、銀行のローンの話ではありません。

対象外でも、「年収の3分の1を超えて借りられる」とは限らない

総量規制の対象外であることは、銀行が年収を考えずに貸してよい、という意味ではありません。全国銀行協会は、2017年(平成29年)3月16日の「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」で、銀行による消費者向け貸付けは改正貸金業法の適用対象外であるものの、金融庁の監督指針で、同法における多重債務の発生抑制の趣旨や顧客保護などの観点を踏まえた態勢の整備が求められている、としています。また、貸金業者による保証を付した銀行の貸付けについても、同様の態勢整備が求められている、としています。申し合わせの主な内容は、次のとおりです。

全銀協の申し合わせ(2017年3月16日)内容
1 広告・宣伝銀行カードローンが改正貸金業法による総量規制の対象外であることや、高額の借入れであっても年収証明書が不要であることを強調するなど、過剰な借入れとならないための配慮に欠けた表示を行わないよう努める。広告・宣伝の中で、過剰な借入れに対して注意喚起を行う
2(1) 収入・返済能力の把握年収証明書や自ら保有する顧客の情報などによって、収入状況や返済能力をより正確に把握することに努める。改正貸金業法上、自社で50万円超、または他社借入れを含めた総額で100万円超の貸出審査には年収証明書が必要とされていることにも留意する
2(2) 他社借入れの勘案信用情報機関の情報などを活用し、自行・他行のカードローン、貸金業者の貸付けを勘案して、返済能力などを確認するよう努める
2(3) 保証会社との協議信用保証会社の代弁率や応諾率の推移、年収に対する借入れの状況と代弁率の相関関係などを定期的に分析・把握する。個人の年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロールなどを行うべく、保証会社と審査方針などを協議するよう努める
2(4) 貸付け後の把握貸付け実施後も、顧客の状況などに応じて、定期的に信用状況の変動の把握に努める

特に2(3)には、個人の年収に対する借入額の比率を1/3以内に制限する総量規制の効果として、多重債務の発生が一定程度に抑制されている状況などを踏まえ、銀行カードローンにおいても、年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロールなどを行うよう、保証会社と審査方針などを協議することが書かれています。つまり、銀行の審査でも、年収に対する借入れの大きさは、判断の材料になります。

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銀行カードローンの審査の例:銀行と保証会社の二段階

みずほ銀行のFAQ(よくあるご質問)は、カードローンの申込みについて、みずほ銀行と、みずほ銀行指定の保証会社(株式会社オリエントコーポレーションまたはアイフル株式会社)の審査があり、審査の結果によっては希望に沿いかねる場合がある、と説明しています。ご利用限度額と金利は、インターネットからの申込み後、銀行と保証会社による審査で決まり、金利は限度額によって決まります。審査の結果、限度額が50万円を超えた場合は、収入証明書(源泉徴収票、住民税決定通知書または課税証明書、納税証明書のいずれか)の提出が必要で、提出しない場合は限度額50万円・年14.0%の契約となる、とされています(2026年7月8日現在の表示)。

この例のように、銀行のカードローンでも、収入を示す書類の確認や、保証会社の審査が行われます。ほかの銀行の条件は、それぞれの公式サイトで確認してください。

「総量規制対象外」「年収証明書不要」という言葉の見方

全銀協の申し合わせは、前の表のとおり、総量規制の対象外であることや、年収証明書が不要であることを強調するような表示を、銀行が行わないよう努めるとしています。貸金業者についても、貸金業法16条2項3号は、借入れが容易であることを過度に強調することにより、借入意欲をそそるような表示や説明をしてはならない、と定めています。

「年収の3分の1以上借りる方法」「総量規制を気にせず借りられる」のような言葉で、借入れを勧める情報は、こうした考え方と逆の方向を向いています。「審査なし」「ブラックでも借りられる」といった広告は信用せず、貸金業者であれば登録の有無を確認してください(「審査なし」広告のルール、貸金業者の登録を確認する方法)。

銀行の借入れも、信用情報として共有される

全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、ローンやクレジットカード等に関する個人信用情報を登録し、会員(金融機関等)における与信取引上の判断のための参考資料として提供している、と説明しています(「登録情報開示報告書の見方」2025年8月)。KSCは、他の個人信用情報機関と情報を交流しており、IDEAでは、KSCに登録されている消費性かつ無担保のカードローンとキャッシング(クレジットカードに付帯するキャッシング枠を含む)の残高と、JICC・CICに登録されている金銭の貸付けに係る契約にもとづく貸付けの残高の情報が交流されます。

つまり、銀行のカードローンの残高も、他の金融機関の審査で参考にされうる情報です。自分の信用情報は、信用情報の開示で確認できます。

銀行の借入れが重なって返済が苦しいとき

全国銀行協会は、カードローンによる多重債務の抑制の観点から、2017年(平成29年)10月から「カードローン相談・苦情窓口」を全国銀行協会相談室に設置しています。銀行のカードローン(事業性の資金を除く)の返済が困難になっている人や、一括で返済したいが返済方法がよく分からない人が対象です。

項目内容(全銀協の案内)
電話全国銀行協会相談室 0570-017-310
受付月〜金曜日(祝日と銀行の休業日を除く)の午前9時〜午後5時。直接来るときは、電話で予約

見通しが立たないときは、債務整理も含めて相談してください。JCCOの多重債務ほっとライン(0570-031640)は、借金の内容と返済の可能性を検討し、最も合った方法を検討できる窓口で、電話相談もカウンセリングも無料と案内されています(JCCOの無料借金相談)。法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時)でも案内を受けられます。方法の違いは債務整理4種類の違い、費用が心配なときは債務整理の費用が払えないときで整理しています。

「審査なし」をうたう業者、個人間融資、給与ファクタリングは、貸金業の登録がない違法な貸付けである可能性が高いため使わないでください(給与ファクタリング・個人間融資の危険)。

借金の減額は、弁護士に無料で相談できます

支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。

ライズ綜合法律事務所では、質問に答えるだけで借金の減額相談を無料で申し込めます(匿名でも可)。まずは減らせる可能性があるかだけでも確かめてみてください。

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まとめ

  1. 銀行は貸金業者ではないため、総量規制の対象外。
  2. 対象外でも、年収に対する借入れの大きさは銀行の審査の判断材料になる。
  3. 全銀協の申し合わせは、収入や返済能力の把握、他社借入れの勘案を求めている。
  4. 銀行の借入れは、信用情報機関を通じて他の金融機関にも参考にされうる。
  5. 返済が難しいときは、全銀協の窓口、JCCO、法テラスに相談する。

よくある質問

銀行のカードローンは、年収の3分の1を超えて借りられますか?

銀行は貸金業者ではないため、総量規制(年収の3分の1)の対象外です(日本貸金業協会)。ただし、全国銀行協会の申し合わせは、年収証明書などで収入や返済能力を把握し、他社借入れを勘案して返済能力を確認するよう努めることを挙げています。借りられる額は審査で決まります。

銀行カードローンの審査では、年収は見られますか?

全国銀行協会の申し合わせは、年収証明書や自ら保有する顧客の情報などによって、収入状況や返済能力をより正確に把握することに努めるとしています。年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロールなどを、保証会社と協議することにも触れています。

銀行カードローンは、収入証明書なしで借りられますか?

条件は銀行ごとに公式サイトで確認してください。みずほ銀行のFAQでは、審査の結果、限度額が50万円を超えた場合に、収入証明書の提出が必要とされています。貸金業法では、貸金業者に50万円超、または他社借入れを含めて100万円超の場合の収入証明書の取得義務があり、全銀協の申し合わせも、この基準に留意するとしています。

銀行の借入れは、信用情報に残りますか?

全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、ローンやクレジットカード等に関する個人信用情報を登録し、会員の与信取引上の判断のための参考資料として提供しています。他の個人信用情報機関とも情報を交流しています。

銀行カードローンの返済が難しいとき、相談できる窓口はありますか?

全国銀行協会の「カードローン相談・苦情窓口」(全国銀行協会相談室、0570-017-310、月〜金曜日の午前9時〜午後5時、祝日と銀行の休業日を除く)があります。借りている銀行にも早めに連絡してください。

出典

更新履歴

2026年10月9日:記事を公開しました。

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