貸金業者の取立て規制|夜9時から朝8時の電話は禁止・勤務先への連絡・弁護士に頼んだあとの督促

貸金業者の取立て規制|夜9時から朝8時の電話は禁止・勤務先への連絡・弁護士に頼んだあとの督促

貸金業者から督促が来たとき、「夜に電話が来るのは違法ではないのか」「勤務先に連絡されるのでは」と不安になる人は多いはずです。貸金業法は、貸金業者の取立てのしかたを細かく規制しています。この記事では、貸金業法と施行規則の条文をもとに、禁止される取立てと、督促状に書かれるべき内容を整理します。

先に結論
  • 貸金業者は、午後9時から午前8時の間に、正当な理由なく電話・FAX・訪問をしてはいけません(施行規則19条1項)。
  • 正当な理由なく、勤務先など居宅以外の場所へ電話や訪問をすることも禁止されています(貸金業法21条1項3号)。
  • 弁護士・司法書士に依頼し、書面で通知したあとは、電話などで弁済を要求できません(同9号)。
  • 督促の書面には、貸金業者の商号・住所・電話番号、契約年月日、貸付けの金額、利率、催告する金額などが書かれます(同21条2項)。
  • ルールに反する取立てを受けたら、日本貸金業協会(0570-051-051)などに相談します。
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目次

貸金業者の取立てには、法律のルールがある

貸金業法21条は、貸金業者、または貸金業者から取立てを委託された人が、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするとき、人を威迫したり、私生活や業務の平穏を害する言動をしたりしてはならないと定めています。債権が他の人に譲渡された場合も、譲り受けた人に同じルールが準用されます(貸金業法24条2項)。

取立てでも、貸金業者からの督促そのものが禁止されているわけではありません。禁止されているのは、次のような取立てのしかたです。

禁止されている取立て(貸金業法21条1項)内容
夜間の電話・FAX・訪問午後9時から午前8時までの間に、正当な理由なく、電話をかける、FAXを送る、居宅を訪問する(同条1項1号、貸金業法施行規則19条1項)
勤務先などへの連絡・訪問正当な理由なく、勤務先など居宅以外の場所に電話をかける、電報を送る、FAXを送る、訪問する(3号)
退去しない居宅や勤務先などで、退去するよう言われたのに退去しない(4号)
借入れの事実を知らせる貼り紙などの方法で、借入れの事実などを債務者以外の人に明らかにする(5号)
他からの借入れを要求債務者以外からお金を借りるなどして、返済資金を調達するよう要求する(6号)
代わりの弁済を要求債務者以外の人に、債務者に代わって払うよう要求する(7号)
協力拒否のあとの要求債務者以外の人が連絡先を教えるなどの取立てへの協力を断っているのに、さらに協力を要求する(8号)
専門家に依頼したあとの取立て弁護士・司法書士に債務の処理を委託した旨の書面の通知があったあと、正当な理由なく、電話、電報、FAX、訪問で弁済を要求し、直接要求しないよう求められても、さらに要求する(9号)

このほか、10号は、6号を除く各号の言動を、これからすると債務者等に告げることも禁止しています。表の最後の項目(9号)は、弁護士や司法書士に依頼して、その旨の書面の通知が貸金業者に届いたあとの取立てを、禁止するものです。弁護士や司法書士が債務整理の依頼を受けて通知を行うと、通常、貸金業者からの連絡は止まると、法テラスも説明しています。

ただし、法テラスによると、銀行や個人の債権者など、貸金業者や債権回収会社以外の債権者については、法的に直接の取立てが禁じられているわけではありません。それでも、弁護士や司法書士が債務整理を受任すれば、直接の連絡が止まることがほとんどだとされています。

夜は何時まで?:電話・訪問が禁止される時間帯

貸金業法21条1項1号の「内閣府令で定める時間帯」は、貸金業法施行規則19条1項で、午後9時から午前8時までの間と定められています。この時間帯に、正当な理由がないのに、債務者等に電話をかけたり、FAXを送ったり、居宅を訪問したりすることが禁止されています。

2号は、債務者等が、弁済する時期や連絡を受ける時期を申し出た場合でも、その申出が社会通念に照らして相当でないなどの正当な理由がないのに、禁止された時間帯以外の時間帯に電話をかけるなどの行為を禁じています。

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督促状に書かれていなければならないこと

貸金業法21条2項は、貸金業者などが、支払を催告するために書面を送るときに、次の事項を書くよう定めています。

督促の書面に必ず書くこと(貸金業法21条2項)
貸金業者の商号・名称または氏名、住所、電話番号
書面を送る人の氏名
契約年月日
貸付けの金額
貸付けの利率
支払の催告に係る債権の弁済期
支払を催告する金額

貸金業法施行規則19条3項は、さらに、支払の催告時の残りの債務の額と、催告する金額の内訳(元本、利息、債務の不履行による賠償額の別)なども書くと定めています。書面を送るときは、書面に封をするなど、債務者の借入れの事実が債務者以外の人に分からない方法で行わなければなりません(同条2項)。

書面に、こうした事項が書かれていないときや、貸金業者の名前や電話番号が分からないときは、本物の督促状か疑ってください。督促状の見分け方は、アイフルの督促状はいつ届く?やプロミスの督促状はいつ届く?、アコムの督促状とは?で、各社の公式の案内をもとに解説しています。

債権が別の会社に譲渡されたときも、同じルールが及ぶ

貸金業法24条1項は、貸金業者が貸付けの債権を他人に譲渡するとき、その債権が貸金業者の貸付けに基づいて発生したことなどと、取立てなどのルールの適用があることを、譲受人に通知しなければならないと定めています。同条2項により、債権を譲り受けた人にも、取立て行為の規制(21条など)が準用されます。

また、同条3項は、暴力団員等や、取立てのときに21条1項に違反するおそれが明らかな人などに、債権の譲渡や取立ての委託をすることを禁じています。貸金業法21条1項は、貸金業者のほか、取立てについて貸金業者などから委託を受けた人も対象にしています。債権の取立てを委託された会社(債権回収会社など)から督促が来たときも、同じように、時間帯や勤務先への連絡などのルールを確認してください。

ルールに反する取立てを受けたとき

電話の時間帯、勤務先への連絡、督促のしかたなどに、ルールに反する取立てがあったときは、証拠として、日時、連絡の方法、言われた内容、書面を記録して残してください。相談先は次のとおりです。

相談先電話番号など
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター0570-051-051
消費者ホットライン188
警察相談専用電話#9110
法テラス・サポートダイヤル0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)

日本貸金業協会は、貸金業登録を受けずに業として貸付けを行う業者は「ヤミ金融」であり、登録業者かどうかを、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」や、同協会のセンターで確認できると案内しています。ヤミ金かどうかはヤミ金からの借金は返さなくていい?で解説しています。

取立てが苦しいときの対処

督促が苦しいときは、貸金業者に連絡して、状況を伝えるのが第一歩です。それでも返済のめどが立たないときは、弁護士や司法書士への依頼も選択肢です。依頼して受任通知が届くと、貸金業者からの督促は止まります。任意整理は任意整理のメリット・デメリット、個人再生は個人再生とは?、自己破産は自己破産のメリット・デメリットで解説しています。費用が心配なときは、法テラスの立替制度があります。条件は債務整理の費用が払えないときで整理しています。

督促が裁判所の手続に進んでいるときは、書類の期限があります。支払督促が届いたら2週間以内に異議や訴状が届いたら答弁書を期限内にも確認してください。

「審査なし」をうたう業者や個人間融資、給与ファクタリングは、貸金業の登録がない違法な貸付である可能性が高いため使わないでください。

借金の減額は、弁護士に無料で相談できます

支払いが遅れると、遅延損害金がかかります。返済が難しいときは、早めに専門家へ相談すると、返済の負担を見直せる場合があります。任意整理・個人再生・自己破産のどれが合うかは、借入額や収入によって変わります。

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まとめ

  1. 貸金業者の取立ては、貸金業法21条で規制されている。
  2. 午後9時〜午前8時の電話・FAX・訪問は禁止。
  3. 勤務先への連絡、借入れの事実を知らせる行為、他の人への代わりの弁済要求も禁止。
  4. 弁護士・司法書士に依頼して通知したあとは、電話などで弁済を要求できない。
  5. ルールに反する取立ては、記録を残して、日本貸金業協会などへ相談する。

よくある質問

貸金業者の督促は、夜は何時まで禁止ですか?

貸金業法施行規則19条1項で、午後9時から午前8時までの間と定められています。この時間帯に、正当な理由なく、電話をかける、FAXを送る、居宅を訪問することは、貸金業法21条1項で禁止されています。

貸金業者は、勤務先に電話してもいいですか?

貸金業法21条1項3号は、正当な理由がないのに、債務者等の勤務先など居宅以外の場所に電話をかけたり、訪問したりすることを禁じています。

弁護士に依頼したあとも、貸金業者から電話が来ますか?

貸金業法21条1項9号は、債務の処理を弁護士・司法書士に委託し、その旨の書面の通知があったあと、正当な理由なく、電話などで弁済を要求することを禁じています。法テラスも、通知後は、通常、貸金業者からの連絡は止まると説明しています。

督促状に、必ず書いてあることは何ですか?

貸金業法21条2項により、貸金業者の商号・住所・電話番号、書面を送る人の氏名、契約年月日、貸付けの金額、貸付けの利率、弁済期、催告する金額が書かれます。施行規則では、残りの債務の額と内訳なども定められています。

家族や知人に、代わりに払うよう要求されることはありますか?

貸金業法21条1項7号は、債務者以外の人に、債務者に代わって弁済するよう要求することを禁じています。ルールに反する取立てを受けたら、日本貸金業協会(0570-051-051)や消費者ホットライン(188)に相談してください。

出典

更新履歴

2026年10月9日:記事を公開しました。

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