NHK受信料の免除は、生活保護などの公的扶助を受けている方、世帯に障害者がいて世帯全員が市町村民税非課税の方、親元と別居している一定の学生などが対象で、住民税非課税というだけで誰でも受けられる制度ではありません。この記事では、「日本放送協会受信料免除基準」(令和7年10月1日施行)にもとづいて、全額免除・半額免除それぞれの対象条件と、学生・障害者の申請手続きを整理します。
自分がどの区分にあてはまるのか、非課税世帯であれば必ず対象になると思い込んでいないか、この記事の早見表と各セクションで確認してください。
- 「非課税世帯なら誰でも免除」は誤り。全額免除の対象は、公的扶助受給者・世帯に障害者がいて世帯全員が非課税の場合・社会福祉施設等入所者・一定の要件を満たす別居の学生・災害被災者などに限られます。
- 半額免除は、視覚・聴覚障害者または重度の障害者・重度の戦傷病者が世帯主かつ受信契約者の場合が対象で、非課税かどうかは条件になっていません。
- 学生の免除は親元と別居していることが前提で、収入基準(前年の年間収入187万円以下など)や奨学金の受給などいずれかの条件を満たす必要があります。
- 手続きは免除申請書に記入し、自治体で免除事由の証明を受けるか、証明書類を添えてNHKに提出します(学生は学生証と条件ごとの証明書類で申請)。NHKが受理した月から免除になります。
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NHK受信料の免除条件を早見表で確認(全額免除・半額免除・学生・対象外)
NHKの受信料免除は「日本放送協会受信料免除基準」で定められており、対象は大きく分けて全額免除・半額免除・学生免除の3つの区分です。それぞれの対象条件を早見表で整理します。

| 区分 | 主な対象になる人 | 非課税かどうかの条件 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 生活保護等の公的扶助受給者/世帯に身体・知的・精神いずれかの障害者がいて世帯構成員全員が市町村民税非課税の世帯/社会福祉施設等の入所者/条件を満たす別居の学生/災害で半壊以上の被害を受けた住居(2か月間) | 公的扶助受給者や施設入所者は非課税かどうかを問わない。障害者のルートのみ「世帯全員が非課税」が必須 |
| 半額免除 | 視覚・聴覚障害者が世帯主かつ受信契約者/重度の身体・知的・精神障害者が世帯主かつ受信契約者/重度の戦傷病者が世帯主かつ受信契約者 | 非課税かどうかは条件になっていない |
| 学生免除(別居の場合) | 親元と別居し、健康保険等の被扶養者・奨学金受給・前年年収187万円以下・親元が非課税などいずれかに該当 | 「親元が非課税」であることが条件の一つとして使えるが、必須条件ではない |
| 対象外になりやすい例 | 単身で収入が少ないだけ(学生の免除に当たらない場合)/世帯全員が非課税でも世帯に障害者がいない/障害者手帳を持つ方が世帯主でなく、世帯全員が非課税でもない | 「非課税世帯」というだけでは、上記いずれのルートにも該当しない限り対象外 |
全額免除の対象になる人(公的扶助受給者・市町村民税非課税の障害者世帯など)
全額免除の対象は、免除基準の第1項(1)〜(8)に定められています。個人の受信契約者に関わる主なものは次のとおりです。

- 公的扶助受給者:生活保護法に規定する扶助、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律に規定する入所者への療養・親族への援護、中国残留邦人等の自立支援法に規定する支援給付のいずれかを受けている世帯。
- 市町村民税非課税の障害者:身体障害者・知的障害者・精神障害者のいずれかを構成員とする世帯で、その世帯の構成員全員が市町村民税(特別区民税を含む)非課税の措置を受けている場合。
- 社会福祉施設等入所者:社会福祉法に規定する社会福祉事業を行う施設・事業所に入所し、その施設内の住居で受信契約を結んでいる場合。
- 年間収入が一定額以下等の別住居の学生:条件は後述の「学生が免除になる条件」で解説します。
- 災害被災者:災害救助法による救助が行われた区域内で、半壊・半焼または床上浸水以上の被害を受けた建物に受信機を設置している場合。免除の期間は救助の初日が属する月とその翌月の2か月間です。
このほか、社会福祉施設や学校が入所者・児童生徒専用に契約している場合も全額免除の対象ですが、これは施設・学校側の契約であり、個人の受信契約者には直接関係しません。
半額免除の対象になる人(視覚・聴覚障害者や重度の障害者が世帯主の場合)
半額免除は、免除基準の第2項(1)〜(3)に定められた障害者が「世帯主」かつ「受信契約者」である場合が対象です。全額免除の障害者ルートと異なり、世帯構成員全員が非課税である必要はありません。

| 対象 | 要件 |
|---|---|
| 視覚・聴覚障害者 | 身体障害者手帳を所持する視覚障害者または聴覚障害者で、世帯主かつ受信契約者である場合 |
| 重度の障害者 | 身体障害者手帳の障害等級が1級または2級/所得税法・地方税法に規定する特別障害者のうち重度の知的障害者と判定された者/精神障害者保健福祉手帳の障害等級が1級である者のいずれかで、世帯主かつ受信契約者である場合 |
| 重度の戦傷病者 | 戦傷病者手帳を所持し、障害の程度が恩給法に規定する特別項症から第1款症に相当する者で、世帯主かつ受信契約者である場合 |
NHKの公式Q&Aでは、半額免除に生活状態の基準(非課税)がない理由について「免除措置が受信料をお支払いの方々のご負担の上に成り立っていることを踏まえ、『世帯主』や『重度』の基準を設けている」と説明しています。
「非課税世帯なら免除」は誤解?非課税世帯が対象になる条件
検索でよく見られる「住民税非課税世帯ならNHK受信料は免除される」という理解は、基準の一部だけを見たものです。受信契約をする世帯自身の「市町村民税非課税」が全額免除の条件になるのは、世帯に障害者がいて、かつ世帯構成員全員が市町村民税非課税である場合です。単身・低収入で住民税が非課税になっていても、世帯に対象となる障害者がいなければ、この条件では免除になりません。
また、学生の免除では「親元などが市町村民税非課税の場合」も条件の一つとして認められていますが、これは親元と別居している学生本人が対象になる規定であり、親元世帯自体の受信契約が免除されるわけではない点に注意が必要です。
NHKの公式Q&Aでは、市町村民税非課税の障害者免除に生活状態の要件がある理由について「免除措置は、受信料をお支払いの方々のご負担の上に成り立っていること、障害者世帯の生活事情もさまざまであることから、生活状態について一定の基準を設けている」と説明しています。非課税かどうかだけでなく、障害者の有無や世帯の構成が条件になっている点を踏まえて、次の章の学生の条件や、公式の確認方法もあわせて確認してください。
学生が免除になる条件(親元と別居している場合)
親元などと生計をともにする者から離れて暮らす学生は、次のいずれかに該当する場合に全額免除の対象になります(いずれも学校教育法上の学校・専修学校・一部の各種学校などに在学していることが前提です)。

- 前年の年間収入が187万円以下の場合
- 国民年金保険料の学生納付特例の適用を受けている場合
- 健康保険・船員保険・共済組合等の被扶養者である場合
- 国民健康保険の修学特例の適用を受けている場合
- 経済的理由の選考基準がある奨学金制度の奨学金を受給している場合
- 経済的理由の選考基準がある授業料免除制度の適用を受けている場合
- 親元などが市町村民税(特別区民税を含む)非課税の場合
- 親元などが生活保護等の公的扶助を受けている場合
奨学金受給・授業料免除・年間収入187万円以下・国民年金保険料の学生納付特例の対象学生は、生計をともにする親元などがいない場合(天涯孤独などのケース)も対象に含まれます。なお、NHKのお知らせ(2025年7月17日「放送受信規約および放送受信料免除基準の一部変更について」)によると、2025年10月1日施行の免除基準の変更で、別住居の学生に関する免除の対象範囲が一部拡大されました。
免除の申請手続き(必要書類・証明・いつから免除になるか)
免除の手続きは、対象になる区分によって流れが異なります。

- 公的扶助受給者・市町村民税非課税の障害者(全額免除・半額免除):自治体またはNHKの窓口で入手した免除申請書に記入し、①自治体で免除事由の証明を受けてNHKに提出するか、②住民票(全額免除=世帯全員分、半額免除=世帯主がわかるもの)・非課税証明書(全額免除は世帯全員分)・手帳所持証明書(または手帳の写し)を添えて、郵送またはNHKの窓口に直接提出します。
- 学生(別居の学生の全額免除):NHKの学生を対象とした免除の手続きページから、学生証と該当する条件ごとの証明書類(年間収入187万円以下=市町村民税非課税(課税)証明書または確定申告控/奨学金受給=奨学生証/学生納付特例=承認通知書または期間証明書/授業料免除=授業料免除決定通知/親元が非課税・公的扶助受給=親元の住民票と非課税証明書または生活保護受給証明書/被扶養者=マイナポータルの「健康保険証情報」画面キャプチャまたは被用者保険の資格確認書)を提出して申請します。
NHKが受理した月から受信料が免除になります。
半額免除については、マイナンバーカードを持ち、マイナポータルの利用登録をしている場合、一部の事由を除いてインターネットでも申請できます。一方、障害者手帳や証明書類の発行に時間がかかる場合は、まずNHKに「申請中」であることを連絡したうえで、申請中であることが確認できる書類(手帳の交付申請書など)と、発行手続きのスケジュールがわかる資料を添えて申請書を提出し、正式な証明書は発行され次第、発行月の翌月末までに提出する扱いになっています。
免除が適用された後、市町村民税を課税されることになった場合や障害等級が変わった場合など、免除の事由が消滅したときはNHKへの届け出が必要です(受信規約第10条第3項)。免除事由の調査は、公的扶助受給者・市町村民税非課税の障害者の免除は1年ごと、社会福祉施設等入所者などの全額免除と半額免除は2年ごと、学生の免除は修業年限の最終年度に行われます(免除基準3)。
免除の手続きや免除事由消滅の連絡は、NHKふれあいセンター(0570-077-077、午前9時〜午後6時・土日祝日も受付。IP電話等は050-3786-5003(有料))へ。受信契約前の方が電話で契約手続きをしたい場合は0120-151515(同じ受付時間)です。すでに受信料の支払いが難しく滞納している場合の対応は、NHK受信料を滞納するとどうなるかを、割増金制度についてはNHKの割増金をあわせてご確認ください。
よくある質問
NHK受信料の免除は非課税世帯なら誰でも対象になりますか?
いいえ。全額免除で世帯自身の「非課税」が条件になるのは、世帯に身体・知的・精神いずれかの障害者がいて、かつ世帯構成員全員が市町村民税非課税である場合です。障害者がいない非課税世帯は、この条件では対象になりません。生活保護等の公的扶助受給者や社会福祉施設等入所者は、非課税かどうかを問わず全額免除の対象になります。また、親元と別居している学生は、親元などの世帯全員が非課税であることが免除条件の一つになる場合があります。
半額免除にも非課税世帯という条件はありますか?
ありません。半額免除は、視覚・聴覚障害者、重度の障害者、重度の戦傷病者のいずれかが世帯主かつ受信契約者であることが条件で、世帯の非課税・課税は要件になっていません。
学生の免除条件を教えてください。
親元などと別居していることが前提で、前年の年間収入が187万円以下、国民年金保険料の学生納付特例の対象、健康保険等の被扶養者、経済的理由の奨学金や授業料免除の対象、親元が市町村民税非課税、親元が公的扶助受給世帯、のいずれかに該当すれば全額免除の対象になります。
障害者の免除は全額免除と半額免除のどちらが適用されますか?
世帯に障害者がいて世帯構成員全員が市町村民税非課税であれば全額免除、障害者本人が世帯主かつ受信契約者で視覚・聴覚障害または重度の障害・重度の戦傷病であれば半額免除の対象です。両方の要件を満たす場合の適用関係は、NHK受信料の窓口で個別に確認してください。
免除の申請手続きはどこで行いますか?
自治体の窓口やNHKの窓口にある免除申請書に記入し、自治体で証明を受けてNHKに提出するか、証明書類を添えてNHKに提出します(学生は学生証と条件ごとの証明書類で、NHKの学生を対象とした免除の手続きページから申請します)。半額免除の一部は、マイナンバーカードとマイナポータルの利用登録があればインターネットでも申請できます。
免除はいつから適用されますか?
免除申請書をNHKに提出し、NHKが受理した月から受信料が免除になります。証明書類の発行に時間がかかる場合は、申請中であることがわかる書類を添えて先に申請し、証明書は発行後に追って提出する扱いがあります。
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出典
- 日本放送協会受信料免除基準(令和7年10月1日施行)
- NHK受信料の窓口「受信料免除の対象となる方について」
- NHK受信料の窓口「受信料免除に関するよくあるご質問」
- NHK受信料の窓口「受信料に関する電話番号の一覧」
- NHK視聴者局「放送受信規約および放送受信料免除基準の一部変更について」(2025年7月17日)
- NHK受信料の窓口「申請書での受信料免除のお手続き方法」
更新履歴
2026年9月27日:記事を公開しました。
